臨済宗南禅寺派圓通寺

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アベイサンダラ夫妻を観世音寺へご案内して

2019-04-20 | zen lecture

 吉富

この寺は天台宗に属していて、創建以来約1300年の歴史があります。スリランカの仏教は2500年の歴史ですので、それから比べると新しいですが、この寺は日本で最も古いお寺の一つで、天智天皇の創建です。建物は16世紀の再建です。仏像はどれも5メートルもあり、平安時代、鎌倉時代の作で、国の重要文化財に指定されています。どれも一本の木でできています。スリランカの上座部仏教では仏像は釈迦如来だけですが、大乗仏教にはたくさんの仏像があります。その理由は、人にはいろいろな立場があり、職業があり、お国柄があり、それぞれ違った考えをもっています。その立場に応じてブッダの説法があるということです。観世音菩薩は大乗仏教ではブッダの慈悲を表しています。ブッダは「たとえば母親が命をかけて我が乳呑児をまもるように、周囲の人々にも愛情をそそぎなさい」(スッタニパータ)と言われました。その姿が観世音菩薩です。日本人は仏陀の教え、慈悲を母親の愛情に重ねて理解しようとます。それで日本の仏像はお母さんの顔に似ているといわれます。外国の仏像と比べると、そのことがよくわかります。ブッダの愛情は場合によって厳しいこともあります。それが隣の馬頭観音で、怖い顔をした仏像です。こちらは阿弥陀如来です。インドで1世紀ごろに起きた「阿弥陀信仰」を説く仏像です。周りの4体は仏教を護る神さまたちで、いきいきとしています。仏像の頭を見てください。髪の毛が二段になっています。体全体が流れるような衣の模様になっていて、ふくよかな女性のように丸みをおびています。これをグプタ様式と呼びます。4世紀から6世紀インドのグプタ時代にできた仏像様式です。それが中国へ伝わり、朝鮮から日本に伝わりました。日本の仏像はほとんどこの様式です。ガンダーラ様式はギリシャ風です。創建当時の屋根瓦を展示してあります。インドの「カパーラ」が日本語の「瓦」になりました。スリランカのシンハラ語でゴミのことを「ガラクタ」と言いますね。日本語でも役に立たない物を「ガラクタ」といいます。シンハラ語と日本語は全く違う言語ですが仏教用語はほとんど同じです。たとえば、菩提=ビディー、達磨=ダーマ、般若=パンニャ、舎利=スリー、雛(小さい)=ヒナ、などです。探せばまだたくさんあるでしょう。

●坐禅会 毎週土曜日午前6:25~8:00 

久留米市宮の陣町大杜1577-1圓通寺 

初心者歓迎 参加費無料 詳細は電話でお問い合わせください。℡0942-34-0350

初回参加のみ千円。二回目以降つづけていただければ無料です。

●学校やクラブなど団体研修 坐禅申し込み随時うけたまわります。出張も致します。

費用はご希望に応じます。宿泊はありません。


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