#152 LGBTプライド in Manchester 

先日(8月23日-26日)Manchester Prideが開催されました。
それを見に行ってきたので、その時のお話をしたいと思います。

イギリスへの留学はその学びたい学問を学ぶだけではなく、その国の文化を知ることもできます。そしてより一層、日本を知るきっかけを与えてくれます。

このようなイベントに参加することにより、文化の違いや法律などいろいろなことを再度考えさせられるきっかけを与えてくれるので、留学を考えている方は、忙しい勉強の合間でも、このようなイベントには顔を出してみることをお勧めいたします。

ユニオンフラッグがレインボー

1.LGBTとは
2.なぜプライドというのか
3.Prideの時のマンチェスターの街の様子
4.日本(+アジア)と英国のLGBTに対する違い
5.Prideパレード
6.Pride In Manchester Lincoの感想

今回のイベントを簡単に表すとみんながハッピーになれるお祭りでした!

これはLGBTの人たちだけではなく、

 LQBT + people across Greater Manchester and beyondつまりみんなのプライドなのです。

https://www.manchesterpride.com/news/manchester-pride-festival-2019-1


1.LGBTとは、

ご存じの方も多いと思いますが。LGBTとは、Lesbian (レズビアン、女性同性愛者) Gay (ゲイ、男性同性愛者) Bisexual (バイセクシュアル、両性愛者) Transgender (トランスジェンダー、性別越境者)の頭文字をとった単語で、セクシュアルマイノリティ(性的少数者)の総称の一つです。
↑Tokyo Rainbow Prideさんから引用

もう一つ「LGBT+Q」のQuestioning (性的思考が決められない人)も含めた統計(電通ダイバーシティラボ2018)で日本の全体では8.9%いるといわれております。9%とだとすると、学校の1クラスに4人くらいいる割合。

パレードを待つ人達

自分が性的マイノリティーかもと気が付き始めるのは思春期になる中学高校頃が多いといわれていますが、私が中高学生の頃は、だれもLGBTとカミングアウトする人はいなかった。通算で考えたら、クラスメートとして24人はLQBTの友達がいてもおかしくないのに。。。

性的思考を誰かにカミングアウトする必要があるかないかといえば、必要はないですし、個人の自由。でも言いにくい時代だったのか、雰囲気だったのか、私がそれほど仲いい友達ではなかったのか。。。(悲しい!)

普通に友達から性的マイノリティーに関するカミングアウトをされるようになったのは大学生になったころ。LGBTという単語を聞くようになったのは2015年くらい、そのころからもっと多くの人がカミングアウトしやすくなっていったのかもしれませんね。

2.なぜプライド(Pride)というのか?


ケンブリッジの辞書によると
[GAY PRIDE]
The idea that gay people should not keep the fact of their sexuality secret and that they should be proud of it instead or the social and political movement that is based on this idea.
 (この場合GAY=LGBTと同じように使われていると考えていいと思います。)

この国旗はパブに掲げられていました

簡単に訳すと、LGBTであることを隠したりするよりもむしろ誇りに持とうというアイディア。あるいはそのアイディアを持った社会的、政治的活動。

なので、今回のテーマであるLGBTプライドは、そんなアイディアをもった社会的活動なのかなーと思います。

みんな同じく平等に話せる社会を作ろうという、活動です。

3.プライドの時のマンチェスターの街の様子

マンチェスターピカデリーに着いてLincoがまず思ったこと!イベント会場だけでなく、街全体がこのプライドを祝福している(*^-^*)

まずついたら快晴の天気+レインボー

マンチェスターはゲイビレッジ(この場合LGBTを示します。)という地域があるくらい。もともとゲイの人が集まりやすい街。なので、そんな街で行われるお祭りなのでどんな感じなのかと思ったら、大きなチェーン店はもちろん小さいお店も、警察も市役所も全部がLGBTのシンボルであるレインボーの旗やカラーで埋め尽くされていました。

街全体が盛り上がっている雰囲気だけでLincoは幸せいっぱいになりました。おのぼりさん丸出しで、街中の写真を撮ってきたので、見てください。

衣料品店(PRIMARK)のショーウィンドー

入り口の看板も

H&M

デベナムズ(衣料品が主なデパート)

