整数問題へのアプローチ(2019年東京大学理系数学第4問) | 受験で実力を得点に変えよう(家庭教師の心がけ)

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家庭教師歴約25年。医学部東大など難関大学受験生中心に教えてきました。ちょっとした工夫でケアレスミスを防ぎ実力が点数に反映させる実践的方法や受験生の質問の多かったポイントや過去問などのブログにする予定です。ご連絡あればkatekyo424-public@yahoo.co.jpまで。

続いて今年の東大数学の第4問です。定番の整数問題ですね。そういえば確率また出てませんでした。「ネタが出尽くしたのかな?」なんて思ってると突如牙をむくような難問が出そうで怖い。。。


↓の構想にそって解きはじめます。

 
最初の構想段階では2k+1の計算の流れを雑にイメージした程度で、「互いに素な2数の積が二乗数にならないくらいなんとでもなるっしょ」という甘い見通しで解き始めた結果、(2)のnが奇数の時の小さなミスにより苦しむ羽目になります。


とりあえず最終的には↓の感じで仕上げました。


(1)のように互除法で最大公約数にアプローチするのは、小学校のときにならう「4043/9763が約分できるか?」を確認する方法としてやったことがあるかもしれません。基本的にはそれと同じように(割り算のあまり,小さい方の数)の公約数が等しいことを利用して小さい数にしていきます。


片方が4になってくれたので、あとはn^2(2乗)+1と4との公約数を考えて場合分けです。奇数の2乗を4で割ったら1余ることを知っていると楽だったかもしれません。


いよいよ(2)です。僕が苦しんだからというわけではないですが、なんとなくこの(2)が合否を分ける問題の1つだった気がします。違うかな?


(1)同様奇偶で場合分けし、偶数のときは想定通りでしたが、奇数で「2k(k+1)+1」の部分をうっかり「2k(k+1)」としてしまい、「連続2整数だから二乗数になるわけないっしょ(←前に2がついてるので間違ってます!!)と早合点して適当に仕上げます。


見直しした際に、「k=1で2k(k+1)=2^2=4になるしもうちょいちゃんとやんないと」ということに気づき、どう証明するか方針を定めるため(ここまでまだ自分のミスに気づいていない)k=1のときのn=3を与式に代入してみると、10x54=4x5x27となり「あれ?54で考えてる。なんかおかしくね?」となり、k=0のときのn=1を確認してやっと「やべ、1足すの忘れてる。。」と気づきます。冷静に振り返ればnが奇数で4を考えている時点で何かおかしいと気づきそうなものですが、思い込みは怖いものです。


以前書いた京大の整数の問題と同様、方針を定めようと実験してみると、それがたまたま自分の愚かなミスを発見させてくれた感じです。見直しの際計算ミスを探すとなかなか先入観がとれませんが、こちらに書いた簡単な値を代入して結果に合理性があるかを確認するのは、凡ミスを防ぐ上でも大事な姿勢だというのが、なんとなくでも伝わるでしょうか?(超恥ずかしいミスですが。。)


修正後は「2k(k+1)+1」はどうにもならないし、二乗数を5で割った余りが0,1,4になるのはたまたま知っていた(これはさすがに自明にはできないと思うので、軽く補足証明しておきました)ので、「10k(k+1)+7」が5で割って2余ることに目がいくのが自然な流れのような気がします。


本問では

1.ユークリッド互除法
1.二乗数の余り

の2つの性質をベースに、背理法気味?に仕上げましたが、他にも色んなアプローチが考えられると思います。


もちろん二乗数の余りといった細かいtipsは覚える必要はあまりありませんが(±1)^2,(±2)^2,...があまりになるため「二乗数の余りも二乗数になる」というのは体感しておいて損がないかと思います!


以上第4問でした。特に試験の際は小さなミスでパニックを起こすことは十分考えられます。人間である以上ミスは仕方がないので、ある程度気をつける習慣を訓練した後は、「ミスを怖れるよりリカバーする力を鍛え上げる」ことが1番点数に繋がると思っています。それでもうまくいかないときは、それは運命として受け入れるのがナーバスにりすぎないバランスポイントなのかなぁ?


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