ライバル

猫の足濡れて戻りぬすがれ虫

一匹だけ細い声が聞こえる。

しかし最盛期とちがうのは、人の気配を感じただけでぴたっと鳴りをひそめてしまうのだ。ただでさえ心細いようなかぼそい声で鳴くのだから、ぴたと止んでしまうと少しでも変化がないかといっそう耳をかたむけて聞こうという気になる。
やがてその場を少しはなれるとまた小さな声で鳴き始める。虫の鳴くのは雄だけだと聞くが、鳴き交わす相手もいなくてライバルもいないのだろうが、だいいち聞きとめてくれる雌がいるのかどうか、それさえも分からない。

“ライバル” への2件の返信

  1. 春先と違って猫も大人しい季節なのでしょうか?
    なんかちょっと哀れさを感じる秋です。

    地域では最近猫に餌を与えないで下さいとの張り紙や回覧板が回りました。

    1. 朝露がびっしょり降りる季節。
      みぃーちゃんが帰ってくると足もとが濡れているような。
      トイレは乾いたところがいいので、この季節はどこで用を足しているのか。雨が続くと、庇で雨がかからない小さな花壇を使うようです。どうりで、そこでは植物の生育がよくないわけだ。

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