株式会社鎌倉鑑定ブログ

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相続対策・不動産鑑定・不動産調査ならおまかせください。
社内の不動産鑑定士・税理士・土地家屋調査士・行政書士・宅地建物取引士がご相談に乗らせていただきます。

Q.
「文化財保護法に規定する周知の埋蔵文化財包蔵地に該当する
土地を相続により取得しました。対象の土地は現在駐車場とし
て利用されていますが、周辺地域には2階建の一般住宅が建ち
並んでいます。また相続開始前の試掘調査により埋蔵文化財の
存在が確認されています。相続人は利用価値が著しく低下して
いる宅地に該当するとして、路線価等を基にして算出した価額
から10%相当額を控除して評価し申告しました。」
 この申告は認められるでしょうか。          
         【国税不服審判所裁決事例】を基に作成

A.
審判所は、「青空駐車場として利用されていたが、付近の状況
から本件土地の一般的用途は2階建程度の住宅の敷地と解する
のが相当であり、本件土地をこの用途に利用しようとすれば、
埋蔵文化財の発掘調査を要することは確実であると認められる
ことから、その客観的価値に影響を及ぼすべき固有の事情が存
するというべきである。そうすると、本件土地の評価に当たっ
ては、路線価等を基にして計算した価額から発掘調査費用相当
額の80%相当額を控除して計算することが相当である」
と裁示しています(H13.3.15裁決)。
 この裁決からは、「(1) 周知の埋蔵文化財包蔵地としての減
価が認められるためには、周辺の利用状況を前提とした最有効
使用の把握及び具体的な試掘結果が必要であり、 (2)評価額算
出の際、路線価等を基にして計算した価額から控除が認められ
るのは10%相当額ではなく, 発掘調査費用相当額の80%相当額
である」 ことが分かります。従って, 相続人は発掘調査費用相
当額を根拠資料を基にして算出する必要があると言えます。
                        [林] 記

相続税に係る国税不服審判所の裁決を基に、Q.A.形式で事例を紹介させていただきます。
Q.
「Gは被相続人Hが中古車販売業を営むJ社に賃貸していた
土地約684㎡を相続しました(H12)。当該土地の一部には
鉄骨造亜鉛メッキ鋼板葺平屋建(S47.2築,床面積約75㎡,登記済)の事務所とサービス工場(約30㎡,未登記)が建っていますが、大半は舗装済ながら屋根のない中古車展示スペースです。土地賃貸借契約の概要は下記のとおりですが、契約は数回更新されています。Gは,Hが当初の契約から建物の建築を承諾していたこと及び事務所用建物は堅固建物で登記されていることから借地法の適用があるので、貸宅地として借地権を控除して評価すべきで、原処分庁の更正処分等に対し処分の一部取消しを請求しました。この請求は認められるでしょうか。」

A.
審判所は, 「本件建物等の所有はJ社の事業遂行上は付随的な従たる目的と認められ、賃貸面積に占める割合もご
く一部に過ぎない。また建物等の収去は容易で費用がかかるとしてもJ社が負担することになっていて買主の負担は全くなく、堅固建物に相応する程地代が高額でもない。
契約上も権利金等の取決めがない上, 明け渡し時には立退料を請求しないとJ社が答述している。これらから本件建物は堅固建築物とは言えない。以上から本件土地賃貸借は建物等の所有を目的とするものではなく、たとえ建物保存登記がされた場合であっても借地法の適用はない」と判定し、更正処分を適法としています(H17.5.17裁決)。

重要なのは土地賃貸借契約の目的の解釈部分と考えられます。裁決では「借地法にいう『建物の所有を目的とする』とは賃借人の土地使用の主たる目的が、その地上に建物を
築造しこれを所有する場合を指す。借地人がその地上に建物を築造し所有する場合であっても、それが従たる目的にすぎないときはこれに該当しない」、と述べています。
                     [林 記]




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今回のご相談者はAさん。
 
有名な投資家さんからのご紹介です。
 
三重県のご実家の相続対策と、ご自身の不動産投資のご相談をされたいとのこと。
 
予定の5分前にZOOMのアドレスをメールで送信。
 
3分後に繋がりました。
 
Aさん、どうやらタクシーの中のようです。
 
ご用意していただいた資料を画面に映してもらいます。
 
・・・揺れる車内では読み取ることができません。
 
それでも、数値を口頭で教えていただき、予めある程度入力していたエクセルに入力。
 
そのエクセルを画面共有しようとすると、何だか画面が真っ暗に。
 
それに、Macbookpro2016君の動きがギクシャクしてきました。
 
やばっと思い、Mac君の底を触るとひどく熱くなっています。
 
最近は調子良かったので、油断していました。
 
微妙に話をつなげながら(多分つながっていない)、要らないソフトを停止したりしますが、改善しません。
 
再起動しなきゃだなあ、、、
 
と、その時、Aさんから
 
「今、到着したので、5分後に繋ぎ直していただいても大丈夫ですか?」
 
逆にありがとうございます!
 
