ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

香港の民主派、頑張れ!

2020-07-01 15:16:08 | 日記
中国は恐ろしい国だ。人民の〈自由〉を平気で踏みにじる。しかも、各種の自由ーー言論の自由や、報道の自由ーーを(今後50年は)保障する、とした国際的な公約を破ってまで、人民の自由を侵害しようとするのだから、何をか言わんやである。

私が念頭においているのは、中国がきのう可決した「香港国家安全維持法」のことである。この法律によって中国政府は、香港での反体制活動を弾圧しようとしているのである。今後、中国政府にちょっとでも批判的な言動を示した(民主派の)若者たちは、「政府転覆罪」をおかした犯罪者として逮捕され、断罪されることになる。こうして、「政治に物申す自由」は奪われることになる。

統治者と統治される者との関係は、統治される者がこの支配関係を「うん、なるほど、もっともだ」と認め、「それなら従ってやるよ」と、これを受け入れる場合にだけ、望ましいものになる。統治される者がそれを「もっともだ」と受け入れるのは、統治者が統治される者の利益を守り、過ちがあればこれを正す場合のことである。過ちを犯し、統治される者がこれを批判したら、力ずくでそれを抑え込もうとするような、そういう統治者を彼/彼女は正当な(もっともな)政権と認めることはないだろう。

中国の共産党政権を、香港の人民は「うん、従ってもいいよ」と認め、受け入れることはないに違いない。中国政府が弾圧の姿勢を強めれば強めるほど、人民の側の反発の姿勢も強くなる。

これと比べれば、日本の安倍政権などかわいいものである。検事総長を自分のシンパに挿げ替えようとした過日の一件でも、安倍自民党は法的な手続きに則り、検察庁法改正案を国会の審議に委ねた。決して頭ごなしに事を運ぼうとしたりはしなかった。安倍政権は結局、「ツイッター・デモ」の嵐に負けて自らの企みを断念したが、中国の共産党政権なら、軍隊や戦車を出して、あくまでも力ずくで決着をつけようとしたに違いない。

何が異なっているのか。日本と中国との決定的な違いは、政権の選択が国民の投票に委ねられている点にある。政府が国民に不利益を与え、国民の自由を踏みにじるようなことをすれば、その政府はたちどころに国民の支持を失い、政権を手放さざるを得なくなる。政権を維持しようと思えば、政府の為政者は国民の利益にたえず気を配り、自由をはじめとする基本的な〈人権〉を守らなければならないのである。

いや~、そういうことを考えると、日本はつくづく良い国だと思うよ。安倍さんを批判したり、おちょくったりしながら、日本の国民は政権をうまく飼い馴らしているとも言えるのだからね。安倍さんを批判したり、おちょくったりしても、「政府転覆罪」でパクられたりすることはない。その意味では、最低限、民主主義だけは死守しないとね。香港の民主派、頑張れ!
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