安倍元首相とサッチャー元英首相 ー首相の出処進退に見る彼我の差ー | 加納有輝彦

安倍元首相とサッチャー元英首相 ー首相の出処進退に見る彼我の差ー

 

 

民主党菅総理の時代の日本 そう2011年当時のこと。

 

 杏林大学名誉教授・田久保忠衛氏は、2011.6.7産経正論「首相の出処進退に見る彼我の差」と題して、サッチャー元英首相の回顧録を引用した。

 

 9年の歳月を経て、いま、再び、菅総理となった日本。振り返ってみたい。こんどは「スガ」総理だが。

 

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(以下、正論の引用)

 ~サッチャー元英首相の回顧録は、フォークランド戦争開始という重い決断について、『われわれが1万3千キロもかなたの南大西洋で戦っていたのは、領土やフォークランドの住民たちもむろん大切だったが、それ以上に大切なことのためだった。

 

われわれは、国としての名誉、そして全世界にとっての基本的に重要な原則、すなわち何よりも国際法が力の行使に勝たなくてはならないという原則を守ろうとしていた』と記している。

 

 この気概を日本の政治家の何人が理解できるのか。

 

 回顧録の圧巻は、

彼女が周囲の人々に次第に裏切られ、党首選から撤退するときの懊悩と決断である。

 

すべての事情を頭に入れたうえで、簡単な辞任声明、次いで下院演説の草稿を書き上げ、女王に拝謁する。

 

 下院演説で「何世紀もの歴史と経験は、原則(正義)が守られなくてはならない時、善を擁護し悪に勝たなくてはならない時、必ずイギリスは武器を持って立ち上がることを示しています」とぶち、「喝采が耳を聾(ろう)する中で、私は着席した」と書いている。

 

指導者の出処進退の彼我の差は、いかばかりか。晩節は汚してはならぬ。~

(引用以上)

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これは、当時、権力の座にしがみついていた見苦しい菅総理に対して苦言を呈した文章である。

 

 今回の安倍首相の辞任劇。

 

 田久保忠衛氏は、おそらく9年前と同じく、サッチャー元首相の回顧録を引用し、彼我の差を大いに嘆いたでありましょう。

 

歴史にIFは許されないが、以下、仮定の話である。

 

 もし、安倍首相が、国際法を蹂躙して恬として恥じない中国に対峙して、わが国の憲法改正を敢然と試み、アジアの平和の守護神となるべく国防軍を創設し、トランプ大統領の如く、中国とのデカップリングを断行し、財界、マスコミ、親中派に次第に裏切られ、公明党からも見放され、総理の座から引きずりおろされ、志半ばにして、サッチャーの如く、辞任会見をしたとしよう。

 

 安倍首相は国会で辞任演説をする。

 

「神武開闢以来の歴史と経験は、正義が守られなくてはならない時、善を擁護し悪に勝たなくてはならない時、必ず日本人(もののふ)はかつてアジア同胞の植民地解放のために立ちあがったように、武器を持って立ち上がることを示しています」

 

 世界の悲劇に目をつむり「見ざる聞かざる言わざる」一国平和主義に毒された日本では、イギリス議会のように、喝采が安倍首相の耳を聾する事はないかもしれない。

 

 しかし、かつて大川隆法総裁を通じて吉田松陰霊は語った。

 

ー歴史に遺るのは、「凛とした精神」です。ー

それは、時として、正義のための戦いで発露される精神でもあろう。

 

 手練手管、権謀術数を弄して政権を長期にわたり維持した事実など、歴史の汚水として流されるのみ。

 

 もし、安倍首相が、サッチャーの如く正義のための戦いに敗れ、政権を追われたのであったなら、

・世界中からエール 身命を賭した安倍政権の光輝

・国民は安倍さんを待っている

・ありがとう安倍晋三総理

これらWILLや、HANADAの賛辞には、私は心から賛同したい。

 

 

ところが、どうだ。

憲法改正を諦め、北朝鮮の同胞の救出もできず、戦後レジームからの脱却どころか、選挙に勝つために、妥協に妥協を重ね、逆に日本が侵略戦争の主役だったのだと、自虐史観を完成させ(70年談話、日韓合意等)、戦後レジームを完成させ、一部保守層の純粋な願いを裏切った安倍首相の、一年後の復帰をも想定した権謀術数の延長としての辞任だったのだ。

 

 だから、安倍首相ありがとう!という多くの声は、

香港の若者たちのために、ウイグルで幽閉されている人々のために何もしなかった、悪に頬かむりをして、正義のための戦いに立ちあがらなかった我々日本人一般、一方で、中国マネーで、観光で、ギャンブル(賭博)で金儲けしようとした「町人」として我々の「罪悪感」を誤魔化し、正当化する潜在意識の表れと思う。

 

 安倍さん、本当にご苦労さまでした。

7年もあったけど、憲法改正できなかった事、しょうがないよね。野党もマスコミもやかましいし、公明党もいるし、何もできないよね。精一杯やったよね。しょうがないよね。ご苦労さんでした。

 安倍さんが出来なかったんだもん、私も何もできなかったよね。ね、み~んなしょうがないよね。

 

 我々仏子の良心の痛みを誤魔化すための麻薬作用としての安倍賛辞だったのだ。

 

 数々の神々、英霊の聲を大川総裁の金口から聞いてきた我々は、自分を誤魔化すことは許されないのである。

 

 だから、水島総氏の「安倍首相は、靖国神社の下座で(昇殿参拝は許されない)土下座せよ」という言は、共感できるのである。

 

 これを読んで、こいつら(私)は極右だな。正義なんて言うものをかざすから戦争になるんだ。こいつらに政治まかせたら、戦場に行かされるな、トンデモナイ奴らだって声が出る事は容易に想像できますが、神々、英霊の聲を聴いてきた者の責務として言わざるをえないのでございます。

 


これなら賛同します。笑


日本よ、自由を守るために戦いなさい。



 

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