Mac君、再起動!
 
ノートPCを冷やすクーラーも設置!
 
・・・・・
 
え〜ZOOM自体が起動しないぃぃ!
 
もう、5分経っちゃう!
 
と、その刹那、携帯電話が鳴りました。
 
「あと少しで接続できるので、もう少しお時間ください」
 
逆にありがとうございます!(3分ぶり2回目)
 
Mac君は諦めて、cad用PCのAlienware君に切り替えることにしました。
 
お、映った。
 
ちょっとPC切り替えました〜と、さらっと再開です。
 
なんか、映っている室内がオシャレ。
 
わざわざZoom用にホテルの部屋をとっていただいたようです。
 
ありがとうございます。
 
改めて、資料を画面に提示していただきます。
 
やはり、読めません、、、
 
読めなかったのは、揺れる車内のせいではなく、老眼のせいだったようです、、、
 
結局Aさんに読み上げていただき、改めて数字を確認していくと、残債が事前に想定した金額よりも大幅に減っています。
 
登記簿から予想した残債に比べて、実際の残債は3分の1!?
 
新築で重量鉄骨のマンションを建築した場合、短くても30年のローンを組むのが普通ですが、ずっと短いローン期間で組んでいるということです。
 
これは、返済きつい!
 
殆どキャッシュフローはでないはずです。
 
自分たちの収入を得ることよりも、無借金のマンションを一人娘のAさんに遺してあげたい、という親心かも知れません。
 
短期間でローンを組むというのは、相続税対策としてはお勧めしませんが、心情は分かります。
 
「ちょっと泣きそう、、、」
 
とAさん。
 
もう数年で借金は返し切るので、相続税はしっかり発生します。
 
ただ、それに見合う生命保険にもしっかり加入されているので、相続税の納税に困ることは無さそうです。
 
トータルでは上手な相続対策。
  
相続税対策をやらないといけない状態では無いですよ、とお伝えします。
 
さらに相続税圧縮などをご希望されるかどうかは、Aさん次第です。
 
「実は、私の夫が事故に遭ってしまって、働くのがつらい状態なんです。できれば、夫が働かなくても良い状態にしておいてあげたい。不動産投資もやってみたいです」
 
Aさんご自身も大企業の正社員として働いていらっしゃいますが、やはり別の安定した収入も欲しい、というのは良く分かります。
 
まぁ、将来は無借金のマンション2棟を相続できるので、いずれ収入は入ってくるのですが、ただ、それを待っているのも健全ではありません。
 
不動産投資をやる方向で考えましょう。
 
Aさんの場合、無借金になったマンションを共同担保に使えば、地主としてとても有利な条件でローンを受けることができます。
 
Aさんご自身のサラリーマンとしての属性で融資を受けるよりも、金利も格段に低くなります。
 
お父様名義で収益物件を購入すれば、相続税を減らし、キャッシュフローを増やすことができます。
 
実は、親に相続税がかかる状況というのは、投資物件購入には良いことばかり。
 
不動産投資をやりたい方にとっては、美味しい状況なのです。
 
お父様ご自身が前向きならば、すぐに実行できますよ。
 
「それって、築古戸建でやることもできますか?実は、私の子供に少し障害があるので、小規模な障害者用の施設を地域ごとにたくさん作ることが夢なんです。」
 
なるほど、、、
 
志のある投資って、素敵です。
 
ただ、築古戸建投資となると、相続税対策としては成り立ちにくいです。
 
築古戸建投資の場合、路線価以下の金額で購入することが多いため、買えば買うほど相続税は増えていきます。
 
また、物件をみたらすぐ買い付け、すぐに決済、なんてことが度々発生することになります。
 
その度に、ご高齢のお父様に三重県から出てきていただく、というのも、Aさんとしても心苦しくなるはず。
 
逆に、Aさんご自身が買い進めていけば、担保価値が増えていくということになりますので、どんどん銀行融資も受けやすくなります。
 
今回の場合は、お父様の相続対策と、Aさんの事業とは分けて考えた方が良いのです。
 
ふと、戸建賃貸を積極的になさっている女性投資家グループの皆さんの顔が浮かびました。
 
Aさんも良い雰囲気の方なので、仲良くなれそう。
 
次にグループの皆さんにお会いするときに、Aさんにもお声かけしてみよう。
 
「ぼんやりと相続が怖くて、マンション全部うらなきゃいけないのかも、とか思っていたんですけど、その必要も無いことが分かって、方針も決まってすっきりしました」
 

相続対策虎の巻のご案内

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引用元:登記簿から感じる親心(個別相談事例から)


遺言執行者は、その任務を開始したとき、遅滞なく遺言の内容を相続人に通知しなければならないことになりました。(民法1007条2項)

 

その通知方法は遺言書のコピーを配達証明付きの書留郵便で相続人に送付する方法が適していると思われます。

 

遺言書の内容が遺留分を侵害するものである場合、相続人がいつ遺言の内容を知ったのか、が重要になるからです。

 

