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映画「アイリッシュマン」NETFLIX 2019年 210分

2019-12-06 15:39:39 | 映画

 70歳後半を迎える四人の男、監督のマーティン・スコセッシ、出演のロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシが3時間半に及ぶマフィア映画を作った。いまだに遺体が発見されていない全米トラック運転組合を牛耳っていたジミー・ホッファー殺害までを描く。

 アイルランド人のフランク・シーラン(ロバート・デ・ニーロ)は、「アイリッシュマン・シーラン」として知られていた。彼は、トラック運転手から幹部になるまで、マフィアのブファリーノ・ファミリー(ジョー・ペシ)の世話を受け、ジミー・ホッファー(アル・パチーノ)とも知己を得る。

 月日は流れて老体を老人ホームの談話室の車いすに身を委ねてポツリポツリと話し出すフランク。ラッセル・ブファリーノ夫妻の娘アンがデトロイトで結婚式を挙げることになり、ラッセルのちょっとした集金もあるため車で3日間の旅に出る。ラッセルと妻キャリー、フランクとその妻アイリーンが旅の道連れ。ここからお話が始まる。時々過去に遡って当時のあれこれが語られる。

 マフィアのことだから、恐喝や脅し殺人と何でもありの世界。フランクもキレイな身ではない。家族もあり4人の子供もいる。フランクの末娘マギーを可愛がるラッセルだが、話しかけられたりプレゼントを貰っても感情のない「ありがとう」と言うだけ。フランクの娘たちは、父親の仕事に何かを感づいているようなのだ。嫌悪感を抱くというのが当たっているかもしれない。

 ジミー・ホッファーの専制的支配は、マフィアの連中の感情を逆なでする結果になる。ファミリーを維持しホッファーを生かせるには、引退を説得するしかない。フランクとラッセルの説得を頑として拒否するホッファー。

 殺し屋を差し向ける卑怯な手段を選ばず、武士の情けというか、せめて友人の手によって成敗する。フランクの手によってホッファーの後頭部に銃弾が撃ち込まれた。遺体は二人の手下によって、使われていない古い火葬場で灰燼に帰した。(これが事実だとすれば、遺体は永遠に発見されない)

 フランクは老人ホームで呟く。「振り返ったら誰もいなくなった」ラッセルもわが妻も、しかも末娘のマギーは口もきいてくれないし顔を合わせてくれない。フランク「俺はどこで間違ったんだ」ドラマは寂寥感に包まれて終わる。

 さて、高齢者総出演で、老人ホームの場面ではしわくちゃな顔のロバート・デ・ニーロだが、若き時代(といっても中年期)にも顔を出している。かつては若い時代には若い俳優が演じた。このドラマでは若き時代もロバート・デ・ニーロが演じている。高度なメーキャップなんだろうと思っていた。ところがそうではない。

 インダストリアル・ライト&マジック(ILM社)が持つ特殊技術によって若返った。この技術は、1977年の「スター・ウォーズ」から今日まで連綿と続いているとウィキペディアにある。なお、本作を批評家は絶賛しているという。3時間半の長尺も退屈しなかった。


監督
マーティン・スコセッシ1942年11月ニューヨーク市クイーンズ、フラッシング生まれ。

キャスト
ロバート・デ・ニーロ1943年8月ニューヨーク市生まれ。

アル・パチーノ1940年4月ニューヨーク市サウスブロンクス生まれ。

ジョー・ペシ1943年2月ニュージャージー州ニューアーク生まれ。

 


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