ポスターだけではなく、ロゴまでおしゃれにレインボーにしちゃうほど盛大に盛り上げていました。多くの人が、パレードに参加するための衣装をこのような店で買ったのは間違いないでしょう。

ロイズバング 銀行もこぞってレインボー

NatWest もレインボー旗

オフィスのところはもちろんATMの壁だってレインボー

ギャンブルなどをやっている会社(ロトとか宝くじのような会社)

大手の銀行はやっていないところがないくらいどこの店舗もレインボーに染まっていました。日本のプライド月間とかもこんな感じなのかな?

コープのコンビニ

コーヒーショップ、コスタは持ち帰り用のカップもレインボー

エスクワイヤーズコーヒー
(パレード沿いにあったお店)

プレタマンジェ(サンドイッチカフェ)も看板が!

みんな大好きTK Max
(ブランド物のディスカウントショップ)

イギリスのブーツといえば
ドクターマーティン

WH Smith
(空港でもよく見るお店)

携帯会社 Three mobile

携帯会社 EE

日本でメジャーでUKではメジャーじゃない
IQOSまでレインボー!!

この様にマンチェスターのいたるところでレインボーカラーにデコレーションしたお店を見つけることができました。お店がレインボーカラーにしていないと、なんだかさみしい気もしてしまくらい、当たり前のようにどのお店もレインボーに染まっておりました。

4.日本(+アジア)と英国のLGBTに対する違い(宗教の話も交えて)

日本人は仏教と神道が宗教として強い国ですが、宗教を信じて説に行動している人は少ない民族。何教ですか?と聞かれると、「無宗教」と答える人が大半。イベントの一つとしてお参りをしたりするのはポピュラーですが、仏教や神道ではタブーなどはよくわからない民族。

神道は、厳格な意味での、戒律は少ないらしく。LGBTもちろんOK。

仏教は、不邪淫戒といって、よこしまな男女関係はいけないといわれていて、国によって解釈が違うのだと思います。代表的な仏教色が強い国であるタイは、Transgender が多い国の一つ、日本人も多くの人がタイで本当の性別になるための手術を受けています。日本はゲイの僧侶がいるくらいです。

僧侶でゲイ、ある日本人男性の信仰

なので、LGBTが戒律として、いけないことであるなんて思う人はもともと少ないとは思いますが、やっぱりカミングアウトはしにくいというのは否めないお国柄。同性婚も認められておらず、なかなか言い出しにくいとかはあると思います。


それに比べ、イギリスはというと、いまは無宗教の人が多いですが、ご年配の方々や歴史的背景的にはキリスト教の威力が強いですし、イスラム教、ユダヤ教などなど信仰心が高い方もたくさんいます。

過去ブログ:#139 英国人って意外とキリスト教ではなく無宗教もご参考までに

なので、これらの宗教はもともと同性愛などLGBTは戒律としてタブー。そのため、LGBTの人に対するあたりが厳しかったりすることも多々あります。

同性愛カップル襲撃事件 BBCニュース

先日TVで、「小学生に対してLGBTを教える必要性があるのか?」というのを討論している番組がありました。やはり宗教信仰が強い方は、聖書にも書かれているのでLGBTはよくないこと!それを子供に教える必要はないという意見、イスラム教やキリスト教の人でも実際にゲイの人は、子供にはみんな平等に人を愛することを教えるべきだということを論じておりました。

https://www.bbc.co.uk/programmes/p07m7jfr

その番組にはほかにも、ユダヤ教の人、キリスト教の人、イスラム教の人、国会議員でゲイの方、クラスメートにゲイがいたので学校を変えた親、両親ともに母親のゲイのお母さん、実際にゲイの若い男性などいろいろな方が出ており、議論を交わしておりました。日本ではなかなか見れないような番組でとても興味深かったです。

