皆さんは「未病」(みびょう)という言葉を知っていますか?
テレビを見ている人なら、CMで耳にしたことくらいはあるかもしれません。
そう、養命酒のCMです。

心身の好不調について、一般的には「健康」か「不健康(病気)」に大別されるイメージかと思います。
「病気じゃなければ健康」といった具合に。

しかし、本当に「健康」と「病気」の間に「境」はあるんでしょうか?
どこから「病気」か考えたことありますか?

おそらく、
・健康診断で●●の数値が標準より高かった(低かった)
・CTスキャンで●●が発見された
など、何かしら数値や形として表現された時に「病気」という認識になるのでは。

しかし、急に病気になるものでしょうか?
つい、昨日まで全く何もなく、急に糖尿病になったり、ガンになったりするもんでしょうか?
違いますよね。
徐々にそういう状態になっていってますよね。

その、まだ数値や形としてはっきりしていないけど、進行している状態だったり、
グレーな状態が「未病」です。

そもそも東洋医学の考えで、
手足の冷えだったり、疲れやすい、寝つきが悪い、胃腸の調子が悪い等も未病です。

手足の冷えや溜まった疲れ等は、直接的に死につながることは少ないです。
そのため西洋医学的には病気ではありません。
しかし、こうした状態が続けば、当然、身体には良くないであろうことは想像に難くないと思います。

この未病の段階で手を打とう!というのが心身の健康を考える上でとても重要です。
どうしても日々の生活の中で健康管理は後回しになりがちです。
そして、数値的だったり、形状的だったり、症状として現れた時に初めて慌てるのです。

多くの人は、熱が出だから風邪かな?と慌てて風邪薬を飲んだり、病院に行きます。
しかし、その前段階として、
「身体がだるいな」とか
「いつもより鼻水が出るな」や
「最近寝不足だったな」等、前兆があったはずなんです。
しかし、それを前兆として捉えず放置した結果、風邪症状が出ます。
つまり、未病が進行しそのままにしておくと、「なるべくして病気になっている」のです。

私のところに健康相談に来る方も、多くが「病気」の状態、
もしくは病気の一歩手前で、数値には出ていないけど自覚症状がはっきりしている方です。

当然ですが、未病の状態の方が、病気の状態の人より改善は早いものです。
健康は一朝一夕では成らないものなのです。

日本社会全体で、「健康問題」が言われるようになりました。
医療費の増加だったり、医療技術が発達していると言われているにも関わらず増える患者数。

既に健康に意識が向いている方は「予防医学」という方に目が向いています。
その一方で、やはり実際に健康を損なってからでしか意識がいかない人が大半。
そんな中、神奈川県では県を挙げてME-BYOサミット神奈川実行委員会なるものを立ち上げ、
未病を知り、その時点でケアしようという取り組みを始めました。
https://www.me-byo-summit.jp/
大変良い取り組みだと思います。

政府も「人生100年構想」を打ち出しています。
そのためには、そもそも健康でいることが大前提です。
寝たきりで100歳を迎える人が増えても全く意味がありません。

未病や予防医学という言葉をまず広く知ってもらい、
日常の会話で当たり前に出てくるような社会であってほしいと思います。

そしてその先の課題としてはもちろん、
「どうしたら未病の状態で抑え、健康になれるか?」という点です。

その方法論はいろいろあります。
サプリメント等の西洋医学的なアプローチ、東洋医学的なアプローチ、スピリチュアル的な・・・
どの方法を選ぶかは個人の自由ですし、価値観、人生観です。
しかし、副作用もなく、安全に、手軽に出来る方法が大事です。

未病という言葉、考えがもっと広まることを期待するとともに、
健康法を普及する立場としても、もっとそうした考えを広めていきます。