おうちでニョッコフリット | 子宮筋腫をとったらば

子宮筋腫をとったらば

2015年12月に開腹で子宮の全摘をした、45歳・既婚・子ナシの備忘録。

何度かカジュアルなイタリアンで食べたことのあるニョッコフリット。

小さな菱形の生パスタを素揚げしてプロシュートと食べるもの。

嫌いな人類はいるだろうかと思うような素朴な美味しさです。

これが大好きでメニューにあると必ず注文していました。

 

ある日よく行くお店でオシャレ前菜として一切れだけ登場して、

「もっと食べたい!」と食い意地全開で思ったのがことのはじまり。

食後にお話ししにテーブルまで来てくださるシェフに教えてもらって、

思うさま食べる気満々で自作に挑戦することにしました。

プロシュートと比較のためにハモンセラーノ、ブルーチーズも少し用意。

夫は相性抜群と言われるランブルスコを激安スーパーで見つけて、

小躍りしてがっつり2本購入。

あなたしか飲まないのに……どれだけ飲む気なの……。

 

作る前にひょいとネットでレシピ検索してみたら、

まあ出るわ出るわ材料と調理方法のバリエーションが。

お雑煮の作り方に各地方や家庭で違いがあるように、

様々なバージョンがあるのですね、悩むー。

シェフから教わったイーストで発酵させるのは採用するとして。

強力粉?薄力粉?中力粉?

オイル入れる?入れない?

入れるならラード?でもうちにはないからオリーブオイルでいいや。

水分は水?牛乳?白ワインの参加もありなの?

卵入れる人もいるな、どうしよう?

 

悩みに悩んでイタリアローカルのお方が紹介していたレシピに

シェフから教わった方法をプラスして採用。

結果、上手に膨らんで美味しくいただきました。

山盛りのニョッコフリットと山盛りのサラダに蕗の薹のバーニャカウダ。粋でない食事だけれど、大好物を好きなだけ食べる幸せよ。

いい年した夫婦が「無限ニョッコ!」と口走りながらご機嫌で囲む食卓。

ちょっとおバカさんぽいけれど、今は嬉しいと思うことがある方がいい。

 

あれよあれよという間に世間の状況と空気がころころ変わって、

少し前とは全く違った生活になっています。

私の記憶は頼りなくて現状を日毎に記録しようかとも思いましたが、

それは客観的で冷静な視点を持った方がネット上でもなさっているのを

たくさん目にするのでそちらにお任せして。

今まで通りの月に一度、凡人の備忘録を続けるつもりです。

 

私個人はとてもありがたくも申し訳なくも変化が少ない方です。

そもそもそんなに出好きでないので、

日常の買い物を週に1度に絞るくらい。

お仕事はちょっと不透明。

去年トラブルから自宅で作業できる環境を整えておいたので、

発生すれば対応できるのが幸いでした。

夫は自宅での仕事が増えて、一緒にいる時間が長いのは嬉しい。

 

まだ外出にこんなに厳しくなかった頃、

ちょっと目の調子が悪くなって眼科へ行きました。

見ていただいた結果は何事もなく、

病院を出てふらっと足の向く方へ従うと満開の桜が目の前に。

いつもよりも人出は減っていて閑散とした街に、

当たり前ですけれどそれでも花は咲き誇るのですね。

ついそのまま静かな道を選んで歩いていたら、

ニョッコフリットを伝授してくれたシェフのお店がガラガラ。

普段はスゴイ人気店なのにもうこんなに影響があるのかと驚いて、

思わず店に飛び込んでひとり贅沢ランチをしてしまいました。

いつもなら平日ですら観光客で賑わうエリアも人はまばら。

食材を買いに行った繁華街では半分ほどのお店が閉まっていて。

謂れのない脅迫状を受け取ったお店もあるとのことで、

考えただけでも胸が締め付けられるような光景でした。

 

海外の友人たちは大抵日本よりも厳しい規制の中で暮らしていて、

本当に息苦しそうです。

人気のない知っている景色を見て呆然とするばかり。

「治まったらあれしよう、これしよう」と合言葉のように唱えていて、

でもこれができるのはネットのおかげでありがたいですね。

なんとなくお手紙もNGのような雰囲気も出てきているので。

 

誰も悪くないのに人も経済も蝕まれて

ぎすぎすしてしまうのも仕方がないと思えるこの状況が、

1日でも早く治まりますようにと願うばかりです。

そしてその日までなるべく気持ちを落ち着けて、

私にできることは自宅での生活をささやかでも楽しく穏やかに。

そしてライフラインを支えてくださるあらゆる職種のすべての方たちへご迷惑をかけない行動を心がけて感謝を忘れずに。

取らなければいけない生活パターンはきっと本当に人それぞれ。

みなさまもどうぞお大事に。

 

 


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