人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「悲しみのモーツアルト」を聴く ~ モーツアルトの短調は全作品の4.8% ~ 三枝成彰氏の解説付きコンサート

2019年12月06日 07時23分53秒 | 日記

6日(金)。わが家に来てから今日で1894日目を迎え、カナダのトルドー首相がバッキンガム宮殿での北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の晩餐会で、トランプ米大統領が長時間にわたり記者の質問に応じたことに対し「彼の側近は驚いて開いた口が床までつきそうだった」と語ったが、これに対しトランプ氏はトルドー氏が「二枚舌の男だ」と批判した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      トルドー氏が二枚舌なら トランプ氏はムクチだ! 無口じゃなくて六口だけどね!

 

         

 

昨日、夕食に「チキンステーキ」と「トマトとレタスの卵スープ」を作りました チキンステーキは少し焦がしてしまいましたが、味に変わりありませんでした

 

     

 

         

 

昨日、サントリーホール「ブルーローズ」で「第2回  哀しみのモーツアルト」を聴きました これはウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)の命日=12月5日にちなんで開かれたコンサートで、彼の短調の作品に関する作曲家・三枝茂彰氏のトークと、短調を中心とした作品の実演を楽しむ公演です

プログラムは演奏順に①ロンド イ短調 K.511、②ピアノ・ソナタ 第11番 K.331 より第3楽章「トルコ行進曲」イ短調、③弦楽四重奏曲第13番ニ短調K.173 、④歌曲・希望に K.390、⑤同・魔術師 K.472 、⑥同・老婆 K.517 、⑦同・ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いたとき K.520、⑧同・別れの歌 K.519、⑨歌劇「イドメネオ K.366」第1幕よりイリアのアリア(ト短調)「お父さま、お兄さま、さようなら!」、⑩歌劇「後宮からの誘拐 k.384 第2幕よりコンスタンツェのアリア(ト短調)「なんという悲しみが私の心を覆っていることでしょう」、⑪弦楽五重奏曲 第2番 ハ短調 K.406 より第1楽章、第3楽章、第4楽章、⑫ピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 K.466 より第1楽章、第3楽章(編曲:岩井美貴)です

演奏はピアノ=仲道郁代、ソプラノ=小林沙羅、ヴァイオリン=チェ・ムンス、ビルマン聡平、ヴィオラ=井上典子、安達真理、チェロ=植木昭雄。トークは三枝成彰です

自席は16列18番、かなり後方です。会場は9割方埋まっているでしょうか

 

     

 

最初のピアノ独奏曲の演奏が終わってから、三枝氏がマイクを持って登場し、「そもそも短調は悪の権化だった 長調の明に対して短調は暗、自然に対して人工的、神がもたらす調和に対して心を惑わすものと考えられていた そのため長調の作品が圧倒的に多くつくられてきた。モーツアルトは短調の曲が多いように思われるかも知れないが、全作品の4.8%に過ぎない。これがシューベルトだと25%、メンデルスゾーンだと40%、ブラームスだと50%、そしてラフマニノフだと100%が短調である したがって、音楽はロマン派に入って長調から短調へと変遷してきたことになる そのロマン派はシューベルトの「魔王」とベルリオーズの「幻想交響曲」に始まってマーラーの死で終わる。この間、たったの100年だ。この100年の間にヨーロッパ音楽は全盛期を迎えたと言えると思う」と語りました

次いで「是非これを観て欲しい」と言って映画「短くも美しく燃え」の一場面を上映しました この映画はモーツアルトの「ピアノ協奏曲第21番k.467」の第2楽章「アンダンテ」が使われていることで有名です スクリーンには二人の恋人たちが蝶を追いかけるシーンが映し出され、バックに「アンダンテ」が流れています。このあと、ラストシーンを上映しましたが、観終わって、三枝氏が会場に向けて「この音楽は長調か短調か、皆さんどう思いますか?」と呼びかけ、挙手を求めました その結果、長調と短調がほぼ同数であることが分かりました。私は「長調」に手を挙げました。別に「蝶々だから長調だろう」という理由ではありません。悪しからず 三枝氏が正解を言います。「実は長調で書かれているが、半数の人が短調であると考えたように、長調の曲を短調の曲と思わせる力をモーツアルトの音楽は持っている。モーツアルトは天才であるという所以だ」と、一番強調したいことを述べました

 

     

 

休憩後に開かれた三枝氏と日本モーツアルト協会会員の小澤純一氏による「モーツアルトの死因」に関する対談は興味深いものがありました 小澤氏がプログラム冊子に寄せた「モーツアルトの死因」を読むと、病死説、梅毒治療失敗説、毒殺説、撲殺説など様々な説が唱えられているようですが、どれも決め手がないようです 小澤氏は病死説を採っているようです。一方、三枝氏は2011年に刊行されたジョルジュ・ダボガ著「撲殺されたモーツアルト~1791年の死因の真相」で唱えられた「ホフデーメル犯行説」が有力だと見ていました。詳細を知りたい方はGoogleでググってみてください

演奏について触れると、歌曲と歌劇のアリアを歌った小林沙羅さんは、良く伸びる高音が魅力で、声に芯があります まったくブレません。1曲1曲に対する切り替えが見事です ドラマティックに「魔術師」を歌い上げたかと思うと、次の「老婆」では、パパゲーナが老婆に化けた時のような鼻にかかった声で、いかにも老婆が語りそうな「昔は良かった。今の若い者は・・・」と嘆き節を歌います

新日本フィルのコンマス・崔氏を中心とする同フィルゆかりのメンバーによる弦楽五重奏団の演奏する「弦楽五重奏曲 第2番 ハ短調 K.406」(第1楽章、第3楽章、第4楽章)は、かなりゆったりしたテンポで進みました 私の頭の中にあるテンポからすると、もう少し速く演奏して欲しいところでした

最後のピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 K.466 より第1楽章、第3楽章(編曲:岩井美貴)は、テンポは良かったのですが、ピアノと弦楽五重奏との音のバランスがあまり良くなかったと思います 冒頭など、弦楽五重奏の演奏にピアノの大きな音が襲いかかってくるような印象を受けました 小ホールでの演奏なので、これは如何ともしがたいのですが、「ピアノをもう少し控えめに演奏して欲しい」と言っても、断られるだろうな

プログラム冊子が充実しています 「モーツアルトの短調作品一覧」(計44曲)、「日本語で読めるモーツアルト書籍一覧」(全744点!)ほか読みごたえがあります

午後7時に始まったコンサートは、あろうことか、終わったのが10時過ぎでした。オペラでもあるまいし、だれが予想できたでしょうか? 原因はハッキリしています トークと対談をもっと要領よく進行するようにし、映像(DVD?)の上映をスムーズに行えば3時間もかからないはずです。次回に期待します

 

     

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« パレルモ・マッシモ劇場のベ... | トップ | 井上道義 ✕ 池田香織 ✕ 首都... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事