先日、全米をゆるがす人種差別への抗議:私たちにできることは?と言う記事に書いたように、

 

人種差別への抗議や訴えが続くなか、自分が何をできるか考えたときに


「知識を身につけること」がとても大事だと思っています。



影響を受けている相手の歴史や背景を学ぶことで、

 

初めて相手の立場を知ったり、共感したり、ショックを受けたり、今までなかったような発見もあります

 

 

最近ではNetflixやAmazon Primeで、黒人や人種問題に関するセクションができたり、

周りでも


「Black Lives Matterや人種関連で、おすすめの映画やテレビ番組はありますか?」


と話題になることが多々あります。


学生時代に授業の一貫として、様々な映画やドキュメンタリーを見てきました。

 

 

おすすめはたくさんありますが、

今日は、去年公開された


"Just Mercy" (黒い司法 0%からの奇跡)


について紹介します。


注意この記事にはネタバレが含まれます注意

 

 




アメリカではAmazon Primeなどで公開されており、

 

日本でも既に公開されたようで、いくつかのプラットフォームで視聴可能なようです。

 

 

私は先週見ましたが、

今こそ見て欲しい映画です。



この映画は、Bryan Stevensonという弁護士の人生を描いている、実話です

 

 


警官による暴力や圧力、無実の黒人男性の投獄、日常的な差別が描かれています



舞台は80年代ですが、昔も今も変わらず、不当な差別が続いていることがよく分かります。


アメリカで投獄される黒人の人数は、白人の5倍以上と言われています。

(このあたりの歴史的背景は、Netflixのドキュメンタリー "13th" がおすすめです)

 

 

 


ハーバードの Law school を卒業した主人公 Bryan は、

 

あえて南部アラバマ州に行って、黒人の死刑囚を助ける決断をします。



そこで "Equal Justice Initiative" という組織を立ち上げ、無実の罪で刑務所にいる黒人男性の弁護士になります。


映画で描かれている、死刑を宣告された黒人男性は、

 

何の証拠もないのに、警官にとめられたり、逮捕されたり、有り得ない話をでっちあげられたり、

あってはならない状況が描かれています。


次々にでてくる困難に立ち向かい、諦めず、最後まで戦う主人公の姿に、心が打たれます。


また「どんな状況でも「希望」を忘れてはならない」と言う彼の言葉には重みがあります。





実は、Bryan Stevenson 本人の講演を見にいったことがあるのですが、

 

今でも印象に残っている言葉があります。



人種差別や、投獄される囚人数が多い問題に立ち向かう際、一番大事なのは


"Get proximate to people who are suffering"


と言っていました。


「苦しんでいる人がいたら、その人に歩み寄って、相手の状況を理解しようとすることが大事」

 

 

と言うような意味になります。



例えば、Bryanはハーバード卒業後、家族が反対していたアラバマ行きを決断し、

 

アラバマ州の死刑囚を自ら訪れ、

 

一人一人の話に真剣に耳を傾けて、

 

遠く離れた死刑囚の家族に会いに行きます。



そうすることで、ただのクライアントではなく、人としての絆や友情が生まれます。


"Get proximate"は心にずっと残っている言葉です。



私も相手のおかれた状況を理解したり、1人1人のストーリーを大事にすることは、

 

彼の言葉を聞いてから、一層意識するようになりました。

 

 

これからも、彼の言葉 "Get proximate" の精神を忘れずにいきたいです。