【事例式 相続実務の手続と書式】追録第40・41号

 

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引用元:遺言執行開始通知義務の新設【追録】


 

やま

「こばやん、うち、借地なんだけど、『地主さんから借地権を1,000万円で買い取りたい』と言われたんだ。借地面積は100㎡。売るべきかな?」

 

こば

「土地を借りていると、そんな話はよくあるよね。借地整理の話は、基本的にはチャンスだと思うよ。」

 

やま

「へぇ、なんでチャンス?」

 

こば

「今回みたいに、「借地と底地に分かれている状態」、というのは借地人さんにとっても、地主さんにとっても、勿体ない状態なんだよ。この状態を「底借状態」と言ってるよ。」

 

やま

「なんで勿体ないの?」

 

こば

「まず、地主さんの立場から考えてみるよ。土地を貸すと、自分で使うことはできなくなるでしょ。土地の値段がガンガン上がっていく時代じゃないんだから、土地の価値の大半は利用価値にあるんだ。極端にいうと、利用できない土地の価値なんて無いに等しいってこと。地主さんの持つ底地なんて、持っていても、ささやかな地代と、数十年に一度の更新料を貰えることぐらいしか良いこと無い。そんな底地を買ってくれる人なんて、殆どいないじゃん。それでも買ってくれる専門業者もいるはいるんだけど、買取価格はかなり安くなっちゃう。」

 

こば

「ついでに、実際に売れる価格に比べると、相続税評価は高く設定されているから、底地の状態で相続すると、割高な相続税を払うハメになっちゃう。これを整理するのが相続対策の第一歩だったりするんだ。」

 

やま

「へぇ。地主さんにとって底借状態が良くないのは分かった。でもさ、なんで借地人にとっても勿体ない状態なのさ。」

 

こば

「それはね、地主さんの持つ底地は所有権という物権だから自由に売ることや、抵当にいれることができるのに対して、普通の借地権はあくまで債権であるから。実は借地権の括りの中に、地上権という物権もあるんだけど、あんまり使われていないから、今回はスルーするー。」

 

やま

「ダジャレかよ。そういや、大学で習ったわ。所有権は自由に売ったりできるけど、債権は債務者の承諾が無いと自由に売ったりできないんだったよね。」

 

こば

「そーそー。借地人さんは、土地を利用できてはいるけど、それは賃貸借契約という債権債務関係。だから、地代の滞納が続くと契約解除されちゃうし、借地権物件を抵当に入れたり、売却する時には、地主さんの承諾が必要になっちゃう。」

 

やま

「なるほど、土地を利用することはできるけど、法的権利としては弱いってことね。でも、地代払っていれば解除されることはないんでしょ?」

 

こば

「まぁ、旧法の借地権であればそーだね。ただ、逆にもし地代の滞納が続いて解除されちゃうと、大変なことになっちゃう。」

 

やま

「ほう、どんな?」

 

こば

「おうちが、ぶっ壊される。借地権って、建物を建てるための権利だから、借地の上に借地人の建物が建っていることになるんだけど、その建物がブルドーザーとかで壊されちゃう。」

 

やま

「えー大変!ワイルドだわね。」

 

こば

「まぁ、実際には契約解除の通知をしただけじゃダメで、裁判所で建物収去土地明渡請求を申し立てて判決もらわなきゃだから、そんなに手軽にできるもんじゃないんだけどね。」

 

やま

「でも、自分の建物が壊されちゃうかも知れないなんて、不安、、やっぱり建物所有者としては底地を買い取って所有権にしておきたいよね。」

 

こば

「逆に、借地権を売却して、底借状態から脱却することもできるんだけど、借地権は売却しにくいんだ。」

 

やま

「まぁ、そうでしょうね。・・・一応、理由を説明させてあげる。」

 

こば

「理由は、借地権は銀行の担保評価が低いこと。借地権つき建物に対し、銀行が融資してくれない訳ではないんだけど、土地部分の担保価値は低くなっちゃう。その分、別の不動産を担保に入れるか、現金を用意し

なければならないんだよ。」

 

やま

「そんなの用意できる人は少ないから、買える人が少ないってことね。だから、借地権の物件を売るのは難しいってことか。」

 

こば

「問題です。世界で一人だけ、借地権の購入なのに、完全な所有権の担保評価で銀行融資を受けられる人がいます。それは誰でしょう?」

 

やま

「地主さん!」

 

こば

「逆に、底地権購入なのに、完全な所有権の担保評価で銀行融資を〜」

 

やま

「借地人さん!最後まで聞くまでも無い。こばやんの話聞いていると眠くなるのよ。」

 

こば

「腹立つけど、両方正解、、、この両者で取引すれば、どちらが権利を買った場合でも、土地は完全な所有権になるから、借地人さんにとっても、地主さんにとっても、一番お得なんだよ。」

 

