頭痛 偏頭痛 群発性頭痛 薬剤乱用頭痛MOH


頭痛

1次性頭痛:片頭痛、筋緊張型頭痛、群発性頭痛・三叉/自律神経神経性頭痛(TACs)
2次性頭痛:脳血管障害、血管炎、RCVS、下垂体卒中、低髄圧、髄膜炎、薬剤性(MOH)
その他:緑内障、副鼻腔炎など

1次性頭痛の診断基準
・片頭痛

片頭痛の有病率は8.4
40代までに発症することが多い
嘔気、光過敏、音過敏、匂い過敏、体動による増悪などを伴う片側の頭痛
40%は両側性
痛みの持続時間は4時間から3日程度
30%に前兆を伴う
 
治療にはNSAIDsおよびトリプタン製剤を用いる
月に2回以上もしくは6日以上発作がある患者には予防も考慮
エビデンスのある片頭痛予防薬としては,カルシウム拮抗薬(lomerizineverapamil),β 遮断薬(propranololmetoprolol),抗てんかん薬(バルプロ酸,topiramate),抗うつ薬
amitriptyline),ARBcandesartan)などがある

まずはロメリジン(Ca拮抗薬:ミグシス)またはバルプロ酸(抗てんかん薬:デパケン)で開始する。妊娠では使用できないので、妊娠の希望があればプロプラノロール(β遮断薬:インデラル)で開始する。

・三叉神経/自律神経性頭痛(TACs)
一側性の頭痛に三叉神経症状(流涙、結膜充血、眼瞼下垂、縮瞳、鼻汁)を伴うもの
V1(眼神経)の枝である流腺神経の障害により流涙、結膜充血
自律神経症状として縮瞳や眼瞼下垂(ホルネル症候群)
→群発性頭痛や発作性片頭痛、持続性片頭痛など
発作の持続時間や間欠期によって分類される
群発性頭痛とそれ以外では、発作時に興奮状態にあるかどうか

_群発性頭痛
有病率は0.12%
全年齢で来たしうる。
片側の眼の奥の激しい痛み
15分から3時間程度の持続
約7割は夜間や明け方の決まった時間に起きる
数週間程度持続する

群発性頭痛の発作時にはsumatriptan自己注射キットが有効(イミグラン皮下中)
Sumatriptanの点鼻もある程度の効果がある
経口トリプタンは発作が60分以内では効果が乏しい
経口トリプタンの中ではrizatriptanが用いられることが多い(マクサルト)
群発期の予防療法としては,高用量のverapamilが国際的に標準的な治療薬として用いられている
ステロイドも有効であるが,有害事象もあるので短期間の使用に留める
2006European Federation of Neurological SocietyEFNS,欧州神経学会)のガイドライン12)では,プレドニゾロン60100mg115日間投与し,その後10 mg/日ずつ減量し中止するプロトコールが推奨

・トリプタン製剤
セロトニン1b/1dアゴニスト
発作寛解に用い予防では使わない
前兆期や予兆期に使用しても危険はないが効果もない
群発性頭痛では発作発生から激痛までの時間が短く、皮下注射が用いられる

2次性頭痛
MOH
エルゴタミン、トリプタン、オピオイドなどの鎮痛薬を継続的に使用している患者で生じる頭痛。アスピリン、イブプロフェン、アセトアミノフェンなどの複合鎮痛薬によっても生じる。

原因薬剤の中止と予防薬の導入で対処する
予防薬にはVPAやアミノトリプチン、プロプラノロール、ロメリジンなどがある。
予防薬の効果発言には1−2ヶ月要する。

カフェイン摂取、不眠、肥満、SASなどの要素があれば取り除く


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