ほうきバランス(2019年東京大学物理第1問) | 受験で実力を得点に変えよう(家庭教師の心がけ)

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家庭教師歴約25年。医学部東大など難関大学受験生中心に教えてきました。ちょっとした工夫でケアレスミスを防ぎ実力が点数に反映させる実践的方法や受験生の質問の多かったポイントや過去問などのブログにする予定です。ご連絡あればkatekyo424-public@yahoo.co.jpまで。

お久しぶりです。今年こそ謎のアレルギー症状を治そうと仕事をセーブした昨年よりさらにセーブしているせいか、現在アレルギー症状はまあまあいい感じです。んが、とにかく完治しない&原因不明なまま&検診の数値が悪い。。。失って初めてわかる健康のありがたみですね。



今年は東大受験生をもっていないこともあり、体調を最優先して東大の物理の問題を解くのもサボっていました。ですが、「さすがにそろそろやんなきゃなー」と思い、少し解いてみました。10年くらい東大受験生をもっていたのに、いざやらないならやらないで、体は楽になっても何か物足りないのもまた本音です。。今年の東大模試はどうだったんでしょう?



前置きはこれくらいにして、第1問です。問題は予備校のサイトなどでご覧ください。小学校の掃除の時間のあそび「ほうきバランス」を強制振動っぽく単振動とうまく組み合わせて問題にしてあります。なんか慈恵っぽい強引なエッセンスを加えた東大らしい出題といった趣きです。



まずは、多分こうやってほしいんだろうという出題者の想定解答予想バージョンです。記号の定義とか面倒でややサボり気味ですが、誘導意図を予想しながら「高校物理」+「数学」を意識して解いてみました。K=mω^2を露骨に使わせるのは、去年か一昨年の慶応にも出ていましたね。この式もいつのまにか高校の教育課程にとりこまれちゃったか。。。







Iの相対運動は、もう応用とは言えないくらいよく見かけるようになりました。今の時代だと標準問題とかになるのかもしれませんが、良い意味で物理らしい問題だと思います。IIは「誘導意図」と「数学と物理のバランス」の2点でなかなか手強いです。「θのグラフから単振動の方程式を無理やり誘導して立てさせるところ」「おもりから台への主語の巧妙な入れ替え」「平均加速度に着目できるか」あたりが乗り越えるべき壁だったような気がします。



正直に書くと最初に解いたときには、f=mgθ-maの第一項のθの係数にマイナスがついてないため、「設定ちゃんと捉えてるのかなぁ?」とやや確信がもてませんでした。そんな中、ほしくもない誘導の文章から出題意図を読みとるのが面倒に感じて、なにを求めるかだけ読んだところ、「おもりの運動方程式から解くべきθの微分方程式はすぐわかる」&「その答えまで図で与えられている」→「台の加速度はすぐみえる」ので、実際は↓のようにガンガン積分計算して解いちゃいました(反則)。


【訂正】右の真ん中あたり↘︎

これらを「②式に代入して」


実際はここであとは平均加速度で解けると思い上の解答に切り替えるのが一番速いですが、流れでガンガン計算していくと↓のような感じになります。



計算は面倒ですが、穴埋めにちゃんとハマった結果になった分確信がもてたため、案外サクッと終わります。ですが、仕事の準備としてこのレベルだとやばいので、「これをどう高校生に解かせる誘導なんだろう?」ともう一度ちゃんと問題文と向き合います。そのあとやっと「なるほど、無理やり運動方程式を作らせてθの式を出させて係数比較で解かせた上で、平均加速度に着目させたいのか」と気付いて解いたのが最初の解答です。



その解答でも、ある程度基礎のしっかりした生徒に理解させるのはさほど難しくないんですが、初見でこの問題文と運動方程式の状況(単振動なのにマイナスがつかない)から、ここまで誘導意図をちゃんと見破って解くのはかなりの読解力と開き直りが必要なんじゃないのかなぁ?そうでもないのかな?案外微積使った解法の方が得点が伸びやすいかもしれませんね。



近年の東大物理はやや数学に寄った印象です。かなり物理的に工夫した問題を作ってくれる大学ですが、やや数学に寄ったせいで、誘導が徐々に増えています。誘導しないと高校物理としてはグレーゾーンなので仕方がないのかもしれませんが、その分問題を解く流れが不自然になるのはいいのだろうか?(本音は誘導なくても解けるものを誘導されると面倒でキツい。。。)





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