パン熱再来 | 子宮筋腫をとったらば

子宮筋腫をとったらば

2015年12月に開腹で子宮の全摘をした、45歳・既婚・子ナシの備忘録。

夫のお弁当に小さなジャムパンをつけていました。

市販のプチパンっぽいものに自家製ジャムを挟んだだけのもの。

帰りが遅くなる時の小腹を満たす用で、

「片手で食べられて(お行儀が悪いけれど)」

「夜までもつもの」の条件に合い、

且つお弁当作成時の私が作るのが楽なもの。

一応ジャムは数種類用意してローテーションしていたのですが。

「……なんか……飽きてきちゃった」

あら、それは失礼いたしました。

じゃあ代わりになににしようかな?

市販の甘いパンは糖分多すぎだし、それこそ飽きるし。

……久しぶりに自分で焼こうかな?

 

20代のころ、立派なオーブンのあるおうちを借りていた時に、

パンを焼くのにはまっていたことがあります。

食パンからおやつ系まで、ひねってピザや肉まんも。

つまり発酵が楽しかったのですね。

ピザや肉まんは出来栄えがイマイチであまり続かず、

その分パンを焼くのに夢中になりました。

 

自家製パンの醍醐味のひとつはなんといっても焼きたて。

いろいろなパンを試してみて、

「出来たてのカレーパンってすごく美味しそう……」と思い立ち。

カレーパン用にチューンしたキーマカレーを仕込んで、

揚げたてにナイフとフォークでハイテンションで挑んだのに

想像していた美味しさとは違ってすさまじくがっかりしたりも。

いや、なじんで出る美味しさがあることもわかるのですが、

揚げたてのカレーパンには期待するじゃないですか。

私の作り方がいけなかったの……?(←まあまあなトラウマ)

そんな楽しいパンライフだったのですが、

引っ越してオーブンのない環境に戻って熱は冷めました。

 

よくよく考えてみれば今の我が家にはガツンとガスオーブンがある。

どうして今までパンに触手が伸びなかったのか不思議。

久しぶりにちゃんとしたオーブンのある暮らしに戻れて嬉しくて、

というか物件を選ぶ時の決め手がまさにこれでした。

肉も魚も野菜も喜々としてオーブンに放り込んでいて、

オーブン自体は大活躍していたのに。

でもちょっと前から(甘くない)スコーンを焼いたり、

私にしては珍しくキャロットケーキやクラフティを作ったりしていて、

確かに前兆はあったのです。

今更ですけれどパンをこねる元気が出てきたということなのかな?

それはそれで嬉しいことです。

 

20年以上前に参考にしたパンの本を引っ張り出してきたら。

うわー懐かしい、いろいろ思い出すなー。

「そんなに張る意味ある?」というくらい付箋が張ってあって、

我ながらバカバカしくも微笑ましい。

「国産小麦が注目されつつある。

はるゆたかなどタンパク質含有量が輸入小麦に並ぶものもある」

なんて記述もあって時代ですね、20年前ってそんなだったかな。

それでも、うんと時間がたっていてもちゃんと実用に耐えるのだから、

これはなかなかスゴイことのような気も。

料理も流行りがありますし。

基本がちゃんと抑えてあってそれなりの応用まで。

やっぱり好き好き、柴田書店。

 

作る私のほうは最初のうちはすっかりまごついたものの、

回を重ねるうちに身体がいろいろ思い出してきたようです。

でも今のオーブンで各々のパンに合わせた火力の調節に手間取って、

最初のうちは「岩?」と思うようなパンが生まれてしまったりも。

この年齢になると料理の大失敗というのはそれなりに減るので、

流石に食べられないものができた時には凹みました。

落ち込んでいたら夫が、

「味は悪くないんだからフレンチトーストにすればいいかもよ?」と

翌日のお昼にカフェのようなワンプレートランチを作ってくれました。

災い転じてナントカ、作ってもらう食事って美味しい。

 

それにしても粉を触るのはどうしてこんなに楽しいのか。

生地をたたきつけるときにどうしてもどすのきいた音が出て、

集合住宅の我が家ではちょっと心配でもあるのですが。

……昼間だから、ちょっとだけだしいいよね?

このこねこね作業が好きで楽しいので

今のところホームベーカリーを導入する気にはなれなくて。

ああ楽しい、やっぱり大好き炭水化物。

ローカーボなんて私には絶対に無理、グルテン万歳。

 

「自分で焼いた!」というオプションがつくと、

美味しさが妙に下駄をはくもので。

お店で買う菓子パン系はあまり好きではないけれど、

自分で調整しながら好みの味にできるのがお気に入り。

甘さ控えめスパイスガッツリのシナモンロールや、

甘いというよりビターなチョコパンなどなど。

無事に夫のおやつパンにバリエーションが増えてめでたし。

 

食事用にも硬いの、柔らかいの、酸っぱいの。

パンのお供のおかずを作るのがぐんと楽しくなりました。

美味しいハムとソーセージが手に入った時に、

うんと粗目のライ麦を利かせたパンを合わせたり。

鮎のコンフィを作った時に、

食べるタイミングに合わせて焼きたてのホカホカを並べたり。

とても贅沢!すごく幸せ!

 

一度焼きだすと不思議なものですっかりパンを買わなくなりました。

代わりに様々な粉のストックがえらいことに。

まあでも安い道楽だと思えばいいのかも。

そろそろ自家製酵母に手を出すか、

それとも飽きてこのブームは収束するのか。

どっちかなー?と思いながら、今日もこねています。

 


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