やま

「底借状態を解消するのに、借地人さん、地主さんの間で取引するのが良いっていうのは分かった。でも、値段はどうするのよ。取引相手が限られているのに、適正価格なんて決められないじゃやない。」

 

こば

「そこは、不動産鑑定を使っていただいて、、、」

 

やま

「結局、鑑定の仕事が欲しいだけか。」

 

こば

「それが一番いいんだけどなぁ。でも、鑑定評価を使わない場合は別の方法もあるんだ。」

 

やま

「なら、最初からそれを言いなよ。」

 

こば

「なるべく恣意的要素が入らないように、相続税路線価と借地権割合で機械的に計算しちゃう。もちろん、路線価と借地権割合は相続税や贈与税を計算するためのものだから、当然に私人間の売買に適用できるものじゃ無いんだけど、特に借地権割合については、他に目安となる資料が無いから、借地権実務では基準として使われることが多いんだよ。」

 

やま

「ややこしいわね。具体的に言ってよ。」

 

こば

「まず、ここやここで相続税路線価と借地権割合を調べる。例えば、「200C」と書いている場合、土地一平米あたりの単価は20万円、借地権割合は70%ということになるよ。200の後の「C」っていうのは70%ってこと。もし、「A」だと90%。」

 

やま

「うちの100㎡の借地の評価は、20万円×100㎡=2,000万円が所有権価格で、その70%の1,400万円が借地権価格、残りの600万円が底地価格ってことね。」

 

こば

「どうしても纏めたい話ならば、この金額を基準にして相手に持っていくのもアリ。地主さんの立場であれば、借地人さんに「1,400万円で借地権を売るか、600万円で底地を買うか、どちらか好きな方を選んでくれませんか?」と持ち込むんだ。借地人さんは600万円という値段で完全な所有権にすることができるので、無理してでも買ってくれることが多いよ。逆に、1,400万円で売ってください、と言われればラッキー。1,400万円で借地権を買い取って、完全な所有権として第三者に売却すれば大儲け。」

 

やま

「何で大儲け?借地権を1,400万円で買って、完全所有権として2,000万円で売るのなら、600万円の儲けでしょ。売ったら地代も入ってこなくなるんだし、大儲け、は言い過ぎじゃないの?」

 

こば

「相続税路線価っていうのはさ、公示価格の80%くらいに設定されているんだ。市場価格は公示価格に近いから、相続税路線価を基準にすると、市場価格よりも20%くらい安く買えることになるんだよ。だから、大儲け。」

 

やま

「なるほど、、、え、でもそれじゃ、借地人さんが底地を買取る方を選んだら、地主さんは損しちゃうじゃん。」

 

こば

「ただ、相続税路線価を基準にして売買できるのは、借地人さんと地主さんの当事者だけ。第三者が底地を買っても完全な所有権にはならないから、とても600万円なんて金額では買ってくれないよ。80%掛けとなる相続税路線価の金額で借地人さんに売っても、地主さんは損にはならないんだ。」

 

やま

「どちらに転んでも、損にはならないってことね。」

 

こば

「もちろん、市場価格を基準にして価格を決める場合もあるよ。近くの不動産会社にその土地の買取査定をしてもらって、それをもとに借地権の評価をするんだ。その場合、仲介価格じゃなくて、買取価格を査定してもらった方がいいよ。」

 

やま

「何で買取価格じゃなきゃダメなの?」

 

こば

「仲介価格の査定の場合と、買取価格の査定の場合とでは、不動産会社のスタンスが全く違うんだよ。仲介の場合、その土地の売却を任せてもらうのが目的だから、なるべく高い金額を提示するんだ。実際にそれで市場に出してみて売れなきゃ、少しずつ値段を下げていけば良いだけ。高い金額を提示しても不動産会社にリスクは無いんだよ。だから、仲介価格はあまり信用できない。」

 

やま

「買取の場合は?」

 

こば

「その場合、高すぎる値段で買っちゃうと、不動産会社は損しちゃう。だから、買取査定の価格はある程度信用できるんだ。」

 

やま

「確かに、「完全所有権ならば3,000万円で売れます」、という仲介査定をあてにして借地権を2,100万円で買い取った後に、「やっぱり2,000万円でしか売れませんでした」なんて言われたら、大損だもんね」

 

こば

「確実に売却できる所有権価格を元にして買取、売却価格を決めれば、まず損することは無いと思うよ。」

 

やま

「結局、今回の借地権を1,000万円で買取たい、っていう地主さんからの打診はどうすればいいかな?」

 

こば

「路線価で計算しても借地権価格は1,400万円だから、1,000万円は安すぎると思うよ。」

 

やま

「じゃぁ、どうすればいいの?」

 

こば

「一つは、計算根拠を示して、借地権買取価格を1,400万円まで上げてもらえないか、話してみる。もう一つは、地主さんの提示価格1,000万円を元にして底地価格を計算し、底地買取を申し出る。」

 

やま

「底地価格の計算ってどうやんの?」

 

