小松未歩7~prime number~収録曲

「人は大昔海に棲んでたから」 ピアノカバー




2005年1月に発売された小松未歩のアルバムの中から、今回は「人は大昔海に棲んでたから」をカバーしてみました。

アルバムのスタートを飾るシングル曲「翼はなくても」でしっとりと聴かせたあとに、さらにしっとりとしたこの曲が2番手にやってきます。

インタビューによると、この曲は、恋愛における未練がましい気持ちを「大昔の名残りだから仕方ない」というスケールで正当化させた曲だとか。

「頭では分かっていても心が言うことをきかないなんてことが続くと、もしかして原因は私にあるのではなくて、何か避けられない力に支配されているからかもとたまに思うことがあって・・・。そしてその原因が大昔の名残なら「もうどうしようもないじゃない」と笑える気もしますしね。」

個人的には、この「頭では分っていても心が言うことがきかない」というところに、とても共感します。「そんなのは我が儘だ」と言われてしまうし、自分自身でもそう思っているのに、自制が効かない、ということってありますよね。みんなその自制をなんとか止めて生きているんだけど、その心の波が止められないこともあったり。私自身もそうですが、小松未歩も、そんなとめどない波を音楽に昇華しているのかもしれません。

この曲は、アルバム内では比較的好きな曲だったものの、特段大好きだったという曲でもなかったのですが、改めて聴いてみると、歌詞ももちろんのこと、曲調がかなり面白いことに気づいてからハマってしまいました。弾いてみたら意外とあっさりと弾けてしまったので、アップロードしてみた次第です。

メロディーに関しては、Bメロからサビに入るところの転調が印象的です。この転調が、「頭ではわかっていても心が言うことをきかない」という雰囲気を醸し出している気がします。2番サビ終わりからラストサビまでの間奏の間にも転調が入り、そしてラストサビではそれ以前のサビと同じ調に戻ります。この転調がトリッキーなのに自然と耳に流れ込んでくるのが心地よいんですよね。この最後の転調では、一区切りついて整理された気持ちが表現されている気がします。その「落ち着いた」気持ちは歌の終わりまで続きます。

「海を見てる 暮れなずむ海を ひとり佇み」

という言葉の静寂の中に、この曲は終息します。

カバーでは、原曲にかなり近い感じで聴いてみました。雰囲気はかなり忠実に再現しているつもりなのですが……。また、最初のサビの入りで、メロディーがぶれているのはご愛敬ということで。


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