【レジ袋有料化】がなぜ意味がないと言われるのか?環境にもたらすメリットとは?

【レジ袋有料化】がなぜ意味がないと言われるのか?環境にもたらすメリットとは?
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公開日 2021年5月8日 最終更新日 2023年12月27日

2020年7月1日からコンビニなどでポリ袋が有料化されてから半年が経とうとしていますが、慣れましたか?

賛否両論ありますが、無関心ではどうかいないでください。私はこの話題でもっと多くの人が、環境保護やゴミ問題について真剣に向き合う機会を作るきっかけになればいいと思っています。

というとちょっと堅苦しいですが、簡単にいうと「それ(ゴミになるもの)絶対に要る?」と自分に質問を投げかけるだけで簡単に考えはめぐらせることはできます。

ただ与えられた情報(中にはデマもある)を真に受けるだけじゃなくて、自らの頭で考えて自らの意志を持つことが本当に大事です!

例えば大げさに言えば、この○○っていう薬がコロナウイルス対策になるんだって!という本当か嘘か分からない情報が至る所で話題になっていたとします。これを真に受けて、服用した数年後、実はこの薬には副作用があって、10年後○○という病気になってしまうということが判明。

・・・(こんなことがあったら)取り返しがつかないですよね?これは極端な例ですが、情報を鵜呑みにすることは、時にとても危険なことで、全てのことが健康や命にかかわらないことだとしても、環境問題は今を生きる人類にとっては、大きな問題に直面することはない可能性もありますが、現状は深刻化しているわけですから、自分たちより未来を生きる来世にとっては健康や命にかかわる問題なのです。

情報源を明らかにして、信頼できる媒体や人から情報を集めて判断、人と話合えば大抵のことは正しい情報へと結びついてくれます。

前置きが長くなってしまいましたが、今回のポリ袋有料化をきっかけにまずは、「それ(ゴミになるもの)絶対要る?」と問いかけてください。

 

日本人はプラスチック大好き!と言われている。その驚くべきプラスチックの消費量

話題となっているポリ袋はプラスチックに分類されるわけですが、日本人一人当たりのプラスチック包装廃棄物の年間消費量はアメリカ合衆国に次ぐ世界2位(2015年度)という結果がでています。

In 2015, plastic packaging waste accounted for 47 percent of the plastic waste generated globally, with half of that appearing to come from Asia. While China remains the largest worldwide generator of plastic packaging waste, the USA is the largest generator of plastic packaging waste on a per-capita basis, followed by Japan and the European Union. (引用:UNEP国際連合環境計画

引用にあるように、中国は国としてはプラスチック消費量は世界1位ですが人口が多いので、1人当たりの消費量を見るとアメリカや日本には及ばないようです。

日本の人口は世界で11番目に多い約1億2600万人(2019年)でプラスチック消費量は世界2位・・・となると、その影響が大きいのは一目瞭然です。(引用:wikipedia

プラ包装が当たり前の環境

実際私自身、日本に住んでいたころはお菓子の個包装は当たり前、野菜のポリ袋包装は当たり前。コンビニに行けば袋に商品を入れてもらうのは当たり前・・・と、ゴミを増やす多くの原因が日常の当たり前になっていました。

ドイツにやってきて、ドイツ人のエコに対する意識を目の当たりにし実際に生活する中で、ゴミをリサイクルすることが当たり前になってくると、日本で当たり前になっていたことが、たくさん無駄なゴミを出している原因になっていたことにやっと気が付きました。

何事も実際に経験しないとわからないことは日常にあふれていますよね・・・私もずっと日本に住み続けて、エコに対する意識が高い人に出会わなければ、今でも大量の無駄なゴミを出し続けていたことと思います。

環境を破壊するプラスチックって悪いところばかり?

プラスチックは海洋汚染の問題になったり、製造・使用・リサイクルでCO2を排出して環境破壊・・・などたくさんの悪影響がありますが、その反面生活の中でプラスチックに助けられていることもあります。

例えば一番身近なところであると、たくさんの食料品がプラスチック包装されていることで、食料品の質をより長く保つことができ、素材が軽いので持ち運びも便利なこと、さらには保存やトランスポートに必要とされるエネルギーを削減してくれています。これは食品だけでなく化粧品などにも当てはまると思います。

ポリ袋が有料化することで

実際3円(特大は5円)の差で、ポリ袋の消費は減るのでしょうか?スーパーマーケットでは既にレジ袋の有料化が進んで、1枚約10円ほどで提供されていますよね。その結果マイバック持参する人は増えていますし、2020年4月からイオンでは全直営売場でレジ袋の無料配布を終了しているなど、企業単位でも環境保護の動きはあります。

マイバックを利用することが不衛生であることや、売り上げに響くのではないかということも懸念されているようですが、実際そんなにも大きな影響ではないのではないかとも思います。

マイバック・エコバックを持つことはダサい?