こば

「1,000万円が借地権70%の評価ならば、完全所有権価格は1,000万円/70%=1,428万円になるでしょ。1,428万円ー1,000万円の残り428万円が底地価格ってこと。」

 

やま

「それで買えたら、嬉しいな。」

 

こば

「現実には買取りの話のみで来ているので、底地を売ってくれることは少ないかも知れないけど、買取価格を上げてくれる材料にはなると思うよ。」

 

やま

「まぁ、今の家、気に入っているし、引越ししたく無いから、売る気なんて無いけどね。」

 

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引用元:借地権の買取を求められた時の考え方


一昨年(平成30年)7月13日に相続法改正が交付され、既に施行されている項目、これから施行される項目と

ありますが、遺言制度の変更について簡単に解説します。

 

 

自筆証書遺言の方式緩和(平成31年1月13日~)

これまで自筆証書遺言は、全文を自筆する必要がありましたが、改正により「財産目録」については自筆で

作成する必要がなくなりました。

 

パソコンで作成した財産目録や通帳のコピーを遺言書に添付すればよくなったのです。

 

財産目録については、作成が遺言者である必要もありません。高齢の方にとってはとても楽になります。

 

ただし、手書きではない財産目録には、遺言者の署名及び押印が必要となります。

 

署名及び押印は、各ページに必要となります(両面刷りの場合はもちろん両面に)。

 

契印については必須とはされていませんが、偽造及び改竄防止のためにはしたほうがいいでしょう。

 

 

法務局における自筆証書遺言の保管制度の新設(令和2年7月10日~)

こちらは文字通りですが、自筆証書遺言を法務局で保管する制度が始まります。

 

申請できる法務局は、遺言者の住所地、本籍地、所有する不動産の所在地を管轄する法務局のいずれかです。

 

申請者は遺言者に限られており、代理人による申請はできません。そのため、施設に入られている方など

にはハードルが高くなります。

 

申請にあたっては、法務局のほうで民法に定める方式への適合性を確認してくれます。画像情報化して全国の

法務局からアクセスできるようになります。

 

あくまで方式の適合性の確認ですので、その遺言に意思能力があったかどうかなどのお墨付きをもらえるわけ

ではありません。

 

相続発生後は、相続人等は法務局に対して遺言の閲覧、画像情報の交付を請求することができます。

 

そして、法務局は遺言の閲覧や画像情報の交付を行った場合、他の相続人に対して遺言書を補完している旨を

通知しなければなりません。相続させたくない法定相続人がいる場合には、向かない手段となりますね。。。

 

また、特徴としては、法務局に保管の自筆証書遺言については、家庭裁判所の検認が不要となります。

(検認とは・・相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに,遺言書の形状,加除訂正の状態,日付,

署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。)

 

なお、手続きの詳細や手数料などはまだ決まっておらず、今後発せられる政省令で判明するようです。

 

 

 

 

遺言の方式については、それぞれのメリット、デメリットがあります。

 

困ったときは鎌倉鑑定までご相談ください。

 

 

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引用元:遺言制度の見直し
以前ご説明させていただいた、配偶者長期居住権

 

その計算アプリを使いやすく修正しましたので、改めてアプリの使い方をご説明します。

 

これを使うと、7項目入力するだけで簡単に配偶者長期居住権の目安を知ることができます。

 

こちら又はアプリの画面クリックすると、使うことができます。

 

配偶者長期居住権計算アプリの使い方

 

入力部分

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1、配偶者のデータの入力

配偶者長期居住権の存続年数が決まっている場合
 

「配偶者居住権の年数」に入力します。それだけです。

 

 

配偶者長期居住権の存続年数が「終身」の場合
存続年数は決まっておらず、配偶者が亡くなるまで、というのが普通だと思います。
その場合、「配偶者居住権の年数」では「終身」を選び、更に配偶者の「年齢」と「性別」を入力します。


 

そうすると、平均余命=「配偶者居住権の年数」として計算します。

 

ここでは、75歳女性の方が終身の配偶者居住権を取得するものとしています。

2、自宅データの入力

①土地固定資産税評価額
②建物固定資産税評価額
土地・建物の「固定資産税評価額」は、固定資産税納税通知書(毎年役所から送られてくる横長の書類)などから読み取って入力します。

 

③建物の構造
「建物の構造」は、木造、SRC造、RC造、重量鉄骨、軽量鉄骨から選びます。

 

④建物建築経過年数
「建物建築経過年数」には、新築時からの経過年数を入力します。

 

ここでは、自宅を、土地固定資産税評価額3,000万円、建物固定資産税評価額1,000万円・築10年の木造としています。

 

3、「計算」ボタンを押す

以上を入力して、「計算」ボタンを押せば、計算結果・経過表示部分に表示されます。

 

計算条件の設定

 

以下のパラメータを調整できるようにしてあります。
(基本的に、初期設定値のままで使っていただいて大丈夫です。)

