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気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

選曲に苦労する超大物ミュージシャン

2019年11月14日 | 音楽全般

コンサート・ライブが決まると、ミュージシャンは選曲を考えることになる。

選曲する作業というのは、けっこう楽しい作業なのではないかと思う。

少なくても私はそうだ。

まあ、アマチュアとプロでは違いもあるのだろうけど。

 

プロで、しかも相当な大物で、ヒット曲が数多いミュージシャンがコンサートをやる時、多くは、「公約数」的な選曲をする。

コンサートには、マニアックで濃いファンも来るだろうけど、人づきあいで来る客もいるだろうし、多少そのミュージシャンが好きでもそんなにはそのミュージシャンには詳しくない・・・そんな客も来るだろう。

 

マニアックなファン、コアなファンは、相当そのミュージシャンへの知識があったりする。

なので、マニアックな選曲をすると、コアなファンは喜んだり、他の一般的なファンに優越感を感じることもできる。

「俺、この曲知ってるぜ」とか「おお、こんな隠れた名曲をやってくれるなんて!」「他の奴ら、この曲知ってるかな?俺は密かに大好きな曲なんだけど」などと思い。

ただ、ミュージシャンとしては、そういうコアなファンばかりをターゲットにセットリストを決めるわけにはいかないだろう。

むしろ、あまりそのミュージシャンを知らないで来てくれた人や、付き合いで来てくれた客には、そのコンサートをきっかけに自分のことをもっと好きになってもらいたい、あるいはそういう客も今後はつかんでいきたい・・・そう思うのではないかと思うし、それはそれで大事なことでもあると思う。

 

そうなると、名刺がわりの有名曲・ヒット曲は、セットリストに並べる必要も出てくる。

 

あまりそのミュージシャンのことを知らずにコンサートに来てくれた客は、「あ、この曲、この人の曲だったんだ」「あ、これもこの人の曲だったんだ」「あ、これ、知ってる!」などと思えば、それはその後のその人のそのミュージシャンへの関心がアップすることにも繋がる可能性はある。

そのためには、あまりそのミュージシャンを知らない人でも知ってる、そのミュージシャンの有名曲をやることは意味のあることだと思う。

 

これが、有名な曲が数少ないミュージシャンなら、有名な定番曲がコンサートで占める量は少ないから、あとはある程度好きなように選曲できる余地はあるのではないか。

逆に、ヒット曲や有名曲が多いミュージシャンとなると、案外自由に選曲できる枠は少ないのかもしれない。

 

ミュージシャンとしては、いつも決まったセットリストを外れて、普段やらない曲や、それまであまりライブでやってこなかった曲、あるいは意外なサプライズカバーなどもやってみたくなるのではないか。

 

正直、有名な大ヒット曲などはコンサートのたびにやっていると、ミュージシャンとて人間、飽きてくる部分もあるのではないか。

 

ただ、コンサートに来てくれたファンは、そのミュージシャンの大ヒット曲などは、生で聞きたいはず。そのミュージシャンを代表するヒット曲目当てでコンサートに来てくれてる客もいるはずだから。

 

ただ、ヒット曲・有名曲があまりに多いと、ミュージシャンとしてはその全てをやってたら、他の曲をやれる枠がなくなってしまう。

 

そこで、スーパーヒット曲だけはおさえ、スマッシュヒット・中ヒットの曲は外して、他の曲をやる枠をねん出しないといけない。

 

ヒット曲の多いミュージシャンは、大半がそういうスタイルをとっていると思う。

最大公約数的なセットリストで。

 

その一方で、コンサートでは普段外すわけにはいかないスーパーヒット曲すら数多いミュージシャンもいる。

 

以前、ポール・マッカートニーが日本公演で、あの代表曲「イエスタデイ」を外したことがあり、それはちょっとしたニュースになった。

コンサートの定番曲1曲を外しただけでニュースになってしまったわけだから、ポールも大変だ(笑)。

 