Lincoが感じる実際のイギリスのLGBTに対する様子はというと、

LGBTの人はイギリスでは日本よりオープンにして生活している気がLincoはします。LGBTの人同士は、LGBTの人が多く集まるクラブに行って週末集まったり、TinderのGayバージョンのマッチングアプリを使って、恋人を探したりして、あいても見つけやすい感じ。そんな話も普通にしますし、LincoもLGBTの友達と一緒にそんなクラブに行くことがありました。

日本よりイギリスは宗教の信仰心が強い人が多いと思いますが、イギリスは移民が日本よりも多く、いろいろな人がいて当たり前という印象は強い国であります。

LGBTの人に対して大きなプラスポイントなのが、イギリスは同性婚が認められる国であり、世界各国からLGBTの人が集まる人気の国の一つです。結婚するためにイギリスに来たという人も少なくはありません。

アジアでは台湾が最近同性婚を認め多くの人がお祝いしているニュースが世界中に流れておりました。(2019年5月17日)

アジアは世界でもっとも人口が多い地域であるのに、2019年までアジアでどこの国も認められていなかったことにLincoは驚きました。つまりLGBTの多くのアジア人が結婚を認められず、いろいろなことに不自由な生活を送っているということ。

台湾で同性婚が認められたというニュースが流れる一方、ブルネイでは、同性愛や不倫に対して、石打ちの刑や死刑も課せられる可能性があるという法律が施行されました。
(2019年4月4日)

国によってLGBTの方への考え方は本当に違うんだなと感じることが多くあります。

これらのニュースを踏まえて、先進国である日本がみんなに対して平等な法整備されていないことを悲しく思いましたし、台湾に先を越されて悔しい!とも思いました。Lincoは世界中が早く誰もが住みやすい国になることをねがっております。

5.プライド、パレード!

今回のPrideイベントIn Manchesterでは、イベント会場とパレードが主なイベントで、イベント会場はなんだか混んでいて、あとチケットも当日券は売り切れていたため、入ることはやめました。(アリアナグランデも来ていたようです!!アリアナグランデとマンチェスターは切っても切り離せない存在。)

週末チケットはまだ販売していたのですが、明日は来れないので無駄に2日分払うと思うとお財布にやさしくないのでやめちゃいました。ちゃんと調べて前売り券で買っておけばよかった(-_-;)

でも、誰でも見れるPrideパレードはしっかり見てきましたのでその様子をお伝えいたします☆

パレード当日は(イギリスには珍しく)快晴の日で、日向で立っていると、熱くって汗だくになってしまうと思い、日陰に陣取ったところ、ほとんど半分ビルの陰で写真はあまりうまくとれませんでした。。。でも、せっかくなのでどんどん載せていきます!

イギリスのプライドの臨場感が伝わるといいな。

パレードを待っている人たち。かなりの人が何キロにも渡り今か今かと待つ。
私が行ったことろはパレードがもうすぐの時間ですでに人だかり。。。

いよいよ開始!100以上もの団体が参加しているようで、お客さんもたくさん!!プライドの注目度の高さがうかがえます。

ランニングチームがレインボーとともに走ってきたー。

コカ・コーラがCokeロゴではなくLoveロゴTシャツを着て参加

パレードにもコープ!!お店のショーウィンドウだけでなく
パレードにも参加。


企業は当たり前のようにLGBTコミュニティーをどこも応援!

これだけ盛り上がっていると、一人じゃないし、みんなサポートしてくれるという安心感が生まれる!カミングアウトなかなかできない人もこういう機会があるとしやすいかもしれませんね。

国民健康サービス(NHS) いわゆる病院関係者!

Medical Council(医療協議会)

病院や協議会がパレードに参加するってイメージが私はあんまりなかったので、びっくり!よく考えれば、トランスジェンダーの方でホルモン治療とかされている方もいるし、精神的に苦しんでいる人も結構いるだろうし、病院は常にLGBTをサポートしている団体の一つなんだなと改めて実感。


救急車がレインボー!どんな人でももちろん助けます。

消防車!犬の着ぐるみが気になる。

警察関係者

警察がパレードに参加っていうのもLincoとしてはあんまり見たことがなかったのでびっくりしました。警察はいつもパレードの警備員として、たくさん配備されているのは何度も見たけれども、参加者として参加するなんてなんだか明るいなー!と思いました。

トラックにもヘイトクライム根絶!
ヘイトしたら捕まえちゃうよ!的な感じ。

警察車両までレインボーラッピング。結構お金かけている。

今度は海軍(Navy)軍までまさかのLGBTパレード!

