徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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書評:五来重著、『仏教と民俗 仏教民俗学入門』(角川ソフィア文庫)

2020年11月19日 | 書評ー歴史・政治・経済・社会・宗教


五来重著、『仏教と民俗 仏教民俗学入門』は、2・3か月前に読み出して、読みかけのまま別のものに手を付けてしまってしばらく放置していたのですが、今日なんとか読み終えました。
非常に興味深い日本人の精神性に関する考察が含まれており、学術的な教義仏教とは全く異なる素朴な人々の信仰、土着の文化に仏教的要素が加わり、様々な祭や習俗の形で残されているものが、非常に優しい目線で紹介されています。
五来重氏は、地位や肩書に胡坐をかいて仏教徒(または僧侶)を名乗る方々がたいそうお嫌いなようで、庶民の信仰に対する優しさとは打って変わって情け容赦ない厳しいお言葉でバッサリと切ってしまっています。そういう激しさも本書の読みどころかもしれませんね。

目次
I 現代と民俗
II 年中行事と民俗
III 祖先崇拝と民俗
IV 庶民信仰と民俗
V 聖と民俗
VI 修験道と民俗