Takekida's log

千里の道も一歩から

日本人の要石

2019-02-16 21:28:55 | What`s new ?
日本人の勝算: 人口減少×高齢化×資本主義
クリエーター情報なし
東洋経済新報社


日本人の勝算: 人口減少×高齢化×資本主義 単行本 – 2019/1/11 David Atkinson (原著), デービッド アトキンソン (著)

日本に住んで30年で下手したら日本文化に精通する英国人であるアトキンソンさんが書いた日本のこれから進むべき方向性について記した本。日本国宝の守り人として小西美術工芸を率いていますがその前はゴールドマンサックスに居たとのことで日本の経済を外部的な視点も踏まえて分析してくれていますが非常にわかりやすい考え方かつ論文の引用含めて納得できる内容でした。
結論から言ってしまうとこの本で主張しているのは「生産性を上げるためには、最低賃金を上げろ。」ということ。

生産性と言って思いつくのは機械化やAIの活用などお金のかかる投資話です。ですが単位時間あたりに生み出すことのできる労働単価という観点で考えられればかはり最低賃金を形成ノプとして持っておくのは間違った出張ではなさそうです。またいろいろネガティブなことは言われますが現時点ではGDP世界第3位の経済大国。なのに、生産性は先進国最低で労働賃金も先進国最低。日本は世界一効率のいい国だと思いますが、生産性は低いです。また労働者の質も世界第4位と言われていますので実は生産性を上げるための準備。

一言で経済成長と言っても人口が増えてくる効果によりかさ上げされている分と生産性の改善によるものがあります。今までの日本はいわばこのうち人口の増加に支えられた成長モデル人ってこれたのだと思われます。まだまだ人口が増え続けているアメリカなどとは大きく異なるわけで日本はやはり独自の戦略がないとまずいと言えそうです。

で筆者の主張の最低賃金を上げると利益は一時的にでも経ることはあるにせよ、経営者はそれを払うだけの努力をするようになり、生産性が上がることが期待できるのではないかとの目論見。一時的な副作用は失業率の増加など様々あるとの推測ですが企業自体も変わっていけば巡り巡って根本から生産性を上げることに繋がるわけです。これがうまくいった国の例としてイギリスが挙げられています。

他この本で生産性を上げるために指摘しているのは、過当な競争をやめるために中小企業を整理しろ、もっと海外に輸出しろ、女性の雇用を増やせ……などなど。正直頭の痛い問題も多々ありますが読んでいて納得のいく内容ではありました。

考えれば日本人はまだ生産性というまだ成長する余地は残しているという状況なわけで有効活用できるうちにすれば世界のお手本になれるのかもしれません。



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