プリントゴッコを「懐かしい」ネタのカテゴリーに入れるかどうか一瞬迷ったが、PCでの年賀状作りしかやったことがない若い人も増えてる現状では、「懐かしい」カテゴリーに入れられるかもしれない。
今では年賀状は、業者に頼まず自身で作る場合は、多くの人がパソコンで作っているのであろう。
だが、PCが今ほど普及する前は、プリントゴッコは年賀状作りをする時の定番アイテムだった。
そう、プリントゴッコは、個人用・家庭用の小型印刷機であった。
年賀状などを作る時、自分で絵などを描いてデザインした「下絵」みたいなものを作り、それをハガキなどに手動で印刷するものだった。
我が家にもあったし、実際パソコンで年賀状を作るようになる前は、毎年使っていた覚えがある。
私が子供の頃や学生時代には、年賀状を作る時には、一枚一枚手描きで絵を描き、当然どれもデザインは違った。
楽しい作業でもあったが、面倒くさい作業でもあった。
それがある時プリントゴッコの存在を知り、入手してからは、劇的に年賀状作りが楽に感じたものだった。
そう、手描きで一枚一枚違うデザインの年賀状を作ってた時代に比べたら、年賀状にかける手間は大幅に短縮された。
そんな点が気に入り、プリントゴッコを入手してからは、毎年毎年年賀状作りでは使っていた。
だが・・毎年使ううちに、多少なりとも、違った種類の手間を感じるようにもなっていった。
それは・・印刷した年賀状には、乾かす時間が必要だったこと。
また、印刷した年賀状が多数ある場合、乾かす時そこそこ場所をとることにもなった。
それと、自分の不手際にもよるのだが、時々印刷がずれて、下絵と色がずれてしまうこともあった。それは「年賀状の失敗作」であり、誰が見てもわかる失敗であった。
失敗した年賀状はどうしたらいいのか・・年賀はがき自体には金がかかっている。出さない・・・というのもなんだかもったいない。誰かに出すしかないが、誰に出すか・・・。
とまあ、そんなことが気になっていた所に、パソコンの登場。
パソコンで年賀状を作るのはプリントゴッコよりも更に手軽。しかも、時間もかからないし、レイアウトの変更もすぐにできるし、印刷した年賀状の渇き待ちで時間がかかることもほとんどない。
手描きで1枚1枚描いていた頃に比べたら、プリントゴッコはかなり手間を省いてくれたが、パソコンだと、更に劇的に手間が省けた。
こうなるともう、パソコンしかない。
一度覚えてしまった「楽」は、中々捨てられなかった。
パソコンで作るようになってからは、プリントゴッコは私は使わなくなった。
で、いつしか我が家のプリントゴッコは、隅に押しやられ、気づけばどこにしまったか忘れてしまい・・。
調べてみたところ、プリントゴッコは1977年に発売が開始されたらしい。
人気を集め、販売台数を増やしていき、1987年にはピークを迎え、年間の売り上げは72万台にも達したらしい。
日本を含む全世界での累計売り上げ台数は1050万台だったというから、一時代を築いた商品だったと言える。
だが・・その後。パソコンが普及するようになり、お客をパソコンに取られるようになっていくと、販売台数を減らし続け、2008年には本体の販売を終了。さらに2012年にはプリントゴッコに関する全ての事業が終了されたらしい。
とはいえ、根強い人気もあったようで、その後プリントゴッコの名称を引き継いだネーミングでデジタル複合機やデジタルスクリーン製版機などが発売されているようだ。
単に私が知らなかっただけなのだろう。
どんな便利なものであっても、ぞれを凌駕するぐらいもっと便利なものというのは現れるものだ。
となると・・年賀状作りで、PCよりも便利なアイテムや方法も出ることがあるのかもしれない。
となると・・・PCよりも便利な年賀状作りのアイテムって、どんなものだろう。
あ、業者に頼む・・というのはナシで。
となると・・頭にイメージした通りのものが、そのままプリントアウトされて出てきてしまう・・そんなアイテムになるのかな(笑)。
そんなのができたら便利ではあるけど、ちょっとそれだと便利すぎる気もする。
ある程度の手間をかけて作るからこそ、年賀状をもらった時の楽しさがあるとも思うし。
便利さが上がっていくのはいいけれど、手間というのも大事だとは思う。
少なくても、ある程度は。
プリントゴッコでも、それがなかった時代の年賀状作りに比べたら便利だったのに、更にそれよりも便利なPCでの年賀状作りに精を出すようになった私がこんなこと書いても説得力はないのかもしれないが・・(笑)。
プリントゴッコを使ってた方は、今プリントゴッコはあなたの家でどうなっていますか?
押入れなどにしまいこんでいるのでは???