Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

新幹線にての防犯雑考

2019-06-09 20:34:40 | 社会・経済

去年の今頃、東京から関西方面へ向かっていた 東海道・山陽新幹線車内にて、刃物による乗客複数の殺傷事件があった事はご存知だろう。改めて犠牲のお一方への弔意と、複数の負傷各位へのお見舞いを申したい。その上で、徐々にだが各地の新幹線列車内にての 防犯への取り組みが進められている様だ。今日の拙地元紙 C新聞一面でその事共が取り上げられたので、以下少し引用して 見て参りたい。

「新幹線 まず『見せる防犯』~全列車に警備員を同乗」 「手荷物検査 課題は時短」

「警乗警備員は更に増強し、密度の濃い警備を実現していきたい」5/30、JR東海の定例会見で、金子 慎社長は警乗警備員を「ある種の抑止力」と説明。その上で 5月末までに全列車で同乗が実現したと強調した。今は途中区間だけの列車もあり、今後は東京~新大阪の全区間に同乗させる態勢を作り「見せる防犯」を強めていくとした。

車両には、防護盾や刺股(さすまた)などを装備。三角巾などの医療用具も充実させた。昨年の前述事件では 乗務員らの情報共有が上手く図れなかった反省点を踏まえ、車掌や運転士、地上の運転指令らが同時に会話できる様に スマホを使った「グループ通話システム」を導入した。金子社長は「訓練を繰り返し、対応力は工場している」と話す。

国も安全向上対策に乗り出している。昨年 12月、適切に梱包されていない刃物類の車内持ち込み禁止を明確化するため、鉄道営業法に基づく省令を改正。この 3月には、東京メトロ霞が関駅でボディ・スキャナーを使い、着衣の下に隠した危険物を検知する実証実験を行った。

手荷物検査について JR東海は 現時点で導入に否定的だが、新たな動きも出ている。静岡大学発のヴェンチャー企業「ANSeeN(アンシーン、本社・浜松市)」が新装置の開発を JR東日本の子会社と協力して進める。特殊センサーで 中身を短時間で画像化。同社の小池昭史社長は「飛行機の手荷物検査は 10秒程度かかるが、この技術を用いれば 4秒に短縮できる。鉄道改札を普通に通る時間は 2秒程。4秒程度なら、大きな混雑は生じないのではないか」とみる。同社は2025=令和 7年予定の大阪万博で試験導入を目指し、新幹線での本格導入も視野に入れる。

中部地方最大の新幹線駅・名古屋駅を擁する愛知県警。鉄道警察隊が前述事件後、プラット・フォームでの不審者警戒を強化してきた。昨年 10月に在来線車両を用い、JR東海+名古屋市消防局と合同で刃物を持った不審者を取り押さえる想定で訓練。松田哲幸副隊長は「関係機関との連携が大切。日頃から密に連絡を取り合い 不測の事態に備えたい」と話す。

交通政策論の安倍誠治・関西大教授によれば「新幹線列車の警備員同乗は やらないよりやる方が良いが、全列車の全車両への警乗は コスト的に不可能。現状の対策は事件発生後の対応が主で、警備員が別の車両を巡回中に隙を突かれ、刃物などによる事件再発の可能性はある。乗客の利便性が多少は損なわれるかもだが、手荷物検査導入に向けた準備を進めるべき」との立場だ。(引用ここまで)

前述の殺傷事件以前にも、東海道・山陽新幹線車内にての放火致死事件が起きており、拙者はその折 民間の警備員でも良いから、列車警乗の密度を上げるべきとの主張をした記憶がある。遅れはしたが、一応の実現をみた事は評価したい。が、勿論これで万全な訳ではない。こうした事件の再発防止への向き合いと取り組みは、列車を利用する我々国民市民も、強い関心を払うべきは勿論だ。

拙者が懸念するのは 2027=令和 9年に開業が予定される リニア中央新幹線のセキュリティについてである。同線開通の暁には、先般横浜の新交通システムで信頼性を問われた自動運転が全面採用される見通しで、客室乗務員の同乗有無も不明だ。その様な態勢の場合、万一にも山間の長大トンネル区間を走行中にテロ行為に見舞われ 多数の乗客を人質に強制停止させられる事態とかに陥った場合なども 真摯に想定されるべきではないか。だとすれば、今からそうした事態に対応すべく 個々の手荷物検査などを視野に入れた対策を立ち上げるのは当然の事だろう。

リニア中央新幹線問題以外にも、来年夏の東京五輪及び障碍五輪が目前に迫っている。世界に冠たる高速大量輸送交通・新幹線が海外テロ勢力の標的に着目されているのは、最早常識であると聞く。前述複数の事件の犠牲被害を無にしない為にも、今から車内犯罪を許さぬ 現状で最善の強い対策が打ち出されるべきと強く思う所だ。今回画像は、記事にある名古屋駅にての「のぞみ号」上下列車邂逅の様子を。


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2 コメント

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Unknown (のん子)
2019-06-11 09:35:27
私は新幹線を利用することは滅多にありませんが、飛行機とどちらでもと言われると新幹線を選びます。

少し位の時間差はあっても。

でも、この間の事件はヒヤっとしました。せめて通路側に席を選ぶことぐらいしか。

手荷物検査が行われるなら、それで時間がかかっても価格が高くなっても構いません。
自分の命だけでなく、善良な国民の命が失われる機会が少なくなるのなら。

新幹線の流形?は速さを想像できますね。
車内テロのリスクを念頭に (HAKASE(jnkt32))
2019-06-11 20:38:28
のん子さん、今回もご見解を有難うございます。

仰る様に、墜落などの事故リスクから 航空機を敬遠
し、新幹線を選ぶ方は一定存在する様です。故に北海
道・九州の各路線が開通したとも言えますね。

ただ、ご存知の様に 一列車に数百を超える大勢が乗
る以上、海外でのテロ事例に学び、車内警備や危険
物持込防止などの対策を強く打ち出すのは当然の事
と心得ます。

新幹線列車の先頭造形は、仰る様に「速さの想像」を
象徴するものと拙者も感じます。伝説になった初代車
0系は、明らかに航空機に範をとった造形でしたが、
その後の研究で 空を飛ぶのと地上を高速で走る為の
造形デザインは別物との認識が固まり、現在の車両は
それに基づいた設計であるやに聞いております。
まずは お礼まで。

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