アラサーコンサルの自信無い症候群の蔓延〜なんちゃってコンサルの限界〜
今週から、現場に某コンサルの新人君が配属されていた。毎年恒例の風物詩も、コロナの影響で少しタイミングが遅いようだ。
研修が終わったタイミングで、コンサルやSEの新卒くんたちが続々といろんな現場に派遣されていく。きっと、配属された新人君たちは、議事録作成をやらされているだろう。そして、日本語が下手だの、国語ができていないなど、ぐちぐちと説教じみた指摘を受けているのだろう。
ひと昔前は、急に新人がこなくなろうと、大して気にしなかったが、今は時代が違う。そんなことが起きたら現場の上司はボーナス減額間違いなし。
新卒の皆様はお客様。クライアントもまたお客様。双方のお客様の機嫌を損ねまいと悪戦苦闘している上司を見ていると少し可愛そうな気もしてくる。
前途有望、希望に満ち溢れてコンサルの業界に飛び込んだ新人とっては、ネガティブな内容になるかもしれないが、『アラサーコンサル問題』について、少し書いてみる。
<今コンサル業界で起きていること>
言わずもがな。空前のコンサルブームの昨今。このブログでも何回か、その実態について紹介してきた。基本他の人と言っていることとは同じであるが、
- コンサル(高級派遣・おっさんのお守り)の需要増に伴う大量新卒採用
- 未経験OK。大手事業会社からの大量第二新卒採用
によって、コンサルの価値は指数関数的に低下している。かっこよくいうと”コモディティ化”。さらに追い討ちをかけているのが、
- コンサル会社のエセホワイト企業化による現場育成の放棄
である。こんなことを書くと、やれブラックだの、時代錯誤だの批判されるかもしれないが、事実だからしょうがない。
今、コンサルにおいるおっさん達は、就職氷河期、ITバブル崩壊、リーマンショックを乗り越えた戦士が大半。何よりも、”この分野なら負けない”と言った”一芸”を持っている人が多い。それも当然で、より高い給料、待遇を目指す為には、スペシャリティが必要であり、”パワポ使えます”ってだけでは相手にされなかったからである。
そんなおっさん達は現場で手取り足取り教えて貰ったわけではなく、怒られながら徹夜して、土日も勉強して、専門性を身につけてきた。
一方今の若手はどうだろうか。
- 無駄に高い給料
- 結果を出さなくてもクビにならない待遇
- 待っていれば与えられる仕事
に慣れて、フツーのサラリーマンに成り下がっている。コミュニケーション能力(笑)があるので、それなりに仕事をしている風に見えてしまうのもよく無いところ。
<化けの皮が剥がれる瞬間>
上司がすごいってことに気がつかず、年々順調に昇進。一定の職位になると、前面に立ってクライアントと相対するのだが、その時に正体を現す。
- 一人称で仕事をしたことがないから、仕事の進め方がわからない。
- 専門性が何もないから、少し深い話になるとついていけない。
- ”今まで勉強して補う”って癖をつけてこなかったから、すぐに対応できない。
- 何がわからないのが”わからない”から”わかりません。ここ教えください”が言えない。
- 結果、知ったかぶりをして、成果物を作ったときに揉める。
これが、
アラサーコンサルの自信無い症候群
である。正直言って無価値である。
クライアントの企業は、1銭1円を削って、頑張って頑張って利益を出している。その利益が無駄に高いコンサルが一瞬で消費する。どっかの経営者が、
”耳かきで集めた利益をスコップで持ってく奴がいる。”
と言っていたが、まさにこのことだと思う。
これを是正する為には、ライオンが子を崖から落とすように、何かしらのストレスを与えないとダメだと考えている。ただ、”ストレスの与え方”も一歩間違えれば、凶器となってしまう。しかし、”ストレスを与えなければ、ただの甘やかし”にもなってしまう。
困ったものだ、、、いい解決策が思いつかない。
もしかしたら、これはもっと広い視点で考えなければならないことなのかもしれない。
”ストレスを与えられないのは、今の若手はストレス耐性がないからだ”
と仮定した場合、その原因は何か?
- 社会人になる前の生活、小中高大の過ごし方なのか?
- 家庭の教育なのか?
- そもそも、”ストレス耐性がないこと”は悪いことではないのか?
考えたら、切りがないのでまた今度。
中国人、インド人、タイ人、ベトナム人などなど諸外国の若手と仕事をした時のあの強烈なインパクト。確かに、寛容で自由なのは良いことであるが、将来を不安に思うのは私だけだろうか、、、