新型コロナウイルスの
「在宅で仕事をせよ」ということが社会的
人々の声はまるで、「在宅で仕事ができないような職場で働かざるを得ないのは、それは努力と知能が足りないのだ、それで病気になって死ぬのは、昔からの努力が足りない報いだ」とでも言いたげです。誰一人としてそんなことは言っていないのかも知れませんが、私にはそのように感じられ、耳に響く気すらするのです。
ごみの収集を在宅でできるというのならやって見せてください。
犯罪人の逮捕を在宅でできるというのならやって見せてください。
火災の消火を在宅でできるというのならやって見せてください。
救急車で病人を運ぶことが在宅でできるというのならやって見せてください。
水道局での水質検査と機器の運転を在宅でできるというのならやって見せてください。
電車の運転を在宅でできるというのならやって見せてください。
発電所の機器の運転を在宅でできるというのならやって見せてください。
バスの運転を在宅でできるというのならやって見せてください。
旅客機の操縦を在宅でできるというのならやって見せてください。
Amazonの商品を玄関先に届けることが在宅でできるのならやって見せてください。
亡くなった方を火葬し遺骨を丁重に集め骨壺に納める仕事が在宅でできるのならやって見せてください。
どうか、高層ビルやタワーマンションを在宅で建てて見せてください。
あなたの戸建ての自宅を、「在宅で建ててください」と、工務店で言ってみてください。
皆さんが熱を出し、嘔吐し、呼吸困難を覚えて苦しんでいるとき、「在宅テレワーク医師」「電話看護師」などという怪しげなもので手厚い看護が受けられ、それで十分だというなら、なるほど、是非そうしてください。
政府は布製マスクを配ると言いました。何が布製マスクだと噛みついているわけのわからない人々もいます。そういう方々は、布製マスクの受け取りを拒絶すべきだと思います。そのマスクは、必要としている人々が貰い受けるでしょう。文句を言うなら、断固拒絶してください。
皆さんはトルストイの「イワンの馬鹿」という作品を読んだことがおありになりますでしょうか。人々をそそのかす悪魔は、「頭を使って働かぬような者はクズだ」というようなことを言い立て、しかし、象徴的な高塔の
皆さんが尊ぶ「テレワークで十分な仕事」など、トルストイの悪魔の虚業に過ぎません。そんなことをまるで立派なことのように威張られると不愉快です。