エコバックは何回も使うので、不衛生だなんだと言われてますが、洗濯機に入れて洗えば大体の菌が取れるといわれています。

エコバックはかさ張らないし、なんならズボンのポケットにでさえ入ります。コンビニでちょこっと買い物するくらいの量ならば、小さなエコバックで事足りますよね。最近では、小さく収納できるのにバックとしてはたくさん収納できるものもデザイン性が高く、自分のスタイルをくずさずに使用できるものもたくさんあります。

マイバックだけでなく、マイタッパーや容器を持っていけば、唐揚げや焼き鳥などの惣菜までも、カバンを汚さずに帰るわけですが・・・それって貧乏くさいと考えますか?見た目がスマートじゃない?という意見があったりするのかな・・・

ドイツでは少なくとも、ゴミを減らすという行動がたくさんの場所で評価される対象です。周りがそうだから、一般的にそれはおかしいから、という考えはほぼありません。自分の意志を強く持つことも環境保護につながるのではなでしょうか。

「袋要りません」に対する「ご協力ありがとうございます」

日本でのお買い物の際、お店で「袋入りません」と言うとだいたい、「ご協力ありがとうございます」とマニュアルにあるのだろうセリフを言われますが、嫌な思いはしないですよね?ドイツではそれが当たり前なので、感謝なんてされることはまずありません。

そしてコンビニではこの「袋要りません」を言うのが至難の業だと感じるのは私だけですか?

コンビニはその名の通り、便利が売りですよね。混雑時にも人を待たせないように鍛え抜かれたその従業員さんは、「袋要りません」のセリフを言うすきをも与えないくらい、あっという間に商品をポリ袋に入れてくれるので、商品を出すと同時に「袋要りません」というくらいのスピード感じゃないと、商品はすでにポリ袋に入っています。

 

25%以上のバイオマス配合ポリ袋は無料のなぞ

バイオマスとは、生物資源(bio)の量(mass)を表す概念で、一般的には「再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」をバイオマスと呼びます。バイオマスの種類には1.廃棄物系バイオマス、2.未利用バイオマス、そして3.資源作物(エネルギーや製品の製造を目的に栽培される植物)があります。

(引用:バイオマス資源活用促進事業

このバイオマスって本当に環境にいいの?という疑問です。バイオマスが25%配合されているポリ袋は無料の対象だということが、バイオマスが配合されているプラスチックは環境にやさしいんだ!というやや間違った解釈に通じませんか?

再生可能な生物由来の有機性資源が配合されているけど、実際バイオマスが配合されていることで、使用後は普通の可燃ゴミになってしまいます。こういった混合素材はリサイクルが難しいため、リサイクルとはほぼ無縁といってしまってよいでしょう。

ただもちろん燃やされるとなれば、100%プラスチック素材のポリ袋に比べればその時に発生するCO2は軽減されて、環境への負担は少ないということがわかります。しかし燃やされてしまえば、日本人がまたポリ袋を必要とする限り、新しく生産しなければならないのでプラスチック消費量を格段に減らすような解決策には結びつかないかと思います。

プラスチックのリサイクルにはどんなものがある?

リサイクルというと、ポリ袋がまたポリ袋になるというイメージが強いですが、日本ではプラスチックのリサイクルといえば大きく分けて3種類あるのをご存知ですか?

  • マテリアルリサイクル
  • ケミカルリサイクル
  • サーマルリサイクル

その中でも、サーマルリサイクルという、焼却時にでる熱などをつかって発電を行ったり、再生エネルギーとして使われることがほとんどだそうです。(引用:プラスチック循環利用協会

ということは、マテリアルリサイクルとしてプラ素材として再利用されない限り、需要が減らないと新たなプラスチック生産量は減らないですよね。つまり、世界2位日本人のプラスチック消費量という数字は減りません。

プラの正しい分別を

リサイクルといっても、正しく分別することは大前提で、正しく分別しなければリサイクルの段階にもいきません。再利用されるべくして生まれた優秀なプラ素材はその人の手によって将来を大きく左右されるのです。

日本では、そもそも汚れを洗浄する水やそれに使う莫大な資源・エネルギー消費を考慮して、汚れたプラスチックは可燃ゴミとして扱われますよね。これによってエネルギーが削減されている半面、マテリアルリサイクル率は低いままです。

まとめ:それ(ゴミになるもの)絶対要る?

そもそも日本の決まりが・・・とかリサイクルシステムが・・・とこれらは個人ですぐ変えられることではないですよね。そこでやはり行きつくのが、「それ(ゴミになるもの)絶対要る?」の問いかけです。

需要が減れば、新たに生産されるプラスチック製品は減ります!

ペットボトルの水一本にポリ袋。絶対要りますか?

パンとおにぎりを入れるポリ袋。絶対要りますか?

お菓子と雑誌を入れるポリ袋。絶対要りますか?

余ったご飯を冷凍するために使ったぐるぐる巻きのラップ。その量が必要ですか?他に方法はありませんか?

余ったお惣菜の入ったお皿にかぶせたラップ。他に方法はありませんか?

その当たり前(習慣)を変える

「当たり前」を意識させることはやや難しいことですが、例えば「ポリ袋」「ラップ」とプラスチック素材のものを減らそうと頭に浮かべて生活してみると、普段どれくらいの頻度で、どんな場面で使っているのかが明らかになってきます。その後に、それらを使わずしてゴミを出さないようにするにはどうしたらいいのか、と考えて行動・実行してみます。

私自身、ラップを当たり前のように消費していた張本人ですが、今では一切ラップを使っていません。

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当たり前に気づくことは難しいけど、そこから新たな当たり前を作るとゴミを減らすことにつながります。

ポリ袋有料化ですが、無縁な人もこれを機にプラスチックの消費量を見直すことで、遠くない未来たくさんの命を守ることにつながるはずです。

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