ライプニッツ係数算定割戻利率

土地・建物の将来の価値を現在価値に割り戻す際に使います。

この利率が高いほど、ライプニッツ係数は低くなり、現在価値は低くなります。
初期設定値は「3%」です。

 

減価償却期間割増率

減価償却期間は事業用建物の場合を想定して定められています。

自宅用建物の場合は、減価償却期間を1.5倍にして計算することになっています。

なので、初期設定値は「1.5倍」です。

 

土地価格割戻割合

土地の評価額として、固定資産税評価額を入力することになっていますが、固定資産税評価額は、公示価格の70%となるように調整されています。

 

公示価格の方が時価に近いので、固定資産税評価額を70%で割り戻した金額の方が、公平であるとも考えられます。

 

初期設定値は「割戻無し」にしてあります。

 

 

結果表示部分

 

 

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こちらに、所有権者(子)の権利合計額と、配偶者(親)の権利合計額が出ます。

 



Ⅰ.所有権者の権利合計額には、長期居住権付所有権(=建物所有権)と、長期居住権付敷地所有権(=土地所有権)との合計額が表示されています。(上の黄色のマーカー部分)

「長期居住権」とあると、何か権利が付加されている感じですが、所有権者からすると、「長期居住権負担付」といった方が正しいように思います。

 

Ⅱ.配偶者の権利合計額には、長期居住権(=建物利用権)と、それに基づく敷地利用権との合計額が表示されています。(下の黄色のマーカー部分)

計算過程表示部分

 

計算過程は以下で確認できます。

建物の計算

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土地の計算

 

1

 

 

本アプリは参考としてお使いください。

 

本アプリを使用したことにより損害が発生しても、責任は負いません。

 

 

 

 

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引用元:1分で計算できる!配偶者居住権の評価計算アプリの使い方


地積規模の大きな宅地

ご存知の様に、平成30年1月1日以降に発生した相続から旧広大地の制度に代わり,「地積規模の大きな宅地」の評価手法が適用されることになった。

 

両者の違いを一口で言えば、旧広大地の定性的(相対的)基準から「地積規模の大きな宅地」では定量的(絶対的)な基準となったことであるが、相続税額に大きな影響を及ぼすので、路線価地域を前提にしてその内容や相違点等概観してみる。

 

1 評価方法(路線価地域の場合)

評価額=路線価 × 奥行価格補正以下の各種画地補正率 × 規模格差補正率 × 地積

(規模格差補正率は地積に応じて定められている)

 

2 適用要件

(1) 面積要件

[三大都市圏]       500㎡以上

[三大都市圏以外] 1000㎡以上

の地積を有する宅地
なお市街化調整区域内に所在する宅地については、原則として適用されないが、都市計画法第34条第10号又は11号の規定に基づき宅地分譲に係る開発行為を行うことが出来る区域に所在する宅地については、倍率地域も含め適用対象となる。
50,000㎡以上の大規模工場用地(路線価地域では大工場地区に所在する土地に限定)は適用除外となる。

 

(2) 地区要件:「普通商業・併用住宅地区」及び「普通住宅地区」に所在する宅地であること。(財産評価基本通達14-2)

基本的に都市計画法の用途地域は問わないが、唯一「工業専用地域」に所在する宅地には適用されない。

 

(3) 容積率要件:指定容積率が400%(都特別区は300%)未満の地域に所在する宅地であること。

尚、前面道路の幅員に基づき算定される基準容積率は使えず、指定容積率だけで判定される。

 

3 不要となった判定等

以上の要件を裏読みすると、旧広大地制度の次の様な判定等が不要となったといえる。

(1) マンション適地か否かの調査, 判定。
(2) 公共公益的施設用地(道路等)の必要性。
(3) 既に開発を了しているかどうかの判定(建物の存在)。
(4) 分譲区画割図面の作成(最低敷地面積の確保)。

 

4 補正率

補正率についてみると、旧広大地制度では40%~65%減額補正出来たのに対し「地積規模の大きな宅地」では、最大でも1万㎡の宅地で33%の減額にとどまる。

ただ改正後は奥行価格補正等の各種補正の重複適用が認められるようになったので単純な比較は出来ない。

 

5 「地積規模の大きな宅地」の評価手法が適用出来るようになるケース

従来の制度では広大地として認められなかったが、改正により「地積規模の大きな宅地」の評価手法が適用出来るようになった主なケースを例示してみる(上記2の適用要件は充たしているものとする)

 

(1) 路地状敷地を利用した開発地(広大地では道路開設が要件であった)
(2) 駅近の高層マンション用適地(広大地ではマンション用適地は不適用)
(3) 既にビルやマンションが建てられている土地(広大地では開発済とされ不適用)
(4) ロードサイド店舗用敷地(広大地では駐車場を含め広い店舗用地が並ぶ沿道では不適用)
(5) 特別区以外で容積率が300~400%の地域に所在する宅地

 

6 「地積規模の大きな宅地」の適用よりも鑑定評価の方が有用な場合

「地積規模の大きな宅地」の評価手法によると、かえって実勢価格(時価)を上回ってしまい、鑑定評価基準に従った評価が有用と思われるケースを挙げてみる。

 

