「決まり字」とは上の句と下の句の組み合わせが決定する文字です。
「◯◯と聞こえたら、XXの札を取る」というように。
全部を風流に覚えている必要はないのです。
(いずれ覚えますが)
例えば・・・
「ふくからに あきのくさきの しをるれば
むべやまかぜを あらしといふらむ」
上の句が「ふ」で始まるのは100首中この1首だけなので、「ふ」を聞いただけでこの歌だとわかります。
そして「ふ」という一文字で決まるので「一字決まり」といいます。
では下の句が「む」で始まるのはこの一首でしょうか?
いえ、「む」で始まる下の句はもうひとつあります。
「あひみての のちのこころに くらぶれば
むかしはものを おもはざりけり」
つまり「む」で始まる取り札には
「むべやまかぜを・・・」と
「むかしはものを・・・」の2つがあります。
だから、上の句の「ふ」が聞こえたら、下の句「む」だけで判断せずに
下の句「むべ」を取ればいいのです。
ちなみに実際は、「ふ」を聞いてから「むべ」を探すのでは遅いです。
「むべ」の場所を確認しておき、「この『むべ』の札は「ふ」と聞こえたら取る」というようにスタンバイしています。
(百人一首初心者の私のやり方です)
このように、上の句と下の句の組み合わせが決定する文字を覚えていきます。
これが決まり字です。