熱海3大別荘のひとつ『起雲閣』で気運を格段に高めた僕達ファミリーは旅の締め括りとして、人気のパワースポット『来宮神社』をご参拝することにしました。










来宮神社では丁度結婚式も行われていて、ふたりの新しい門出を祝う人々で賑わいをみせていました。













僕がパワースポットである『来宮神社』で結婚式を見た数日後には、予定調和のように嵐の二宮先輩が結婚発表をしていました。






「それにしてもさっきからパワースポットって呼ばれるだけあって、物凄い気を感じる・・」



「気をつけろ?!」



僕はおむろに己の頭に手をやると、いきなりカツラを力一杯地面に叩きつけました。



それから磯野波平バリの妖怪アンテナをオンにし、厳重警戒態勢でファミリーに警告しました。



「おい!皆、ケェ〜つけろ?!」



「貴方こそ!早く毛ェ〜付けなさいよ!」











来宮神社がパワースポットと呼ばれる所以は、この樹齢2000年を誇るクスの木があるからです。


僕も負けないくらい物凄い気を放っているにも関わらずに、クスの木はクスクス笑いながら余裕たっぷりの表情です。



物凄い気を放ってるクスの気を浴びた僕が、昨日の熱海七湯の『大湯間歇泉』で気を放出すれば一体どうなっていたか・・・












完全に回る順番を間違えたと、ちょっぴり後悔しました。



僕はぷるぷると身体を震わせて、カツラを地面に叩きつけてやりました。


それからタップダンスでもするみたいに地団駄を踏みました。












ランチは来宮神社周辺のオーガニック野菜が嬉しいお洒落なカフェでと密かに考えていましたが、ろくすぽ下調べもせずにアドリブ的発想だったので、まさかのCLOSEDに困惑の色を隠せませんでした。



僕はおむろに頭に手をやると、頭皮をむんずと掴み、カツラを地面に力一杯叩きつけました。


それからご機嫌なサウンドと共にタップダンスでもするみたいに、軽快に地団駄を踏み鳴らしたのです。



暫くして冷静さを取り戻した僕はカツラを拾い上げ、何事も無かったように頭皮にライド・オンさせました。


あたかも焼き立てのトーストに目玉焼きを乗せるクロック・マダムみたいに・・・







僕はお腹をクゥ〜クゥ〜と空かせながら、適当なカフェを捜索しましたが、何処にもカフェなんてありませんでした。


僕達ファミリーは眼鏡を無くしたマヌーサ状態でした。



ワイフが眼鏡のかけ違いで傘を忘れたというので起雲閣まで僕ひとり戻り、ついでに捜索した熱海伝統の漁師メシでもある『まご茶亭』に入ることにしました。
















クゥ〜クゥ〜状態だったので、何処だって良かったのですが・・・

















最後に地元らしい料理を提供するお店へ入ることができました。
















金目鯛や鮪のまご茶漬けを薬味をブレンドしながら、仄かな香りまでご堪能しました。
















お口直しにはお抹茶とミニぜんざいまで付いてきて、旅の最後に彩りを与えてくれました。














すっかり満足した僕は頭皮に手をやると、そのままカツラを鷲掴みして、そのヅラで上品に口の周りを乾拭きしました。






食後は散歩がてら、海までの道を歩きました。












このときはまだ存命していた梅宮辰夫先輩の係留する豪華クルーザーを眺めながら、熱海マリーナの船たちを眺めました。















欄干で羽根を休めるユリカモメを横目に熱海のマリーナを僕達ファミリーはひたすら歩き続けました。















お子達ふたりは走りながら波踊る砂浜までの道を進み、僕とワイフが辿り着いたときにはwichaの靴とズボンの裾はずぶ濡れになっていました。













寄せては返す熱海の海を眺めながら、僕はもうすぐ今年も終わるんだろうなとしみじみ思ったりもしました。













メリークリスマスのあとの冷めたイルミネーションのように・・・




(おしまい)