そのコンサート、私は見に行っていない。

なのでその現場は見てない。

そのニュースを知った時、もし私がその会場にいたらどう思っただろう。

案外、その答はハッキリしていた。

 

ポールのコンサートに行って「イエスタデイ」が外されても、私はそんなに不満にはならないと思う。

意外には思ったかもしれないが。

それなら、私なら「イエスタデイ」を外したかわりに、他にどんな曲を入れてくれたかのほうが大事だと思う。

幸い、ポールの曲には私が大好きな曲は多数ある。

いつも聴いてる「イエスタデイ」よりも、普段やらない曲で、私の好きな曲をやってくれたほうが私は嬉しいかもしれない。

コンサートの所要時間には限りもあるのだし。

 

例えば・・・生では聴いたことがない「夢の旅人」「ノーモア・ロンリー・ナイト」「マイラブ」「ジャンク」「アイルランドに平和を」「ピカソの遺言」。

ビートルズの曲では「マザー・ネイチャーズ・ザ・サン」「ユア・マザー・シュッド・ノウ」「フォー・ノーワン」「オー・ダーリン」「シーズ・リービング・ホーム」「ハニー・パイ」「ロッキー・ラックーン」「ミッシェル」「P.S.アイラブユー」他。

いくらでもある。

 

 

日本人ミュージシャンでも、ヒット曲や人気曲・有名曲が多数あり、そういう曲だけでコンサートを埋めてしまえる人はいる。

吉田拓郎さん、井上陽水さん、ユーミンさん、中島みゆきさん、サザン、その他。

これぐらいのクラスの人になると、その気になってヒット曲を並べていくと、それだけでコンサートのほとんどの時間を消費してしまうのでは。

だがそれだと、どのコンサートも同じセットリストということになってしまう。

それだと、そのミュージシャンにも、客にも、つまらなくなると思う。

それを避けるためには、ある程度の看板曲は揃えながらも、いくつかの看板曲は外して、代わりにレアな曲や新曲などを入れて、コンサートのセットリストに変化やバリエーションを出すことになる。

 

そのミュージシャンを初めて身に来た客や、つきあいなどで来て、あまりそのミュージシャンのことは詳しくは知らない客は、せっかく来たのに、あの有名曲をやってくれなかった・・なんてこともあるだろう。

 

それでも、ある程度の看板曲は入れこんでいてくれればまだいい。

中には、看板曲をほとんど外してしまうことがあるミュージシャンもいる。

その最たる例がボブ・ディランだ。

ディランにも有名曲は数多くある。だが、1回のコンサートで、有名曲はほんの数曲しかやらない・・ということもザラ。

自身最大のシングルヒットになった「ライク・ア・ローリング・ストーン」みたいな超看板曲も外してしまうこともある。

普通のミュージシャンであれば、そういう曲はまず外すことはない。

ディランの場合「ライクアローリングストーン」などを外す代わりに、ひねった選曲や、カバー曲、最近のアルバムの「アルバムの中の1曲」みたいな曲を入れこんできたりする。

そのへん彼は本当に自由だなあと思う(?)。

ディランのコンサートの場合、けっこうファン歴が上級者向きのコンサートが多いと思う。

 

それに比べたら、ディランに勝るとも劣らない知名度を誇るポール・マッカートニーが「イエスタデイ」をセットリストから外したことぐらい、たいしたことじゃなくも思える。

ディランで鍛えられた(?)感のある私は、そう思う。

だいいち、ポールの場合、他の有名曲は惜しげなく演奏してくれてたわけだし。

 

本当はポールも、有名曲の大半を外して、普段あまりやらない曲ばかりでコンサートをやりたい時も・・あるんじゃないかなあ。

 

