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気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

追憶のエレキ、グレコSG600

2020年12月01日 | 音楽活動
 
 
私が初めて自分の金で買ったエレキはグレコのSG600というギターだった。
高校時代だった。
小遣いをため、バイトもして、やっとこさ入手したと思う。
 
当時、グレコと言えば、海外の名門ブランドのエレキを数多くコピーしていた。
特にギブソン系に強かったイメージがあった。
ヘッドに刻印されていたロゴの「GRECO」を、「Gibson」のロゴに似せていたことでもわかる。
 
 
グレコは当時の若者がエレキを買う時には、強い味方だった。
そりゃもっと安いメーカーのギブソンやフェンダーのコピーギターもあった。
だが、貧乏学生が「本物のギブソンやフェンダー」は値段的に買えなくても、それに迫るぐらいの品質を求めたい場合、特にギブソンのコピーエレキを買う場合、グレコを選んだ人は多かった。
私もそうだった。
 
 
当時グレコのエレキで私の周りで一番人気があったのが、42000円のレスポールコピーモデルだった。
当時大人気だったロックバンド、レッドツェッペリンのジミーペイジがレスポールを使っていた・・というのも大きかっただろう。
私の友人たちで、グレコの42000円のレスポールを買った人は何人もいた。
そんな中で私が買ったのは、60000円のグレコのSGコピーモデルであった。
 
 
友人たちが持ってた42000円のレスポールよりも多少なりとも高いものがほしかった。
対抗心もあったと思う(笑)。
多少なりとも値段が高ければ、その分品質の方も上ではないかと思ったからだった。
 
実際には、42000円のレスポールも、60000円のSGも品質にはあまり差はなかったのではないかなあ。
ただ、当時の私は、値段が高い分、60000円のSGのほうが上・・・と信じ込んでいた。
 
 
また、これは過去に何度か書いてきていることだが、私はレスポールのデザインがあまり好きではなかったのだ。
SGのほうがかっこよく思えた。
クリーム時代のエリッククラプトンも使っていたし。
 
そんなわけでグレコのSGを買った私。
モデル名はSG600。
SGは、いわずとしれたギブソンのエレキ「SG」モデルをコピーしたということだったろうし、600という数字は、新品定価の数字だったはずだ。
 
 
当時のグレコはユーザーに対して実に親切で、グレコのエレキを買った人にはもれなく「エレキギターレッスン」のカセットが教則本つきで貰えた。
 
また、ヘッドのトラスロッドカバーには、ユーザーのイニシャルを彫ってもらうこともできた。
というか、ギター購入後の数日後に、私のイニシャルが彫られたトラスロッドカバーが単品でグレコから郵送されてきた。
で、ユーザーとしては、元々ヘッドに付いてたトラスロッドカバーを外し、自分のイニシャルが彫られたトラスロッドカバーに付け替えたわけだ。
 
ユーザーへのこのサービスは嬉しかったし、ちょっと感激した覚えがある。。
ヘッドに私の本名のイニシャルが彫られた形になったから、愛着度もひとしおだった。
グレコが購入者を大事にしているのを感じたものだった。
一気に私のグレコへの親近感が大幅上昇した。
次回また国産エレキを買うようなことがあれば、またグレコのエレキにしようと思ったし、実際にそうした。
 
 
このグレコSG600は、ギター全体は軽く、セットネックでもあったと思う。
SG特有のハイポジションの弾きやすさは格別。
音色のほうは、ナチュラルだと甘く暖かく、太めの音だった。
 
この一本は大学3年の途中ぐらいまで使い、多重録音や、バンド練習、ライブなど、色んな場面で活躍したと思う。
 
 
その後、大学3年の途中に、同じグレコの12万円のセミアコエレキを買った。
それは実によく出来たエレキだった。これは今でも我が家に残してある。
グレコのラインナップの中では高級機種だったので、品質も一級品。
12万円のエレキを買ってからは、SG600の出番は一気に減った。
 
 
やがては、部屋の片隅に追いやられるようになり、しまいにはハードケースに入れられ、押入れで眠ることに。
 
 
その後私の所有ギターが増えていくと、押入れの中もスペースがなくなり、やがては・・そのSG600は売却してしまった。
愛着はあったのだが、置き場所がないのではどうしようもなかった。
今思うに、私のイニシャルが彫られたトラスロッドカバーだけでも外して、元の普通のトラスロッドカバーに付け替えて売却すればよかったかなあ……という気持ちはある。
 
 
 
その後・・何十年という時が流れ。
巷ではジャパンビンテージという言葉を聞くようになった。
日本製のビンテージギターのことである。
ギブソンコピーをしていたグレコの当時のエレキも、ジャパンビンテージと呼ばれるようになった。
 
ネットでその価格を調べてみると、さすがに新品定価よりは安いものの、年月変化ほどの値段暴落にはなっていない。
それは一定の評価と人気があるからであろう。
 
 
今考えれば・・売らなければよかった。後悔している。
 
せめて・・売ったグレコSG600が、今もどこかで弾かれていることを願うのみ。
 
思い出と愛着がこもっていたエレキだっただけに、なおさら。
 
今私がSG600に会えるとしたら・・・当時多重録音した音源の中のみだ。
そこでは、かつてのあいつの音色が記録されている。
 
 

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2 コメント

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Unknown (鮎川愛)
2020-12-05 02:09:10
最初に入手され、愛着満々だったエレキギターを売却されたと知りまして、私でも「本当にもったいない!」と叫びそうでした(笑)


況してや、だんぞうさんの本名イニシャルが入っているなら、売却してはダメですよ(泣)

他のギターを売却してでも、今でも愛用しておくべきでしたね。

尚、私が初めて入手したエレキギターは、中学2年生の時、同級生のお父さんからいただいた物でした。

青いストラトキャスターですね♪

しかし、肝心要であるアンプやコードが無かったために、入手して演奏できるまで5年の歳月を要しました(笑)

今でも倉庫に眠っていますよ。

だんぞうさんの初代愛用エレキギターも、今もどこかで健在でありますように…。
Unknown (だんぞう)
2020-12-05 07:55:39
当時住んでた部屋では、もうギターの置き場がなかったし、新しく買ったエレキばかり弾くようになって、最初に買ったエレキは出番がなくなっていたんです。
なので、私のところでくすぶってるよりも、もつとメインで使ってくれそうな人の所に行ったほうが、SG600にとっても幸せだろう…と思い、売却しました。

ただ、やはり私のイニシャルの掘り込まれたトラスロッドカバーだけは、外しておけばよかったです。
それは後悔してます。

ストラトを持ってるんですか?
エレキを入手したら、アンプとコードも入手しないと、つまんないですよ。

安いミニアンプも売ってますから、それにつないで、ヘッドフォンで聞きながら練習するのもいいでしょう。

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