どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

すばらしい夢・・インド

2020年09月23日 | 昔話(アジア)

          語りつぐ人々 インドの民話/長弘毅・訳/福音館文庫/2003年

 

 あれこれ いいわけもさまざまです。

 三人の男が連れ立って帰る途中、日が暮れて野宿することになり、夕食にキール(乳粥)をつくり、あらそって貪り食いました。それでも多すぎて、残りは明日の朝食べることに。

 ひとりの男の提案で、一番すばらしい夢を見た者が食べることに。

 一人の男は、どうしてもねむれません。これまで夢をみたことがなかったのです。

 夢を見なければキールは食べられません。じっとしておれなくなり、男は残ったキールをのこらず食べてしまいます。

 次の朝、自分の見た夢を話し出します。一人は天国に行った夢。もう一人は王さまになった夢。三人目は悪魔とあった夢。そして悪魔から「キールを食え、キールを食うんだ。さもないとお前の命はないぞ」と、驚かされたというのです。そこまで聞くと、ふたりの男は「それでおまえ、キールを食ったのか?」と尋ねます。「食ったよ。食わずにおいてみろ。なにせおれは殺されるところだったんだ」。

 ほかの二人が「どうして、おれたちをよばなかったんだ」と責めると、「どうしてよばなかったかだと? よべるわけがないじゃないか! おまえたちは天国にいったり、王さまになっていたじゃないか」と男は こたえます。

 キールはお祝いごとやもてなし料理には、欠かせないといいますから、どうしても食べたかったのでしょう。

 この三人、まだ旅は続きますから、無事に帰りついたのでしょうか?


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