ただ、それをやるには、ポールはサービス精神も旺盛だから、中々そこまで思いきったことはやらないんだろうなあ。

以前ポールは、コンサートの選曲についてインタビューで、こう語っていたことがある。

「例えば僕がストーンズのコンサートを客の立場で見に行ったら、ジャンピングジャックフラッシュやサティスファクションは絶対に聴きたいと思う。だから僕も自分のコンサートでは、客が望む曲はやりたいんだ。」

と、こんな趣旨の受け答えだった。

 

で、実際ポールは、そのスタンスどうりのコンサートをやってくれてると思う。

ただ、問題なのは、ポールの場合、そういう曲があまりに多くありすぎることなのだろうね。

 

そう考えると、看板曲・有名曲がありすぎるというのも、一長一短なのかもしれない。

 

まあ、普通のミュージシャンにとっては、贅沢な立場なのだろうね。

特に、一発屋と呼ばれるミュージシャンにとっては。

 

その一方で一発屋は、その一発にあたる1曲さえセットリストに入れておけば、あとの選曲は極めて自由だろう。

ヒット曲が多いミュージシャンにとっては、ある意味羨ましい・・・のかな???

まあ、ヒットの多いミュージシャンや、一発屋ミュージシャンにもなったことがない私には、そのへんはわからない(笑)。

 

とりあえず言えるのは、やはりヒット曲や有名曲が多いミュージシャンは、観客動員もすごいということ。それだけは確かだと思う。

 

 

 

 

 

 


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2 コメント

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Unknown (鮎川愛)
2019-11-15 10:27:50
コンサートでセットリスト選曲に迷う世界的超有名ミュージシャン。

現在では、ポール・マッカートニー、ボブ・ディラン、ローリングストーンズがベスト3に入りますね。


ポール・マッカートニーによる「セットリストの決め方」は、私も映像で観たことがあります。


ボブ・ディランによる「セットリストの決め方」は、だんぞうさんにお話を窺いましたね。


まさしく対照的です。

お二人とも「生ける伝説」として、音楽誌に長時間対談されてほしいですね。


それこそ話し止まないでしょう(笑)


さて、だんぞうさん御自身もセットリスト選曲に迷うほど、たくさんのオリジナル楽曲がありますね。


アマチュア・ミュージシャンとしては、天下無双ではないでしょうか?


だんぞうさんは、有名一流ミュージシャンになったとしたら、ポール・マッカートニータイプですか?

ボブ・ディランタイプですか?


ところで「イエスタデイ」をセットリストから外した日のコンサート情報です。

観に行った友達は「「イエスタデイ」代わりに、同じような美しいバラードを歌うなら良かったけど、最新アルバムから採られた楽曲だったから、ちょっと物足りなかった」と話していました。


大多数の観客は、やはり往年のベストヒット楽曲を望んでいますよね。
Unknown (だんぞう)
2019-11-15 12:19:17
もしもご健在だったら、プレスリーも有名曲だらけですし、セットリストには迷うでしょうね。

ディランの場合は、何を選曲してくるかわからないですし、有名曲を選んでも、オリジナルバージョンを大幅に改変していることがあるので、ディランのコンサートは何が出てくるかわからないという楽しみがあります。

オリジナルバージョンをそのままやってほしいお客さんは、とまどうことがあると思います。

でも・・それがボブなんです(笑)。
歌い方もメロディも、歌詞も、時には声も変えてきたりすることもありますし。

ポールのコンサートは、その点は安心感がありますね。


イエスタディのかわりに歌ったのが、新曲だったんですか。
だったら・・イエスタデイをやってほしかったと思うお客さんの気持ちは、まあわかりますね。
代わりにミッシェルみたいな有名曲をやってくれたら、不満はなかったでしょうね。

私ですか?
私はそこまで考えたり意識したりしたことは、あまりないです。
だって、特に看板代わりのヒット曲なんてないですから。
その点、選曲は自由なのかもしれないですね。
時代屋で私が歌った曲の中では、1回しかやってない曲は、そこそこありますよ。



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