それは【お寺に棲むおキツネ様!?】不思議なおじいさんの残した一言とは。 | 普門院だより~アメブロ版~

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もう七月のことになりますから、少し前ですね。

 

 その日も暑い日で、玄関の呼び鈴が鳴り、私は慌てて出てました。

 

 大抵は檀家様か、定期的に集金に来る業者さんです。

 

 ところが、そのときは違いました。

 

 どことなく品は良い、おじいさんでした。住職に会いたいと言われるので、高齢の母ではなく

 

 副住職である主人を呼びました。

 

 その前に、ご老人が背後を振り返り、

 

 ーこのお寺には狐が住んでいるのですか?

 

 おっしゃるものですから、私、首を傾げました。

 

 うーん、ウチの寺に狐はいないし、少なくともこの界隈で出たという話は聞かないなぁ、、、

 

 イノシシや猿はたまに山里の方で出没し、ここら辺りまで出てくることもあるという話は聞きますが、、、

 

 狐はありません。

 

 なので、

 

 ーそうですか?

 

 と、言うにとどめ、主人に代わりました。

 

 後で主人に訊いたところによれば、その方は檀家様ではなく、「ご先祖捜しの旅」をしている方だったそうです。

 

 ひと頃、「家系図」を作るというのがブームになりましたね。

 

 自分のルーツを辿り、ご先祖様がどこの誰で、自分の家系がどんな時代に端を発しているのか。

 

 そういうことを調べ、家系図を作るといったことが流行った時代がありました。

 

 詳しくは判らないですが、その方もそういう類いのことを調べておられたのでしょうか。

 

 しかし、問題はそこではありません。

 

 「狐が住んでいるのですか」の一言でした。

 

 どうも私にはそれが気になりましてー笑

 

 私からすると、そのおじいさんは本物の狐を見たわけではないと思うんですね。

 

 可能性としては三つ。

 

 猫を狐と間違えたか、或いは幻覚を見たか。

 

 最後の可能性としては、霊感があったので、いわゆる「おきつね様」のようなものを見たという可能性も

 

 ないとは言い切れない。

 

 そのどれかだと思いました。

 

 しかし、どれであったかを解明することはできず、そのままいつしか忘れてしまっていました。

 

 そして昨日の夕方のことです。

 

 私は冷房のきいた室内から廊下に出ました。

 

 ーあ、暑い、暑すぎる。

 

 外に出ただけで、もう倒れそうなほどの熱気です。

 

 刹那、視界を何かがよぎりました。

 

 廊下の先は中庭になっており、寺の屋根が見えます。

 

 その大屋根を登ってゆく小動物が一匹。

 

 ー猫もこの暑さでは、伸びてしまうわなぁ。

 

 と思いつつ、屋根を見上げたら、な、何と!

 

 向こうもコチラを屋根から見ています。

 

 視線が合いました、、、汗

 

 ですが、それは予想に反して猫ではなかったのです。

 

 ーき、狐だぁ!

 

 一瞬、目が点になったのですが、よくよく見ると、狐ではありませんでした。

 

 私はその時点で、「イタチ」なるものを一度も見たことがありませんでした。

 

 しかし、もしや、それが話しに聞く「イタチ」ではないかと思いました。

 

 イタチ? は私を見ると、悠々と屋根を登り、消えました。

 

 さあ、慌てて室内に引き返し、スマホを出して検索です。

 

 「イタチ」と「画像」を打ち込むと、すぐに出てきました。

 

 うーん、ほぼイタチと思って間違いなさそうです。

 

 キツネのような色、口元もやや出っ張っており、ちょっと見にはキツネと間違えそうではあります。

 

 もしや、二週間ほど前に突然、訪ねてきたご老人が見たという「キツネ」はこのイタチではなかったのかと

 

 漸く合点がゆきました。

 

 実は、天井裏でバタバタと暴れ回る足音が聞こえるようになってもう数年。

 

 最初はネズミかと思い、現にそうであったらしく、業者さんに駆除もお願いしました。

 

 やっと落ち着き、しばらくしてまたドタバタと天井裏が賑やかになり、

 

 ー今度は大きな音だから、猫かな~。

 

 と、家族でのんびり笑っていたのですが、、、

 

 大きな誤認であると判明。イタチであれば、残念ながら、出ていって貰わなければなりません。

 

 長期滞在されると、あらゆる意味で被害が出てくる危険があります。

 

 なので、今日、連休明けを待って、以前、お願いした業者さんに電話して相談しました。

 

 とりあえず、お盆明けに来て下さるとのことです。

 

 うーん、まさか、「キツネ」が「イタチ」であったとは。

 

 かのご老人は幻覚を見たわけではなく、霊感があったのでもなく、ただイタチを見間違えただけだったのでしょう。

 

 私も最初は「キツネ」かと思いましたもの。

 

 

 けして若くはない私ですが、この歳にして初めて実物のイタチを目撃、

 

 軽いショックを受けました。

 

 

 

 いや、あのおじいさん、もしかして霊感がある人だから、

 

 ウチの寺にお住まいの御利益ある「おきつね様」を見たのかしら、、、なんて考えたりもしていたんですが、

 

 何のことはない、イタチだったんですね。

 

 がっかりするやら、拍子抜けするやら。

 

 ただ、今はコロナも蔓延している時期です。

 

 イタチは伝染病を持ち込む危険性もありますから、笑っている場合ではありません。

 

 早く業者さんに来て戴いて、出ていって貰う必要がありそうです。