「相続対策物件」は買ってはいけない | 株式会社鎌倉鑑定ブログ

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「相続対策のお客様がたくさんいらっしゃると聞いて
お伺いしました。」
大船事務所まで収益物件を売りまくっている不動産会
社の方にご足労いただきました。
景気良さそうです、、
「利回りは低いのですが、相続税圧縮効果は抜群です」
といいながらカバンの中から資料を取り出します。
・・・ちょっと厳しいかな、、、
資料を見る前から期待が萎んでいきます。
不動産投資として合わない物件を営業するときの常套
句が「相続税対策のお客様に」
相続税圧縮のことだけを考えるのならば、相続税評価
に比べてなるべく高い金額の物件を買えば良いことに
なります。
もちろん、そんなことをすれば壮大な無駄遣い、その
家の資産を減らしてしまうことになります。
資産を減らさずに、相続税評価を下げられる物件でな
ければ意味がありません。
資料を見ると、20億円近いFCR5%くらいの物件。
ざっと試算。
税引き前のCFだけをみると、フルローンでも年間1,0
00万円くらいのキャッシュフローが出ることになり
ます。
人によっては魅力を感じるかも知れません。
ただ、税引き後のCFをみると、二年目以降はローン
返済までずっとマイナス。
それを維持しきれるのか、あまりにも怖い、、、
では、相続税圧縮効果を加味すると?
これは購入者によって効果が全く変わってきます。
そこで相続税の税率が最高になっている方が購入し
たと仮定した場合、買った瞬間は4億円くらいの相
続税圧縮効果を得ることができます。
「相続税対策」物件が売れるわけです、、、
ただ、20億で購入し、4億円の相続税を圧縮でき
たとしても、税引後キャッシュフローがマイナスで
15億円でしか売却できないようならば、トータル
でマイナスです。
この規模になると一般投資家は購入できないので、
売却する際のターゲットはとても狭いものになりま
す。
いくらで売却できるのか予想することは困難です。
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やはり「相続税対策物件」は避け、売却時に一般投
資家が購入できる価格帯の物件を必要なだけ購入す
る方が良いと思うのです。
 

 

 

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引用元:「相続対策物件」は買ってはいけない