BCの雨林か、人命か
もちろん人命に決まってます。
人の命はかけがえのないもの。
ただ、医療用マスクに使用されるフィルターを作るのに使われているK10Sというパルプは、カナダのブリティッシュコロンビア州にある雨林のwestern red cedarという木から取れるもの、と聞いた時にとてもいやあな気持ちになりました。
使い捨てマスクに利用されているのは紙、紙といえば木の繊維から、というのはまあ常識ですから、今更何を、、とは思いますが、BCの雨林を思い起こすとなんともやりきれない気持ちです。
45代目米国大統領が３M社に対し、N95のマスクのカナダへの販売停止を申し付けたという報道から一部のカナダの人々の間で「N95のフィルターに使われるパルプはBCの工場で生産されたものなのに！」という反応が広まったのですが、実際にはこの工場で生産されるパルプは３Mには販売されておらず、N95には使用されていないそうです。
いずれにせよK10S以外のパルプだって別の種類の木の繊維を取り出して別の工場で生産されているわけですから、世界中の木々がそうやって伐採され、人間のために使われています。
ウィルスは小さな小さなものです。
それ以外にも細かい粉塵とか、人間が吸引してしまっては有害なものはありますし、それら有害なものから人命を守るためにつける護身用のマスクはそりゃあ高性能で確実なものを使いたいです。
でも実際にこのパルプが生産され、それを利用したマスクが生産され、値段がついて市場に出回るとなると、本当に必要ではない人たちだってこれを使いたいと思うでしょうし、商品が出回っている限りは人々は購入して消費して、捨てます。
資本主義ですから、資源（木々）を利用（伐採）して商品（マスク）を生産、販売、そして使った後すぐにそれを捨てることで、商品がさらにもっと必要になり、もっと利益をあげることになり、万々歳です。
でもそんな消費を前提にした資本主義によって気候変動やゴミ問題, 種の絶滅など、我々が暮らす地球環境は取り返しのつかないことになっているわけです。
コロナ騒ぎは気候変動のドレス・リハーサルだ、という言葉を見かけました。
ドレス・リハーサルの後には本番が来るわけです。
コロナが落ち着いて、みんなが安心して暮らせるようになったら、社会のあり方、経済システムのあり方、政治の仕組み、全てを見直して立て直す必要があるように思います。
弱者から搾取し続けて権力者の都合に良いように仕組まれている社会、そんなのは文明社会とは言えない。
社会の中の問題や歪みを告発してその都度是正していくシステムがきちんと機能している国家とそうでない国家で、パンデミックへの対応がこれほど違うのも恐ろしい話です。
マスク着用している人がボチボチ登場
なんとお隣さんが買い出しに行く際にN95らしき高性能マスクをしていました。
えええ？
私が知らないだけで、心臓や肺に問題があるのかもしれないですし、風邪の症状があるのかもしれません。
それにしても、ちょっと前までは「マスク？モントリオールじゃあ全然見かけないよ」と言っていたので、この変化はすごいです。
マスクを手作りする方も結構増えているようで、医療関係者にまわるべき高性能マスクを買ってしまうよりはこの方が良いですよね。
それにしても、医療現場のPPE(Personal Protective Equipment)にはマスク以外に手袋、体全体を覆うガウンというかなんというか、、、それに頭部をぐるっと覆うもの（なんていうんでしょうね）などがありますが、どれも使い捨てです。
手袋はしょうがないですけれど、頭部と体全体を覆うガウンなどは不織布っぽい素材に見えます。
これ、布製にして洗濯して高温で乾燥させたら再利用できないものでしょうか。
病院内のリネン類は今でも布製で洗濯して何度も使ってますよね。
コロナウィルス が付着したステンレスやプラスティックの表面は何時間くらいすればウィルスが死滅しているか、、などの情報がネットでかなり幅広くシェアされていますけれど、洋服などは洗濯して、高温で乾燥させたりアイロンをかけたりすれば死滅する、という情報を見ます。
それでも医療現場では絶対に使い捨てでなければいけないんでしょうかね。
洗って何度も使えるものを、プロがきっちり洗って除菌して、それを使い続けられるなら、PPE不足による危険も回避できるのに。
今年も 四月二十二日はアースデー
今年は50周年なんだそうです。
人命も雨林も地球も、全てを守ることはできまいか
