第258回 五十嵐貴久 『炎の塔』


_AC_SL1500_

内容
高さ四百五十メートルを誇る超高層タワーが銀座にオープンした。数万人が集まる営業初日、漏電による小火が発生。防火設備を過信するあまり対応が遅れ、タワーのあちこちで炎が噴出。嵐のような火が群衆を混乱に陥れた。未曾有の大火災に飛びこんだ銀座第一消防署の消防士・神谷夏美は最上階に取り残された人々を救えるのか?究極のパニック小説、待望の文庫化!




1974年公開映画、
『タワーリングインフェルノ』にインスパイアされて書いたという作品。


あらすじ通り、超高層ビルの火災から人名を守る消防士(しかもヒロイン)が活躍する
エキサイティングなパニック小説。



こういうパニック小説は、災害が起きてから読者に緊張感を持たせ続けられるかというところが結構大事だと思うんですが、

長めのページ数にも関わらず、序盤から最後までハラハラ感を持たせ続けるストーリー展開は凄いの一言です。



また、主人公達のアツい絆や、被害者達のバックグラウンドを上手く見せながらラストまで駆け抜けるので、


最後は自然と泣けてしまう小説です。



こんなに一気読みしたのも久しぶりというくらい面白かったのでおすすめです。