真面目そうな軍の方も一生懸命アピール

これが本当のセーラー服。

今まで見てきたパレードは、結構、NPO団体か、会社のマーケティングを兼ねたような企業色が強いものが多かったので、警察、消防、医療、議会などの公的機関が率先して参加しているのを見てなんだか私はうれしく思いました。(もちろん多少なりとも税金は使われていると思うので、無駄遣いをするなという人もいるかもしれないですが、私は感動しました。)

公的機関も参加することにより、LGBT関係団体や企業だけではなく、街全体がLGBTかストレートかなんて関係なく、人は人だから、この街で同じく楽しんで生きていこうよ、っていってくれているような感じがしました。

こんなにもたくさんの人が困ったときには支えてくれるんだから。大丈夫!そんな感覚を覚えました。

イギリスっぽい団体!スコティッシュダンスチーム
キルトを履いてバグパイプ!


BBCテレビ!これは大人気のルポールドラァグクイーンUK
Netflixで見たことがある人もいるのでは?大人気の番組のため人一倍大きな歓声が上がっておりました。

iTVイギリスのキー局の一つ、どでかいトラックで登場

宇宙飛行士がのっている

今年はアポロ11号が月に着陸してから50周年の記念の年ということもあり、スペースがテーマのようで、いろいろなチームがレインボー+スペースのようなモチーフをつけて参加していました。

スカウトの皆さん

日本でもボーイスカウト、ガールスカウトで有名

世界中に団体があるスカウトですが、イギリスでは歴史的にキリスト教の色が濃かったようで、この団体がパレードに参加していることはイギリス人のLGBTの方にとっては、とても嬉しいことでした。

また1つの宗派ではあるものの、教会(キリスト教)の団体もパレードに参加しており、「神はみなを平等に愛す」という看板を掲げて行進しておりました!(写真撮り逃した!)

それをみて、キリスト教も少しづつ、聖書の解釈が変わっていっているんだなと、感動して一人泣けてきました。

100以上の団体がいたので全部は収めきれませんでしたが、いかがでしたか???
これらの写真で、少しでもこのパレードの雰囲気が届けられたらいいなと思っております。

6.Pride in Manchester Lincoの感想

私はこのPrideイベント(4日間)のうちのほんの一部しか見れませんでしたが、とても感動し、とてもうれしい気持ちになれた1日でした。

たくさんのLGBTの方、それを支える方、老若男女たくさんの方が参加していて、とても幸せになれました。



男同士や女同士が手をつないで、抱き合って喜びあって祝福しているそんな場面をたくさん見ました。みんなが隠すのではなくプライドを持って生きていける世の中に世界中がなっていけるといいなと思います。

昔は、世界中で女性は選挙権がないとかそんなことがありましたが、現在はほとんどの国で女性も当たり前のように選挙権がある。

それと同じく、昔はこんなLBGT Prideイベントがあったんだよー。なんて懐かしい思い出話になるくらいに、将来世の中がLGBTの人に対しても人として当たり前の権利を与えられる世の中になっていってほしいなと思います。

日本はLGBTに対する戒律がある宗派を信仰している人が少ない人種、だからすぐにでも同性婚に関する法律は変えられるはず。はやく変えていってほしいなと思います。

このイベントを見に行っていろいろなことを考えさせられて、ブログを書くために、改めてLGBTに対する理解を深めることができました。

またこのようなイベントに行けることがあれば、情報発信していきます☆

留学とは違う話でしたが、このブログがみなさんの少しでも参考になったら幸いです。

参考になった!参考にはならないけど、面白かった、面白くもないけど、とりあえず読んだ。という人がおりましたら、下のLincoアイコンをぽちっとしていただけると励みになります。

過去のイギリスの大学院シリーズはこちらから

今回もブログをご覧いただきありがとうございました。 Linco

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