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2020年11月01日

M1956ファーストエイド/コンパス・ケース(M1956 FirstAid Packet/Compass Case)

みなさん、こんにちは。
11月に入りまして朝晩は寒さを覚える季節になりました。お昼間はお日様が出てらしたら20℃前後まで気温が上がって実に過ごしやすいです。ずっとこんなだと良いんですが長くは続きません。
当地大阪は「大阪市をつぶすことになり住民サービスの低下に繋がる」、「二重行政の無駄を省いて効率的な行政が行える」とかで、「都構想」の是非?が問われる住民投票が今日行われます。5年前の前回は僅差で否となりましたが、今回はどうなるのでしょうか。

さて今回お送りするネタモノは、タイトルでは字数制限があって納得のいくものを掲げられなかったのですが、「M1956 ファースト・エイド・パケット or コンパス・ケース(M1956 First Aid Packet or Compass Case)」です。とは言え実はこのモノの「制式名称」は時期によって変遷を遂げまくりなので、一応最大公約数的な表示に致しました。詳細についてはみなさま方におかれましてお調べください。ここではその全てを網羅するのはちょっと不可能です。

↓M1956 ファースト・エイド・パケット/コンパス・ケース(Case, First Aid Packet or Compass, M1956)です。左の相当草臥れている方がいわゆる「初期型」、右のデッド・ストック並みのモノが「後期型」と呼ばれています。「後期型」の方が圧倒的に製造・供用期間が長いので「初期型」は少数です。かと言って、それほど「レア」という印象は持ってません。結構まだ手に入れ易いと思います。名称の中に「or」と入っているのは、ファーストエイド・パケット・ケースでもあり、コンパス・ケースでもある、という事です。
M1956ファーストエイド/コンパス・ケース(M1956 FirstAid Packet/Compass Case)
余談ですが、WW2中のM1942ファーストエイド・パケット・パウチが当初は正に「ファースト・エイド・パケット入れ」だったのが、1950年代以降「ファースト・エイド・パケット or コンパス・パウチ」と名称が変わり、コンパス・ケースの役割も持たせられましたが、さらに後には「ファースト・エイド・パケット」の文言が名称から外され、「コンパス・ケース」となりました。
今回お送りするモノも、供用開始当初は本稿のタイトルにもあるように「ファースト・エイド・パケット or コンパス・ケース」という名称でしたが、途中で「ファースト・エイド・パケット」の文言が制式名称から外され、最終的には「コンパス・ケース」となっていきました。あとでまた触れます。

↓初期・後期の差異は、フラップに施されているコットン・テープの縁取りが、「初期型」はフラップのみであるのに対して「後期型」では本体両側にも延び、また、ポケットの上縁にも施されるようになった点、それと…
M1956ファーストエイド/コンパス・ケース(M1956 FirstAid Packet/Compass Case)

↓「初期型」の底部には何もありませんが…
M1956ファーストエイド/コンパス・ケース(M1956 FirstAid Packet/Compass Case)

↓「後期型」の底部には水抜きのドレイン・ホールがあります。
M1956ファーストエイド/コンパス・ケース(M1956 FirstAid Packet/Compass Case)

↓裏面にはどちらのタイプにもスライド・キーパーが一つ設えられています。
M1956ファーストエイド/コンパス・ケース(M1956 FirstAid Packet/Compass Case)

↓白い紙片をピストル・ベルトに見立ててスライド・キーパーの仕組みを示しています。ピストル・ベルトのほか通すことのできるモノ全てに着脱できます。スライド・キーパーは、このファースト・エイド・パケット or コンパス・ケースも含めた「M1956装備システム(M1956 Load-Carrying Equipment)」から導入された装備品の連結具で、それまでのM1910装備システムで用いられたダブル・フック・ワイヤー・ハンガーとハトメ穴との組み合わせに比べると脱着面での機能性が格段に向上しました。ハトメ穴を必要としないので例えばピストルベルトのハトメ穴の位置に関係無く、任意の位置に取り付ける事ができます。
M1956ファーストエイド/コンパス・ケース(M1956 FirstAid Packet/Compass Case)

↓では個別に見て行きます。左の「初期型」。長期に亘り中に入っていたであろうファーストエイド・パケットの形に沿って布地が擦過損傷しています。
M1956ファーストエイド/コンパス・ケース(M1956 FirstAid Packet/Compass Case)

↓フラップの裏側には制式名称や契約内容などのスタンプがありますが、もはや判読不能です。
M1956ファーストエイド/コンパス・ケース(M1956 FirstAid Packet/Compass Case)

↓フラップ留め具のスナップ・ボタンのオス側の裏面。彼の著名な「RAU FASTENER CO.」の刻印。あとで見ます「後期型」のモノと同じように、円周左下の一見何も刻印が無い部分にはひょっとしたら「PROV RI(PROVIDENCE, RHODE ISLAND」の略)」とあったけど磨耗で見えなくなったのかも知れません。
M1956ファーストエイド/コンパス・ケース(M1956 FirstAid Packet/Compass Case)

↓メス側の裏側。判読が困難ですがこちらにはスペースが少ないのに「RAU F CO PROV RI 」と、社名の一部である「FASTENER」を「F」と略してまで、所在地である「ロードアイランド州のプロヴィデンス(PROVIDENCE, RHODE ISLAND」の略「PROV RI」を入れてます。
M1956ファーストエイド/コンパス・ケース(M1956 FirstAid Packet/Compass Case)

↓次に右側の「後期型」のフラップの裏側です。スタンプでは名称が「LENSTATIC COMPASS MAGNETIC」となっています(スペルミス?何ででしょう?調べた限りこんな単語無いです...。まさか粗悪なレプリカ?)。「ファーストエイド・パケット」の語は入っていません。冒頭部分で触れましたが、これはこの個体が既に「ファーストエイド・パケット入れ」としての役割から外された時期以降の製造分だからです。「後期型」が出現してしばらくすると、「コンパス専用ケース」となりました、と言いますか、正しくはこのケースはレンザティック・コンパス本体とワンセットで一つのモノだという事です。コンパス本体の制式名称が「MAGNETIC, LENSATIC COMPASS( DA23-195-AMC-00972(T)、Federal Stock Number:6605-846-7618)」であり、その旨がこのようにケースの方にスタンプされています。もちろんコンパス本体にも同様の記載(刻印)がなされています。最早ケースとして独立したモノではなくなったと言って差し支えないでしょう。
M1956ファーストエイド/コンパス・ケース(M1956 FirstAid Packet/Compass Case)

↓さきほど草臥れた初期型で見たのと同じフラップ留め具のオス部品の裏面の刻印。「RAU FASTENER CO. PROV. R.I.」と明確に刻まれています。
M1956ファーストエイド/コンパス・ケース(M1956 FirstAid Packet/Compass Case)


以上見て参りました。今でも製造時期を気にしなければ比較的容易に廉価で入手できると思います。国内でも1,500円?程度も出せばいいモノが手に入るでしょう。M1956LCEに忠実にマガジン・ケースの脇に取り付けるも良し、H型サスペンダーの肩のループに逆さに取り付けるも良し。ベトナム戦装備には欠かせないアイテムです。


それでは今回はこの辺で失礼いたします。またお会いしましょう。









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Posted by Sgt. Saunders at 12:00│Comments(0)米軍(U.S.)First AidCompass
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