あの夏② 〜ハンラー×ハンラー〜 | あらわざ幸福論

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時の流れと
空の色に
何も望みはしないように
くだらないことや
自分の小っちぇ快楽に
エナジイを燃やすだけなんです

前回のあらすじ
 
 
 
えぇ、一瞬にして半裸ですよ。
 
プロハンラーの仲間入りですよ。
 
※プロハンラーとは?
ハンラー試験に合格しハンラー協会員となったハンラー
プロハンラーと一口にいっても、多種多様なタイプがある
ボクサーパンツハンラー、トランクスハンラー、ブリーフハンラー、フンドシハンラー、オボンハンラー、モハヤゼンラー等
 
 
服なんて、もう着てらんないっつうの。
温度、湿度ともにMAXなんで、肉体、精神ともにダメージが入るわけ。
 
そのえげつなさたるや、「一坪の海岸線」に匹敵するとかしないとか
「堅」、いや、「硬」でガードしないとヤバイとかヤバくないとか
汗も渇く暇なく、産まれたてのメルエムくらい常にビッショビショです。
 
 
でも、まぁ、
後戻りできない状況だからやるしかねぇ(´Д`)大家に啖呵切っちゃったしな
 

とりあえず、
帰宅したら、すぐに窓を開け換気
「窓を開く者(スクリーム)‼︎!」
 

・・・
 

次に、
火属性に対抗するには水属性だろ!ってことで、園芸用のデカイ霧吹きを引っ張り出してきましてね。
 
部屋の中で、シャウアプフが選別の為に集まった人々に撒いた鱗粉が如く、大量に水を振り撒き
 
グラチャン「TUBE(イナムラ)」発動したんじゃねぇかってくらい床をビチョビチョにして
 
さらに、それを雑巾で軽く吹き上げる
 
 
これにより、気化熱(液体が気体に変わる時に必要な熱。水が蒸発する時に周り熱を奪う=周りは涼しくなってヤッホー)で少しマシになるわけ。
 
でもね
疲れて仕事から帰って、半裸でビショビショの床を拭いたことある人には分かるだろうけど(´Д`:)そんなやつお前以外いねぇだろ
 
「俺はいったい何をしてるんだろう・・・」って、なんとも言えない感情が渦巻いてくる
 
ずっと半裸でさ、こまめに水分取って、たまに霧吹きで体にも水かけたりしてる
 
炎天下の屋外じゃないのよ。普通の一般家庭の一室だよ。
 
まさにサバイバル
ディスカバリーチャンネルでやってたっておかしくない生活ですよ。
 

エアコン代わりに「冷風扇」なる物も買ってはみたものの

使えねぇーーー!!(T口T)

のれんに腕押し!
ぬかに釘!
ウボォーギンにバズーカ!
 
周りの空気が暑すぎると全く効果なし
役に立ちゃしねぇです。(密着すれば涼しいよ)

 
そんな中
さらに追い討ちをかける敵が現れるわけ

その名も
 
もう、勘弁してくれ・・

ヤツ等、すげー厄介
網戸してるはずなのにすり抜けてくんの
あれですか?空間系の能力かなにかですか?
 
洋服を着てないってのは完全なる「絶」状態
 
ウルトラ無防備
 
ヤツ等からすれば美味しい食べ物が目の前に広がってる肉樹園状態
 
そりゃあ、大人気よ
ちょっとした立ち呑み屋状態よ
背中とかバンバンいかれる
 

そう言えばカイトが言ってたなー
「良いハンラーは動物に好かれる」って
 
 

 
・・・
 
 


蚊はねぇだろっ!!(`Д´)キツネグマにしろや!
 
 (´口`:)怒りの方向がおかしいだろ
 


・・・
 
 
 
なんて、色々ありながらも
汗かきベソかき1日1日暑さと戦っていきましたよ。
 
でもね、人間ってすごいのよ
 
8月も終わりに近づいた頃
ふと、異変に気づくわけ
 
温度計を見ると数字はさほど変わっていないのに、不快になるほどの暑さを感じない。
 
汗をかく量も減り
 
霧吹きの回数もどんどんと減っていって
 
 
 
・・うん、これはウソ、祈ってない
 



しかし、
人間の適応能力ってのはすごいね
 
完全に暑さを置き去りにしてた
 
そうなってくると、心にも余裕が出てくる
 
大家や暑さや蚊に対してイライラしていた自分がちっぽけに思えた
 
私の中で「怒り」という感情は無くなり、
そこにあるのは「感謝」のみになってた
 
過酷な体験は人生観をも変える

 

あの夏に感謝
あの暑さに感謝
あの蚊に感謝
あの大家に感謝
生きとし生けるものすべてに感謝
 
怒りからは何も生まれはしない
感謝は愛へと生まれかわる
 
私ができたのだから皆にもできるはずです
 
さぁ、私が導きましょう
 
世界から怒りが消え、皆が幸せになりますように  
 
 
 
 
おわり
 
 
 
 
 
 
 
 
 



 
 
 
 
2019年 冬
 


この部屋クソ寒っ!!あの大家許すまじ!!