特にこれというものが見当たらず、だらだら歩いてきた道中。
ここにきてやっと、珍しいものの気配が。
地下道出口のすぐ目の前に、道しるべがありました。
右の金網の中は線路です。
この先、進行方向には高来神社と化粧井戸があるらしい。
神社はともかく、化粧井戸が何かは、まだわかっていない。
何やら薄く文字があったので、アップで見てみる。
なぬなぬ。。。虎御前(とらごぜん)がこの井戸水で化粧をした。。。とか書いてあります。
御前って、身分の高い人に使う呼称というか、、、、ですよね?
そんな人が自ら化粧のために井戸端まで行ったのか?
あれ?でもそうでない場合でも聞いたことがあるな、御前。
そもそも「虎御前」とは、誰?
現地ではさーっと通り過ぎてしまったのですが、せっかく記事にするのだから、道中調べてみましょう。
ふむふむ。。。「虎御前」というのは女性で、女性に対する「御前」とは、現代的に言えば身分のある男性の妻、愛人のことを指すようです。
ここからは、徐々に線路との間に距離が空きます。
間に住宅が並んで挟まっていく状態。
でも電車の音は聞こえる距離なので、まあ、いい感じ。
ただ、普通の道とはちょっと違ってまいりました。
並木の根元が、きれいに囲われていて、それが何やら古風というか、味があるというか。
樹齢100年越えか?という木々が植わっている道端で、その木々の間に住宅へのアプローチがあるという風景です。
こんな街路樹の光景はあんまり見たことがないかも。
ここでやっと、この道が旧道ではないかと気づく私。遅い。
こちらは平らな道なのですが、名称としては
女性における妻・愛人などの立場を昔の呼び方にするといろいろありますが、「御前」はその中の一つです。
特に使われたのは平安時代末期から鎌倉時代にかけて。
まさに、鎌倉幕府的な。
本来、正妻に「御前」とつけて呼んだようなのですが、だんだん正妻ではない愛人・昔でいうと側室や妾といわれる立場の女性にも「御前」というようになったそうな。
そういえば、源頼朝の最愛の人といわれる「静御前」にも、「御前」がついている。
こういった呼び方も、時代によって変わっていったわけです。