昨日の11月14日夕方〜15日未明にかけて
大嘗祭で最も重要である『大嘗宮の儀』が執り行われました。
昨日の記事にも書きました通り、公式の記録のほとんどが、大嘗祭での天皇の所作には触れておらず、天皇家最大の秘儀である大嘗祭の詳細は一切非公開とされています。
実はかなり宗教色の濃い神秘的な儀式ともいわれていますが、宮内庁はこれを否定しているようです。
今日はこの『大嘗宮の儀』に焦点をあててご紹介させていただきます。
大嘗宮の儀において、天皇陛下は純白生絹の御祭服を着用され、悠紀殿に籠られる前に、内裏から廻立殿という併設の殿舎へ渡御され「浴湯(ゆあみ)」をされます。これを「大忌御湯(御湯殿の儀)」「小忌御湯(おみのおゆ)」といい、この二度の沐浴(聖水儀礼)を行い「穢れ」を祓います。そして電気を一切使わないほのかな灯の中、中核儀式が行われる「悠紀殿」に入られます。
古来、この沐浴時に天皇は「天羽衣」を着用したともいわれています。
「悠紀殿供饌の儀」といわれる儀式で、天皇陛下は皇祖とされる天照大神の神座と向き合う形で座り、悠紀田の新穀で調理した神饌や白酒・黒酒を天皇陛下自ら神座に捧げます。
そして神々に国家と国民の安泰・五穀豊穣に感謝し御告文を読み上げ、直会と同じものを召し上がります。
大嘗宮には愛知県でつくられた「繒服(にぎたえ)」という絹の反物と、徳島県でつくられた「麁服(あらたえ)」という麻の反物が供えられるほか、「庭積(にわづみ)」の机代物(つくえしろもの)」と呼ばれる全国の都道府県から寄せられた特産物も置かれます。
内陣で儀式に臨むのは天皇陛下と采女(うねめ)と呼ばれる女官だけです。。。
儀式は約3時間。休憩をとり、再び15日午前0時半から、もう一つの祭場殿舎「主基殿」に入り、同じ所作で「主基殿供饌の儀」を行います。
皇后陛下は白い十二単姿で、悠紀殿のすぐ近くの殿舎で拝礼され、秋篠宮ご夫妻ら皇族方も古装束で参列されます。
ここまでは儀式の流れを書かせていただきました。
ですが今日ご紹介したかったのは大嘗祭における秘密の儀式の存在。
その儀式に使われるとされるのが
『真床追衾(まどこおふすま)』
真は美称
床追は床を覆う意
衾は伏す裳(ま)
と解されており、寝台または布団のようなものとされます。
もちろん大嘗祭の内容は秘儀とされていますので確証はないと思われますが、神社本庁の資料にもこの真床追衾が大嘗祭の悠紀殿・主基殿の神座に敷かれるとあります。
日本書紀の天孫降臨の段によれば
高皇産霊尊は真床追衾で皇孫瓊瓊杵尊を覆って降臨させられた
とあります。
また海幸彦・山幸彦の段でも
山幸彦が海神を訪問した際に、海神が真床追衾を敷いて山幸彦を座らせる記事
山幸彦の妻となった海神の娘の豊玉姫が産んだ子を、真床追衾に包む記事
が見られます。
神社本庁の資料によれば、この真床追衾は
貴人が着する玉座
高貴な乳児をつつむおくるみ
のようなもの、と紹介しています。
この真床追衾が天皇の即位儀礼にどのように関係しているのでしょうか?
真偽は定かではありませんが
漏れ伝わっている?
といわれる殿中での三つの儀式とは
☆霊水沐浴
白い帷子(天羽衣)を着て水風呂に浸かり、浴槽の中で着ている物を脱ぎ去る。
☆神人共食
悠紀田と主基田から取れた新穀を神と共に食する。
☆御衾秘儀
衣に包まれ眠る(物忌をされる)
元々は第10代崇神天皇の御代まで、天皇の居室に天照大神を祀った鏡を置いて(同殿)奉仕し、夜もそこでお休みになる(同床)「同殿同床」が行われていましたので、個人的にはあり得なくはないお話だと思います。
御衾秘儀の意味としては、例えば
天皇陛下は真床追衾に包まれた瓊瓊杵尊となり、天孫降臨を演じて皇位継承し即位する
であるとか
皇祖神(天皇霊)が天皇の肉体にはいることで本当の天皇になる
という、ここではご紹介できないものも含め諸々の説があります。
古来はおそらく…色々とあったと思います。が、現代では多少大きく考え過ぎなところもある感じがしないでもないですが
真床追衾が単なる休憩用の布団ではない
ということだけは言えると思いますね(^^)
諸説はともかく
日本の最大規模の国家的祭儀が行われる時代に立ち会えるとはなんとも幸せなことだなぁ♡と感じております
※一部神社本庁の資料を元に記事を書かせていただきました
神社本庁神社検定壱級合格認定番号
130070600014 宗教編
101080600017 祭祀編
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