MRIが教えてくれたこと | 言葉と音で綴る 素敵LIFEダイアリー from 神戸

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言葉や音に思いをのせて。
心を、毎日を豊かに。

これまでピアノから学んできたことや、日々の気づきなどを綴っています。

先週、MRI検査を受けました。


何も自覚症状はないのですが、
ある検査でここ数ヶ月連続して
引っかかっていて、
一度、画像を撮ってみようと
いうことになりました。


事前にネットなどで
検査についてあれこれ調べることなく、


当日、
ひとり、主治医からの紹介状を手に
病院へ向かいました。


MRIは、レントゲンのように
放射線は使わず、
機械に内蔵された磁石により、
強力な磁場をつくり出し、
体内にある水素を利用して
画像を撮るのだそうで、


放射線による被ばくをすることが
ないので、
人体には安全なようで、


人様によっては検査が終わる頃には
眠っている方もおられるそうですが、
わたしには辛い検査でした。


まず、主治医からの紹介状をもとに
放射線科の先生から
検査に関する説明を受け、


検査中、より鮮明な画像を撮るために
造影剤を使用した方が良いと判断された場合、
造影剤の使用をしても良いという
署名をし、
その後、検査着に着替えました。


MRIに金属はご法度なので、
身につけている金属類はすべて外します。
歯の銀歯はOKでした。


着替えが済むと
胃腸の動きを止めるための筋肉注射。
喉が乾いたり、目が霞んだりするので、
検査後1時間は車の運転は
控えてくださいとのことでした。


この筋肉注射のひとさしが、
強烈でした。
まさに、ブスッと刺された感じ。
針が抜かれたあとも痛かったー


注射には強い方という自負は
あったものの、
この筋肉注射には一撃でやられました。


この痛みと、
筋肉注射による口の渇き、
初めての体験であること、
自分の体内に良からぬものがあったら、
という大きな不安。


心臓の鼓動が激しさを
増していっていました。


それからいよいよ検査へ。


技師さんに促されて
検査台の上に仰向けで横になり、
撮影箇所を固定して、
いよいよ筒の中へ。


筒の中に入った瞬間、
強力な磁力の影響からか、
頭がクラクラしだしました。
心なしか、ちょっと気持ち悪いかも?


ああ、どうしよう。
なんで、
こんなことになってしまったのか・・


気持ちはどんどん後ろ向きに
なっていくばかり。


そんな中、検査がスタート。
耳には洋楽系の音楽が流れる
ヘッドホン。
手には何かあったときのための
緊急ブザー。


ドュクン、ドュクンという
心臓の鼓動のような大きな音が
絶え間なくしていましたが、
あの音は、機械の稼働音でしょうか。


その音だけのときは
まだ耐えられるけれど、
なんとなく、音の速さが、不快。


さらに、ある一定の間隔で、
ミ音が、耳のすぐそばや後頭部で、
ミミミミミミと、連続して鳴るときは
ヘッドホンの音楽が
全く聞こえなくなるほどの大音量。


きっと、あのミ音が鳴っているときに
画像が撮影されていたのかも
知れないけれど、


こんな大音量がこんな耳元で
こんなに鳴るなんて!


元々、敏感体質で、
音にも敏感なわたしには不快そのもの。
併せて、磁力による不快。


自分の体のための検査とはいえ、
この状況は、わたしにとっては不快。
体が嫌がることを思い知りました。


ああ、早く終わって欲しい。
やっぱりひとりで来るんじゃなかった。
帰りはお願いして、
誰かに迎えに来てもらおうか・・・


20分と聞いてはいたけれど、
凄まじく長く感じる20分。
今でどれくらい
時間は経過したのだろうか。


そんなことばかり考えていました。


それからしばらくして、
なんとか耐えていた頃、
技師さんと看護師さんが
検査室内に入って来られました。


ドクターより造影剤を入れての撮影を
した方がよいとのことで、
あとプラス10分とのこと。


きっといつものわたしなら
「わかりました、お願いします」と、
スッと言っていたのだろうけど、
そんなスマートな対応ができる余裕は
もはや全くなく、


了承の署名をしていたにも関わらず、
口をついて出てきた言葉は
「えー、いやだぁ、いやです、いや!」


まるで、子どものよう。
追い詰められると本性が出るのだろうが、 
これが本来の、
わたしの本質かも知れない。


結局、造影剤を使うことになり、
寝たまま注射。
造影剤を入れているときに、
看護師さんに次々と質問。


頭がクラクラしてるんですけど、
これはどうしてですか?


磁場の影響かも。
筒から出たり入ったりして
磁力がかかっているところと
そうでないところの差によるものかな。


なんか、心臓が
かなりドキドキしてるんですけど、
これはどうして?


筋肉注射にも、造影剤にも
そうなる作用はないのでー


緊張してるから?
いやだってことですかね?
早く終わって欲しいっていうこと?
早く終わってー


分かった、あと10分、
いや、10分もかからないようにするからね、
連続して2回撮るからね
あともうちょっとがんばって。


と、技師さん、
その後がんばってくださいました。


ヘッドホンを通して
技師さんの声が聞こえる。


人の声を聞くとホッする。
人は臨終の間際まで耳は聞こえてると
言われているけれど、
こういうことなのかも。


最後の10分弱も乗り越え、検査終了。


技師さん、わたしを見て「大丈夫?」
フラフラしながら服を着替えに
ロッカーに戻り、鏡を見ると、
目が赤く、半泣き。


会計と持ち帰り用の画像データ待ちを
している間に、
少しずつ、体が落ち着いてきた。
でも、病院からは早く出たかった。


すべてが終わって病院から出ると、


凄まじい猛烈な日差しが
体中に注いできて、
一気に暑くなりました。


でも、それによって、
生きてるという感覚を
まるで取り戻したかのようでした。


しばらく、病院近くにある公園や
ショッピングモールを
あてもなく彷徨っていました。


本当に、
 

何の刺激もなかろうが、
何の変化もなかろうが、
生きてるだけでいい。


いや、


平凡でも、
なんともなく健康で過ごせるだけで、
健康でいられるということそのものが、
生きていくうえでの最大の幸せなのだ。


健康のありがたさ、
何にも縛られない自由のありがたさ、


それをふまえて、
そういう状況であれば、
いくらでも、自分の意志によって、
人生を発展させていける
チャンスがあること、


そのためにも、
体だけは大切にしないといけない。


MRI検査を受けて、
死生観まで変わった気がします。


再度、大切なことを確認し直すために
このような機会を得たのかも知れないと
感じています。