自然災害の拡大・長期化は間違った経済政策の結果。人災です。 | Tempo rubato

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アニメーター・演出家 平松禎史のブログ


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「ユーリ!!! on ICE 劇場版 : ICE ADOLESCENCE」 公開延期のお知らせ

https://yurionice.com/news/detail.php?id=1076218

 

“YURI!!! on ICE the movie : ICE ADOLESCENCE” Notice of release postponement

https://yurionice.com/en/news/detail.php?id=1076222

 

 

 

 

 

山本寛監督作品『薄暮』 6月21日より上映。

ボクは「朧月夜」を弾く場面を担当しました。

https://www.hakubo-movie.jp/

 

下北沢トリウッドでの舞台挨拶は「おかわり」があるかもしれません。情報をお待ち下さい。

 

10月4日より徳島県徳島市のufotableCINEMAにて公開決定!

https://twitter.com/Twilight_anime/status/1169946447476707328

 

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 新内閣はお笑いネタにしか見えないし、台風15号による千葉県などの停電被害は新たな情報が出るたびに政府の役割放棄と20年デフレの結果が明るみになっていると見ざるを得ない。

 近年の災害は直接被害を超える関連被害の拡大と長期化が特徴だと思う。

 

 阪神淡路大震災、中越地震、東日本大震災の避難者の推移を確認してみたところ、その感覚はかなり正しいことがわかりました。

 

避難所生活者の推移(復興庁資料)

https://www.reconstruction.go.jp/topics/hikaku2.pdf

 

 データの揃っている1週間後の避難所生活者数から見ていきましょう。飛び飛びに引きます。

 

 1週間後

 東日本大震災:386,739人

 中越地震:76,615人

 阪神淡路大震災:307,022人

 

 1ヶ月後

 東日本大震災:147,536人

 中越地震:6,570人

 阪神淡路大震災:209,828人

 

 4ヶ月後

 東日本大震災:58,922人

 (避難所(公民館・学校等)、旅館・ホテル及びその他(親族・知人宅等)を集計。)

 中越地震:2ヶ月後に0人

 阪神淡路大震災:35,280人

 

 7ヶ月後

 東日本大震災:21,899人

 中越地震:0人

 阪神淡路大震災:0人

 

 1995年の阪神淡路大震災の避難者は、東日本大震災より8万人少なかった。

阪神淡路では、初動こそやや遅れたものの、7ヶ月後に避難者全員が仮設住宅などへ引っ越して生活再建をスタートできているのに対し、2011年の東日本大震災では2万人以上が生活基盤の整わない避難生活を余儀なくされていた。

 

 さらに、仮設住宅から全員が退去できるまでに阪神淡路では5年を要したが…

 

 

すべての入居者が退去するまで5年(神戸新聞)

https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/sinsai/graph/p7.shtml

 

 東日本大震災では8年経っても東北3県で3,418人が仮設住宅から帰宅できていない。

【図解・社会】東日本大震災8年・仮設住宅入居者の推移(2019年3月)(時事通信)

https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_soc_earthquake-higashinihon20190302j-04-w320

 

 宮城県の状況改善は眼を見張るものがあります。

 しかし、2012年の時点で、岩手県と福島県で仮設住宅入居者数に大きな差はないのですが、8年後に2.5倍を超える差が出てしまっているのはなぜなのか。岩手県では現在も2,156人が仮設住宅暮らしを余儀なくされている。

 放射性物質の被害が大きかった福島県で仮説住宅暮らしが大きく減ったのは、他県への移住があったからだと考えられます。これはこれで別問題として重要ですが、ひとまず横に置きます。いずれにしても8年経っても仮設住宅から解放されていないのだ。

 おそらく、岩手県の津波被害は、町ごと村ごと壊滅したところ少なくなく、生まれ故郷での生活再建には地域ごと作り直す必要があるためではなかろうか。

 

 しかしです。阪神淡路大震災を引き起こした兵庫県南部地震は、沿岸の東灘区、灘区、長田区で特に大きな被害を出し淡路島北部も被害が大きかった。住宅被害は全壊10万棟を含む約64万棟、焼損は約7500棟でほとんどが全焼だった。加えて液状化で土台ごと作り直さねば生活再建が不可能だったのです。決して東日本大震災より軽かったわけではありません。それでも5年で解消することができた。

 にもかかわらず

 8年経っても仮設住宅入居者が地元で生活再建できないのはなぜなのか?

 

 ちなみに、熊本地震での仮設住宅入居者は、令和元年六月時点で県内外で約3,500人、それ以外の避難者は同じく合計で2万人以上(!)に登ります。約3年半経っても4分の1が解消できていない。異常です。

 

 24年前の阪神淡路大震災の時は、デフレではありませんでした。

 バブル崩壊後で景気は悪化し始めていましたが、まだ好景気の余波があり、日本経済には体力があったのです。経済力だけでなく、国民の心にも余裕と元気…「心の力」あったのだと思う。

 20年のデフレで、破壊された町を再建しようという心の力が失われた。

 おカネの問題ではないのです。しかし、経済力の衰退が、心の力を削いでしまったのだ。

 

 デフレが長期化し、もはや普通の経済成長(所得増)を望むことすら夢物語として否定してしまうほど、日本国民の心の力は弱まってしまった。

 

 「財源は税収に限らない」「政府支出の拡大、国債発行で問題ない」この事実すら、何を意味するのか理解しようとしない、あるいは、できるわけがないと頭から否定してしまう。

 そんな政治家が中枢にいる日本で災害は大規模・長期化の人災が増えている。その後の熊本地震や去年の7月西日本豪雨、そして今回の台風15号でも被害の長期化が起きている。

 間違った政治は災害を人災に変えてしまうのだ。

 

 今後も現在の経済政策を継続するのなら、経済はさらに衰退していき国民貧困化が進みます。全ての経済統計、景気動向調査がそれを証明しています。それだけでも巨大な災害レベルです。

 したがって、自然災害の拡大・長期化は更に酷くなっていくと断言できる。過去から現在までの災害復旧実態が証明しています。

 

 「財源は税収に限らない」「政府支出の拡大、国債発行で問題ない」

 この事実を知る国民が増え、政治家に働きかけるようになれば、改善できます。

 

 前回の絶望的な記事を否定することが可能です。

 

 そのためには、現在が絶望状況にあることをしっかり見つめましょう。

 

 

 

中野剛志さんの新刊 絶望を希望に変える本。

 

 

藤井聡教授の新刊 成長するための土壌を再創造しよう。

 

佐藤健志さんの近著 絶望から希望を見つけられる本。

 

 

 

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