本態性振戦


本態性振戦
1.     疫学
人口の2.5-10%
20代と60代の2峰性
遺伝性も示唆されている

2.     病因
詳細な病因は不明
小脳歯状核および上小脳脚の微細構造変化がMRIで報告
→病因として推察される

GABA-PETでは小脳、視床腹外側、前運動野でGABA機能減弱

3.     症状
姿勢時を中心とした4-12Hzの振戦
動作時にも認められる
多くは対称性であるが左右差がある例もある
他の部位に拡大する例もある
ストレスや疲労で増強する
50-90%でアルコールによる改善を得られるが、効果持続時間は1時間程度
効果消失後に振戦は増強する

4.     鑑別診断
パーキンソン病
薬剤性:抗精神病薬
甲状腺機能亢進症
高アドレナリン状態

5.     治療
薬物治療
[1st] propranolol(日本で保険適応なのはarotinolol), primidone
[2nd] BZP(clonazepam), gabapentin, topiramate

Arotinolol vs primidone
Arotinololの副作用は徐脈や頭痛、疲労、血圧低下、インポテンツなど
Primidoneの副作用は眠気やふらつき、一過性の認知機能低下など
Primidoneは短期的な副作用としての眠気が多い
しかし長期的な副作用は少なく、長期的にはprimidoneの方が良いかもしれない

ボトックス治療
手術療法


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