指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

全国にひろがるニヒリズム

2020年07月08日 | 政治
小池百合子が都知事に当選したのを見て、一番感じるのは、一種のニヒリズムである。
そこには、小池が最高という積極性はないし、『女帝・小池百合子』に示されるのよなインチキくささを感じるとこもあるはずだ。
だが、「小池で特に問題はないのでは」というニヒリズムの結果だと思う。
その理由は、本来都道府県は、市町村とは異なり、普通の市民に直接の関係がないからである。
現在の地方自治制度においても、都道府県の役割は、独自性に乏しく、国と市町村をつなぐ存在で、普通の市民とは大変に縁遠い存在である。
保育も、特養も、道路整備も多くは市町村の事務で、都道府県独自の事業と言えば、労働行政や高等教育、試験研究など、あるいは警察である。
だから、昔、「指定市の県会議員の仕事は、交通事故のもらい下げしかない」と言われた。
現在は、警察への議員の関与はあり得ないことなので、県会議員はほとんど市会議員になるしかない。



その意味では、私は極端に言えば、道州制に反対ではない。
だから、誰が知事になっても、普通の都民には関係がないので、人気投票になるのだと思う。
もちろん、石原慎太郎がやって教育の場での「君が代・日の丸」の強制などは、言語道断だが、逆に言えばそれくらいしか知事はやることがないのだ。
だから、彼はろくに都庁舎に来なくても知事が無事に務まったのである。
また、彼の次に猪瀬や舛添のようなおかしな人間が知事になっても、都の事業には問題がなかったのである。

今後の国政を含めた政治的傾向だが、当分この「ニヒリズム」が続いていくにちがいない。
その最後は、どうなるのだろうか、カタストロフにならないかが、少々心配になる。

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