人事評価次第で給与が下がる実力主義のクリニックは要注意

残念なことに、満足な評価制度がなく、院長先生の感覚で評価が決まっているクリニックは多数あります。

今後このようなクリニックは人事考課を整備する必要があると思いますが、次に懸念されるのは給与が下がる人事制度の導入です。比較的新しいクリニックやコンサルタントが考えた評価制度を導入していると、人事考課と給与が連動し「評価が悪いと給与が下がる」という仕組みになっていくのですが、このような給与体系のクリニックには勤め続ける上で注意が必要です。

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評価が下がると給与が減る

コンサルタントなどクリニックの状況をよく知らなかったり、経営の本を数冊読んで自前で作った給与体系を導入したりしているクリニックに多いのが、「一定の条件を満たせば上がるが、満たせなくなると下がる」という給与体系です。

インセンティブ的な要素を含み、上がる金額もそれほど多くない(医療事務だと数千円~2万円程度)であることが特徴で、条件を満たさないともらえない手当がたくさんあることもあります。

これらの給与体系は実力がある医療事務程給与が高い傾向を表すものの、中にはよほどの実力者でないと高い給与水準を維持するのが難しく、給与額が上がったり下がったりする状況は精神的にも好ましくありません。

「実力が付けば給与も上がる」点を必要以上に推しているクリニックは特に注意が必要ですし、私としてはこのようなクリニックへの転職は避けた方が無難だと思います。

 

「結果を出しその分給与をあげたい」と考える野心あふれる方もいらっしゃると思いますが、それでも給与の手取りが下がった時のモチベーションの維持は難しく、クリニックとしても良い結果を生まないことが多いです。

実力主義の給与体系が採用されているクリニックをオススメしない理由を挙げておきます。

モチベーションが低下する

給与は一度もらうとその金額が「基準」となり、条件を満たさなくなった手当がもらえなくなると多くの方は「給与が下がった」という点にフォーカスします。

変動制の給与体系は、本人の実力ではなくクリニックの売上と連動していることもありますが、去年と比べて売上が下がっていたとしても、体感上仕事の負担は減っていないことが多いので、結果としてモチベーションの低下を招いてしまいます。

クリニックを運営する側からみると「次は給与が上がるように頑張ろう」前向きに考えることができるスタッフばかりだと理想なのかもしれませんが、給与が下がってモチベーションを上げるのは難易度が高いと思います。

上がり幅が少ない

医療事務のレベルが上がり手当の「条件」を満たしたとしても、給与の上がり幅が少ないこともオススメしない理由です。

「実力を上げれば給与も上がる」というからにはせめて10%くらいは給与が上がってほしいものですが、このような体系の多くが数千円で刻まれます。何段か上がれば入社時と比べて給与が10%増えることも考えられるのですが、そこまで行くのに何年かかるか考えてみる必要はありそうです。

もちろん医療事務の収入からしてそんな大きな上がり幅があるわけないのですが、金額の差が小さいと、給与が上がっても大きなモチベーションにはならないのに、下がると大きくモチベーションが低下します。

評価が下がる給与体系なら転職すべきか

私のように数多くのクリニックの現状をご存じであれば相場も判断しやすいと思いますが、医療事務からみると自分の給与が実労に対して適切かという点は判断しにくいと思いますし、給与が実労に見合わないと思っても、転職することでもっと悪い環境に置かれる可能性もありえます。

上がったり下がったりする給与体系は思わしくありませんが、それだけの理由で転職を決意するのは時期尚早でしょう。

院長先生がスタッフをどう思っているのかから考える

転職を決意する前に必ず行ってほしいのは、院長先生の行動を注意深く見てみることです。院長先生の行動を見れば、自院のスタッフをどう見ているかがわかるからです。

クリニックの院長先生の中には、スタッフをまるで使用人のように扱っているケースもあるので、そういった労働環境の中で働いているのであれば、給与体系も合わせて転職の理由とするのが良いと思います。

かなり少数派ではありますが、逆に、給与体系に下がる要素は多々あるものの、院内の雰囲気が良くパフォーマンスが良くない社員を引き上げるような雰囲気のクリニックもあります。このような「スタッフを育てる」点を重視しているクリニックであれば、多少の給与の変化でモチベーションが引っ張られることはないでしょう。

給与は高いがスタッフ使いは荒い

相場と比べて圧倒的に給与が高い、しかし院長先生のスタッフの使い方はかなり荒い。というケースもあります。人を選ぶ環境ではありますが、多少の上昇・下降があっても相場より高いという点にアドバンテージがあり、より給与を重視する方は環境面で劣っていても人は残ったります。

圧倒的とは言わないまでも、他院ではそう簡単には追いつけない程度の金額を支給しているのであれば、多くの場合は実力主義が採用されているので、給与が下がるリスクがある給与体系もやむを得ないのではないかと思います。

環境は良いにこしたことはありませんが、給与重視型の医療事務にとってはこのような環境も悪くはないと思うので、給与体系と環境面を天秤にかけながら、転職するかどうかを考えてみたらよいと思います。

このような環境は働くない環境を重視する方には合いませんので、ご自身にその環境があっているかで選択してください。

 

まとめ

給与形態を考える院長先生程インセンティブ制を参考にし「仕事ができるスタッフにだけ給与を支払う」という形態を作りがちです。

短期的には実力と給与額が連動しますが、長い目で見たときには波のある給与体系のクリニックで働くことは、多くの方にはあまりお勧めできません。

院長先生のお考えに賛同できるのであればそちらを重視していただきたいですが、基本的に給与が安定的に上がっていく方式の給与体系を取り入れているクリニックの方が、安心して働けるのではないかと思います。

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