(1) 路線価が20万円以下で多額の造成費がかかる土地(急傾斜地等)

(2) 基準面積を充たすも緑化条例等で有効宅地化率が大きく低下する大画地
(3) 基準面積を充たすも現況は無道路若しくは法外道路に面する大画地
(4) ロードサイドで基準面積を充たすも、店舗用地としては不十分で分譲開発に向く大画地

7 「地積規模の大きな宅地」の評価手法が認められないため鑑定評価が有用な場合

2の適用要件のいずれかを欠くため「地積規模の大きな宅地」の評価手法が使えず、鑑定評価額の方が財産評価基本通達による路線価評価額よりも低くなると思われるケースである。
(1) 大規模ながら基準面積には充たないため、規模格差補正率が使えない宅地
(2) 基準面積を充たすも中小工場地区にある分譲開発用適地
(3) 基準面積を充たすも都特別区で容積率300%以上の地域に所在し、前面道路や間口が6m以下の宅地
(4) 基準面積を充たすも都特別区で容積率300%以上の地域に所在する、築年数の古いマンションの敷地

 

旧広大地制度と比較すると「地積規模の大きな宅地」の評価手法はかなり使い易くなったと言える。

しかし、基準面積にわずかに届かない場合や工場跡地で分譲開発等に適する大画地の評価など新制度が機能しないケースもある。

相続税の申告に当たっては、鑑定評価を利用した方が節税に結び付く場合も多いので、御相談をお待ちしています。

 

株式会社 鎌倉鑑定
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引用元:地積規模の大きな宅地での鑑定評価の使い方


生産緑地のメリット

農家である実家の父親が亡くなり、相続財産の中に生産緑地があった場合、どのように対処すべきであろうか。

生産緑地を活かした農業継続を前提に考察してみる。

 

固定資産税について

生産緑地の利点は何と言っても毎年の固定資産税が低額であることである。

三大都市圏特定市で生産緑地の指定を受けていない市街化区域農地(宅地化農地)と比較すると、固定資産税は何百分の一という低さである。

農業後継者がいれば、迷わず継続することになる。

 

相続税について

問題は相続税である。

相続税法上生産緑地は市街地農地に分類され、宅地比準方式(又は倍率方式)で評価し、評価額は、(宅地であるとした場合の価格/㎡-宅地造成費額/)×地積 で求める。

被相続人の多くが主たる従事者であることから買取申出可能地として5%の減額があるとは言え、三大都市圏の市街化区域に所在しているので評価額はかなり高額になりがちである。

現金等で即納できる農家はほとんどないであろう。

 

現金化できそうな宅地や農地があれば売却して納税資金に充当することも考えられる。

しかし仮に立地条件に恵まれた土地があっても面積や地形等からすぐに売却できる保証もない。

申告期限までに売買が成立しそうにない場合には、とりあえず物納を申請し、取引が成立したら物納申請を取り下げて売却代金で納税するという手もある。

但しこの場合年7.3%という高い利子税を覚悟しておく必要がある。

 

相続税の納税猶予制度

そこで考えられるのは、相続税の納税猶予制度の利用である。

この制度は、通常評価による相続税額から農業投資価格で計算した相続税額を控除した残額について納税を猶予するものである。

つまり申告期限までに低い農業投資価格で計算した相続税額を収めれば済むことになる。

 

利用開始時の条件

もちろん制度を利用するにあたっては条件がある。

①被相続人が死亡の日まで農業を営んでいた個人であること(小作農地の所有者は除かれる)

②申告期限までに円満に農地を取得して営農を開始し、農業委員会から「相続税の納税猶予に関する適格者証明書」が交付されること。

③遺言書又は遺産分割協議書を添えて申告期限内に相続税申告書と担保を提供すること。

 

利用継続の条件

このような条件を充たしたとしても、納税猶予については留意すべき点がいくつかある。

①3年毎に、継続して農業経営を行っている旨の証明書(農業委員会発行)と農業経営に関する明細書を添えて、相続税納税猶予の継続届出書を所轄税務署長宛て提出しなければならない。

②猶予額を免除(納めなくて済む)してもらうためには、終生営農が条件である。この終生営農を達成するためには、更に次世代の後継者がスタンバイしていないと難しい。

 

営農を止めた場合のペナルティ

万一何らかの事情で亡くなる前に営農を止めた場合には、原則として猶予税額全額にそれまでの利子税を加え一括して2ヶ月以内に納付しなければならない。

仮に10年経過して営農を廃止し、土地の売却収入によって一括納付する場合、譲渡所得税分も考慮すると猶予額の1.6倍程度の価値がある土地を用意する必要がある。

30年間の営農により生産緑地は解除できるが、相続税納税猶予額が免除される訳では無いことに注意しなければならない。

農地貸付による納税猶予の継続適用

厳しいことばかり書いたが、人口減少時代に入った今日、農業に限らず事業の承継が困難になっている。

生産緑地で納税猶予を受けた後継者にも、営農を継続し易いように道が広げられている。

 

