こんばんは~!
こないだの土日はひたすら『流転の海』に潜っていました!
 
 
 
 
読みふけったのは第六部と第七部。
巻を増すごとに登場人物が増え、あっちこっちで人間ドラマが繰り広げられているのですが読者の頭がこんがらがらないように要所要所であらすじをまとめてくれていて、作者の筆力の凄さを噛みしめながら読みました…。
 
 
おかげさまで物語世界にどっぷりと浸ることができました。
 
 
第六部・第七部の舞台は大阪市内。
 
 
第五部で松坂一家の暮らしはどん底状態になりますが、中古車事業をいとなむ旧知の柳田元雄のつてでモータープールの管理人の職を得て、徐々に立ち直っていきます。
 
 
熊吾はモータープールの管理人の仕事をしながら、自身も中古車事業を立ち上げようと企みます。
 
 
自動車販売事業が勢いを増している時代であったことに加え、中学生になった伸仁の身体を丈夫にするために通わせている小谷医院の診察代が家計を圧迫していたため、熊吾は60代を過ぎてもなおバリバリと働き続けます。
 
 
戦後復興の動きが増し、大阪市内はかつての賑やかさを取り戻しつつあるなか、第六部では多くの人との「別れ」が描かれます。
 
 
愛媛から城崎へ移り小料理屋を営んでいた浦部ヨネ(「わうどうの伊佐男」との間に息子がいる)の死、蘭月ビルに住んでいた盲目の少女の死、伸仁の同級生との別れ、「松坂商会」の元社員で犬猿の仲であった海老原太一の自殺、伸仁が飼っていたペットの死……。
 
 
数々の別れの場面が描かれながら、熊吾は「自尊心よりも大切なものを持って生きにゃあいけん」という思いを強めるのです。
 
 
その思いを強くさせたのが、海老原太一の自殺です。
彼は熊吾への恨みが強いあまりに、弱みを握られてもなお下手に出られず、自殺という道を選んでしまいます。
 
 
熊吾は海老原との過去の出来事を思い巡らせながら、プライドが邪魔をして人生をよりよい方向に導けなかった海老原の弱さに思いを馳せるのです…。
 
 
第七部では、熊吾の中古車販売事業が軌道に乗り、モータープールの管理はもはや副業となり、拠点を移すため柳田に相談するまでに立ち直ります。
 
 
第七部では登場人物それぞれの成長が描かれ、伸仁は高校生となり、熊吾の背を抜かすほどに体格も大きくなります。
 
 
伸仁は柔道も習いはじめ、熊吾の癇癪を止められるまでに成長します。
本気で殴りかかろうと思い、予想以上の反撃にあった熊吾は病弱だった伸仁の成長に思わず涙してしまうのです…。
 
 
家族も事業もすくすくと成長を遂げ、平和な日常が描かれる……と思いきや、熊吾の前にふたたび厄介な人物が登場します。
 
 
それは第三部で登場した、元ダンサーの西条あけみ(本名・森井博美)。
熊吾は博美にいくつものうしろめたい思いがあり、久しぶりの再会で見た博美の幸薄そうな姿に、熊吾は博美に関わらずにはいられなくなります。
 
 
それから熊吾の歯車は少しずつ狂いはじめ、それが日常にもあらわれ出るようになっていきます……。
 
 
とはいえ熊吾も海千山千のビジネスマンで、博美と適度な距離を置き、事業を立て直そうと画策しますが、そこで思わぬ人の裏切りが発覚します。
 
 
なんとも「ドラマ」らしい展開で第七部は幕を閉じるのですが、スリリングな展開ながらも熊吾の冷静な観察眼には始終圧倒される一方で、いつのまにか読み終わっていました。
 
 
第七部はビジネスの描写が多く、いち社会人として「なるほど〜」と感心させられる場面が多々ありました。
 
 
時流を読む力はもちろんのこと、人間の感情の機微に長け、想像力も豊かで度胸もある。
 
 
そんな超一流の事業家の熊吾にも「弱み」がある……というのもたまらなく面白くて、人間は「弱み」があるからこそ人生になんとも言えない味わい深さが出るのかなぁ、としみじみ思いながら読みました。
 
 
『流転の海』シリーズも残すところあと二巻……
はぁ〜読みたいけど読みたくない!!
終わってほしくない!!
 
 
ですが第七部を読み終わって続きが気になりすぎるので引き続き読み尽くします!
 
 
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