このゆびと~まれ!

「日々の暮らしの中から感動や発見を伝えたい」

「成功者を祝福する心」を持とう(前編)

2020年01月26日 | 人生
(「バケツのなかのカニ」にたとえられる日本人)
日本特有の人間関係の問題についても述べてみましょう。
日本は長らく平等社会ですが、その平等社会の根本には、やはり、農村中心の考え方があります。
農村においては、周りと違う人や、周りから抜け出していくようなタイプの人は、あまり望まれません。基本的に、みなと同じような生活をしていく調和型の人が、うまくやっていけるのです。

これが日本型社会の原型です。日本では、一人だけ周りの人と違っていて、村から抜け出して成功していくようなタイプの人は、あまり好まれないことが多いのです。

そのため、日本人は、よく、「バケツのなかのカニ」にたとえられます。
バケツのなかにカニを何匹か入れておくと、カニたちは、もちろん、外に逃げ出そうとします。

しかし、一匹のカニが、ようやく、逃げ出すことに成功しそうになると、ほかのカニが下からハサミで挟(はさ)んで引きずり下ろすのです。しばらくして、次のカニが外に出そうになると、また、ほかのカニがそれを挟んで引きずり下ろします。

このように、「外に出たいけれども、自分は出られない。しかし、他の人が外に出るのは許せない」と思って、他の人を引きずり下ろしていると、結局、誰も外に出ることができません。

お互いに協力し合えば、外に出ていけるのですが、農耕中心の社会では、「『豊作になるか、凶作になるか』は、大自然の恵みに左右されるのであって、人間個人の能力の差や努力の差には左右されない」という考え方が長く続いてきました。

そのため、一人だけいい恰好(かっこう)をして“バケツ”から逃げ出そうとする“カニ”は許されず、必ず引きずり戻されてしまいます。これが農耕社会の実態なのです。

この日本型社会における平等観は、ある意味で、嫉妬心(しっとしん)の確定したものというか、嫉妬心が膠(にかわ)のごとく固まったようなものです。つまり、人々の間で、「変わった人は許さない」というような合意がなされると、嫉妬心は、悪(あ)しき平等心に変わる場合があるのです。

ただ、世の中は、かなり変化してきているので、たとえ田舎であっても、いつまでも、そのようなカルチャーであってはいけないと思います。

“バケツ”から出ていこうとする“カニ”を引きずり下ろすばかりでは駄目です。また、自分が“バケツ”の縁(ふち)まで上がったならば、下にいる“カニ”を挟んで引き上げてあげることです。こういうかたちで順番に引き上げていけば、みな、“バケツ”から出ていけるわけです。これが天国的な考え方です。

そして、「他の人を引きずり下ろすこと」ではなく、「順番に引き上げてあげること」を考えることは、「成功者を祝福する」という考え方につながるのです。これは単純なたとえ話ですが、私は、若いころ、この考え方に出合って目が開けたのを覚えています。

実は、この「バケツのなかのカニ」は、ハワイに住む日系人をたとえたものですが、この傾向はブラジルの日系人にもあるそうです。

要するに、日本人の場合、外国に住んでも、“カニの挟み下ろし”をするわけです。日本人の遺伝子は“すごい”ものです。住む国が変わり、外国語を話すようになっても、日本人は、“バケツから出ていくカニ”が許せず、引きずり下ろすのです。

ある本のなかに、「海外の日系人には、こうした傾向がある」と、はっきり書かれているのを見て、「ああ、そうなのか。日本人には、そういう傾向があるのだな」と思ったのを、いまだに覚えています。

---owari---
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2 コメント

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アメリカって違うなぁと思ってしまう瞬間 (とくめい)
2020-01-26 13:15:44
【研究】人の悪口を言うと、自分自身が傷つく理由http://mukiai.net/column/2014/04/post-22.php
はじめまして (このゆびとまれ!です)
2020-01-26 16:13:14
とくめいさんへ

こんにちは
「人の悪口を言うと、自分自身が傷つく理由」という、ご参考になる記事を教えていただき、有難うございました。
この記事ではすでに脳科学で説明されているのですね。またのご訪問をお待ちしています。

それから、この記事の元サイト「東御こころのむきあいネット」も素晴らしい活動をされています。みなさんも、ご訪問ください。http://mukiai.net/column/2014/04/post-22.php


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