Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

イタリアからのマティネ中継

2020-11-29 | 雑感
明朝は冷え込みそうだ。零下三度ほどの予定で、放射冷却が厳しくなる。

日曜日は朝からムーティ指揮のレヴァンナの楽団での無観客マティネー中継があった。ザルツブルクの時も映像は観たと思うが、今回の方が一月の感じに似ていた。もっぱらマエストロの身体の調子に関心がある。年初めまで気が付かなかったのだがこの指揮者の良い悪いは全てその身体の切れだけだと改めて思った。それだけでなくなんと跳んでいた。背筋が伸びて体幹が確りしているときのこの人の指揮は、その音楽は素晴らしい。まだ八十歳にはなっていないのだが、延ばした髪の豊富さとまだ白髪だけになっておらず、年初めの時よりも顔に張りがある。日本デビューの時の30歳代の覇気を彷彿とさせる。

一月にも二年前のそれとは打って変わった指揮振りと音楽の若々しさに歓喜したのだが、今回はシカゴに渡れないものだからイタリアで充実した生活を送っているのを想像させる。今から考えるとやはり更年期で二年ほど前は底だったのだと思う。楽譜を捲る視線を観察していてもまだ眼も良さそうで、とても若々しい。オンデマンドでも高音質で聴けそうなので、先週の演奏も聴いてみよう。

ニュルムベルクのコンサートホール新建設が凍結されたのは知っていたが、モデルをルツェルンのkklにしていたとは知らなかった。所謂シューボックス型で見本よりも少し小さめに1500人程度にする予定だった様だ。音響芸術的にはトレンドであり、60㎞離れたバムベルクの古い形のワインヤードとは一線を画せる筈だったのだろう。

しかしその街の規模以上にそこをホームとするフィルハーモニカーや座付管弦楽団を考えるとそこまで贅沢の出来るものだったかとも思われる。例え州立歌劇場には話題のヨアンナ・マリヴィッツが監督としていて、まだ暫くは活躍するだろうが、せめてバムベルクほどに話題にならなければあまり人が集まってこない。

ここワイン街道からは、260㎞ほどで二時間半で行けるので、ルツェルンよりは近く、ルクセムブルクよりは遠い。いいホールになれば、海外からの管弦楽団の招いて公演すれば日帰りで出かける価値はある。その場合も1500人入場となればやはり経済的に中々難しいだろう。ドイツのあれ程の街では難しい。

ルツェルンなどの入場料も高く、強いスイスフランケンであるからこそ成り立つ贅沢というものもあるので、素人さんの街ではとても難しい。ベルリンでもシューボックス型の大きめの新ホールは切望されるが容易ではない。

ドイツでは先ずはミュンヘンの新コンサートハウスの完成と出来を待つしかないだろうか。



参照:
感興豊かな躍動性 2020-01-18 | 音
コロナ死者の為のミサ曲 2020-09-06 | マスメディア批評


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