安堂裕二 自伝的エッセイOver the Dark Night

安堂裕二の知られざる過去の姿を自伝的エッセイ自称尾崎豊研究家と名乗っていますが自伝的過去の暴露はgooブログだけ

【実録シリーズ】第1回 *窃盗狂*時代

2020-05-23 18:35:12 | 自伝
以前どなたかの著作に【囚人狂時代】というものを見た気がする。

その頃はまだネットやSNSはない時代。
俺も自分で文章を書く気は全くなかった。

鹿児島の高校を1年の夏休み直前に退学したバカな俺だけど、なぜか活字を読むのは好きだった、

そんな訳で読書はよくしていた。

いろんなジャンルを読んだが、中でも太宰 治の「人間失格 」を読んだ時の衝撃は今でもはっきりと覚えている。

これがあの教科書等に載ってる「走れメロス」を書いた人のものとはとても思えなかったし、その落差、ギャップに驚愕した。

太宰治を表現する言葉として1番適切だと思うのは自殺願望者ナルシスト」

太宰が本当に書きたかった作品は人間失格だけであったと後書きでも記している。


そして自分はその気もないのに勝手に好意を寄せる女性が後を立たず、その女性らに借金しては睡眠薬を買っては自殺未遂を繰り返している。

しかも女性を道連れに心中も何回かしていて皮肉にも相手は亡くなったが自分はなぜか死ぬことができず、後に自殺幇助の容疑で逮捕されたりしている。


完全に死に取り憑かれていた。死ぬ事こそがこの苦悩から解放される唯一の道だと間違いなく思っていた!


そして39歳で作家仲間(男性)と多摩川上流にて入水自殺を遂げた。


太宰は人間失格を書き上げる事のみを主眼とし完成したら望み通りに自ら命を絶った。


現在では太宰治への評価は両極端なものが多いと思う。いや、文学的な面よりも薬物依存、自殺願望、厭世主義などが与えるイメージが大きすぎて暗い影を消し去る事ができないようにみえる、しかし太宰はそもそも評価とか名声を求めていなかった。


むしろそれら傾向はいつの時代でも常に心に秘められあ感情だと思った。何も太宰だけが抱いた特別な思いではなく、俺もあなたも誰もがいつもアタマの片隅には意識しないまでもあると思う。


それは内向的思考にいきがちなナイーブな人ほど到達しやすい領域ではないかとも思う。自分自身がそうだとは思わないが。

でも、太宰治の作品は大好きだ。

最後には本当に自ら命を断ったが、その選択は他人がとやかく言えるものではない。

その人の選択であり、実際に行動してしまうところまでいったのは、それまでの心の内なる葛藤がいかに壮絶で耐えがたい苦しみであったかを表している。

自ら命を断つことは究極の選択でありそうする以外には耐えがたい壮絶な苦悩からは救われなかった、とみるべきだと俺は思っている。


では次回まで!!




記事タイトルとかけ離れた内容になり申し訳ない。しかし、敢えて太宰治を取り上げたのは常に同じような思いが根底に、太宰と似たような苦悩があるから。

後に、その意味や「窃盗狂」へ繋がる変遷を書いていきます。





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