どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ピッグル・ウイッグルおばさんの農場

2020年09月22日 | 創作(外国)
    ピッグル・ウイッグルおばさんの農場/ベティ・マクドナルド・作 モーリス・センダック・絵  小宮 由・訳/岩波少年文庫/2011年
 
 
 原作は1954年。
 
  うそつきフェットロック、 ペットの世話をわすれるレベッカ、 分解好きジェフィ、 こわがりやフィービー、 さがしものが下手なモートンの五人のこどもが登場します。
 
 フェットロックは、自分の父親を泥棒だ、列車泥棒、詐欺師、贋金づくりなど、あちこちに吹聴しています。
 
 レベッカは、動物好き。チャボのおんどり、モルモット2ひき、うさぎ一羽、コマドリのあかちゃん、白ねずみ、猫、犬、さらにカメ、カメレオン、金魚などなど。
 世話をするのはレベッカですが、よく忘れるので、朝から晩まで動物の鳴き声が近所迷惑。
 
 ジェフィは芝刈り機からミキサー、レコードプレイヤーまで、なんでも分解してしまいます。
 
 フィービーは、極端なこわがりで、魔女がくる、人殺しがやってくると夜もよく眠れません。
 
 モートンは、探し物がにがて。さがしものをしていると、周囲にきをとられ、肝心の探しものを忘れてしまいます。
 
 こんなちょっとわけありの子どもを、ホームステイさせるおばさん。
 
 おばさんは子どもをありがまま受け入れ、余裕をもって、子ども自身に気づかせていきます。
 
 電気もとおっていないおばさんの農場のイヌのワグ、馬のトロッキー、雌牛のアーバス、母ぶたのファニー、オウムのペネロペ仔牛のヘザー、アヒル、ガチョウ、めんどりの動物たちの活躍も見どころです。
 
 子どもたちはみんな根はまじめ。
 
 分解好きのジェフィは、なんでも修理屋さんに。分解は組み立てを理解できること。
 
 こわがりのフィービーは、地下室にたおれているピックル・ウイッグルおばさんを助けようと、にがてだった馬のトロッキーのとびのります。いざというとき勇気が出るのは「花さきやま」そのもの。
 
 初期の頃のセンダックの挿絵(モノクロ)もお話とぴったり。
 
 ピッグル・ウィッグルおばさんしかでてきませんが、なくなった夫は元海賊だそうですから、波瀾万丈の人生のようです。
 
 作者のお姉さんが「あなたは なんだってできるのよ」と励ましたエピソードも心あたたまります。

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