いたずらラッコとおなべのほし/神沢利子・文 長 新太・絵/あかね書房/1984年
ラッコのロッコはいたずらがだいすき。いいきもちで ねているおじいさんをワカメでぐるぐるまきにしたり、母さんにだっこされている赤ちゃんの足をひっぱたり。
そんなロッコに母さんはゆうやけ空をゆびさして「あんなに 空が まっかだよ。いたずらばかりしていたら、天の大男につかまえられて、スープにされてしまうよ」といいますが、ロッコはもうどこかに逃げてしまいました。
きらきらひかる星を とってきたいなと 遅くまでおきているロッコに おじいさんは、おなべの形に並んだ星をゆびさして、「よる 遅くまでおきてい子は 天の大男に つれていかれるぞ。大男は あのなべで カニのスープを煮るのじゃとよ。おまえも ぐちゅぐちゅ にてもらいたいかな」と、声をかけます。
ある日、カモメに朝ごはんの カイをとられてしまった友達のレッコをなぐさめるため、ロッコが、仲間たちから離れてウニやカニをとっていると、ロッコとレッコは、天から落ちてきたおおきな鍋で、大男にすくいあげられてしまいます。
このままでは、カニと一緒にお鍋でスープにされてしまいます。
カニが鍋のふちを はいのぼろうとしたり、あわをだして 逃げ出そうとしたり、なかなかうまくいきません。鍋の底には星がはめこまれていて、ラッコは星をとって 穴をあけようとします。 ロッコとラッコが夢中で 星をうごかすと 星がぐらっと 動きました。そして その星が くだけて その穴から水が流れ落ち、下の下の海の中へ どっぷーん!
心配していたおかあさんは、ロッコとレッコのおしりを ばんばん。
昔、北斗七星は八星でしたが、ロッコとレッコが 星をくだいてしまったので、七星になったというラスト。そういえば北斗七星というのは鍋の形です。
ロッコは危険な目にあっても 全然反省していないようです。なにしろ いたずらは たのしいですから。
星のならびから 鍋をイメージするという壮大なスケール。今日の星空は?