特定農地貸付法に加えて都市農地貸借円滑化法が制定され、これらの規定に基づいて貸付られた農地にも納税猶予の継続適用が認められることとなった。

つまり、生産緑地の相続人が市民農園やNPO法人, 民間企業等に貸し出しても納税猶予が打ち切られず、生産緑地の保持が図られることになった。

 

これとは別に、納税猶予を受けた生産緑地で営農が困難になった場合、貸付が認められる制度があるが、身体障害者手帳(1級, 2級)の交付を受けていることなどハードルは高い。

 

納税猶予制度って利用した方が良いの?

貸借の円滑化が図られたとは言え、終生営農の条件そのものは緩和されていない。

目先の相続税を避けるために納税猶予を受けてしまい、途中で営農を続けられなくなると、雪だるま式に膨れ上がった利子税を支払う羽目になる。

それならば、最初から営農を諦めて、相続税を支払ってしまった方が良いことになる。

相続発生時には、相続税のことだけではなく、家族の状況などを考えて、先を見通した判断を下さなければならないのである。

よく考えずに納税猶予を受けるのは結局、先祖伝来の土地を守ることには繋がらないと思われる。

 

不動産鑑定士 林愛州

 

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引用元:生産緑地の相続税納税猶予は利用しない方が良いって本当?


借金すると相続税が減るっていうけど、本当なの?

 

結論から言うと、

 

「借金しても相続税は減らないけど、レバレッジをかけた相続対策を行うことができます。」

 

①借金しても相続税が減らない理由

 

②レバレッジをかけた相続対策とは?

 

についてご説明します。

 

①借金しても相続税が減らない理由

 

「借金はマイナス財産だから、その分相続税評価が下がるんじゃないの?」

 

とご質問をいただくことがあります。

 

確かに、1億円の借金をしていたら、総資産から1億円を差し引いた金額に対して課税されます。

 

でも、具体的に考えてみましょう。

 

5億円の財産を持っている方が1億円の借金をした場合、どうなるでしょうか?

 

1億円の借金をすると、相続税評価はマイナス1億円。

 

でも、同時に1億円の現金が手元に入ってくるので、プラス6億円の財産を持っていることになります。

 

マイナスとプラスを通算すると、プラス5億円。

 

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借金をする前と何ら変わりません。

 

借りた1億円をパーっと使っちゃえば、マイナス1億円の債務だけが残るので、相続税は減りますが、それは相続税対策ではなく、ただの無駄遣いです。

 

借金すると、その分現金が増えるので、借金自体に相続税を減らす効果は無いのです。

 

なのに、なぜ「相続対策には借金すれば良いらしい」と言われているかというと、、、

 

借金をして不動産を買っているから!

 

借金の金額よりも、不動産の評価の方が低いから、その差額の分だけ相続税評価が下がっているからなのです。

 

詳しくは、こちらをご参照ください

 

買う不動産が同じであれば、借金して買おうが、手持ちの現金で買おうが、相続税評価の圧縮額は変わらないのです。

 

②レバレッジをかけた相続対策とは?

 

借金自体には相続税を減らす効果はありません。

 

が、手持ちの現金や借金など、出処は何でも、不動産を購入すると、不動産の時価と相続税評価との乖離により相続税を減らすことができます。

 

ここで上手に借り入れをすることで、レバレッジをかけた相続対策を行うことができるのです。

 

例えば、

 

資産 総資産5億円(不動産4.5億円・現金0.5億円)
配偶者無し、子2名
⇨相続税額15,210万円

 

という方が相続対策物件を買おうとしている場合。

現金のみで購入した場合

 

現金で購入できるのは5,000万円分の不動産のみ。

 

その範囲で相続対策を行っても、相続税額は14,000万円くらいになるだけです。
現金は全て無くなった状態で、14,000万円の相続税を支払わなければならないのです。

借り入れを使って購入した場合

 

もし、5億円を借り入れて相続対策物件を購入したらどうなるでしょう?
その場合、相続税額は4,900万円くらいまで下げることができます。

 

温存した現金5,000万円で相続税を支払うことができるのです。

 

借金を使うことで、少ない元手で大きな相続税圧縮効果(=レバレッジ効果)を得ることができるのです。

レバレッジのかけすぎにご注意!

 

ただ、もちろん注意点もあります。

 

このようにフルローンで借りてしまうと、減価償却と銀行返済金の元本とのバランスはとても悪くなるので、税引後キャッシュフローはかなり厳しくなります。

 

そこまで考えた上で、どの規模の相続税対策を行うべきか、を考える必要があるのです。

 

ご相談者の方、それぞれの状況にあわせたアドバイスも無料でさせていただいたおります。

お気軽にこちらからお問い合わせください。

 

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引用元:借金すると相続税が減るっていうけど、本当なの?