指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

『妹』の台詞から

2020年09月29日 | その他
藤田敏八監督の『妹』には、大変に面白い場面がある。
それは、林隆三が、鎌倉に行き、今は吉田由貴子が一人でやっているブティツク「おいで」に行く。そして、夜林が毎日食堂に戻ってくると、秋吉久美子と吉田日出子がラーメンを食べている。
ジーパンから砂と木製のメガネが落ち、秋吉は言う「鎌倉・・・」
林は言う、秋吉のために鎌倉に行って吉田と話し合って来た、と。
吉田日出子は言う「裸で話し合って来たのね、サイテイね、今電話があったのよ」
秋吉は言う「今日、お兄様にむりやり犯されました、公衆便所で」
林は反論する「それは、あいつの罠だ、俺をネリから取ったという・・・」
吉田はさらに言う「自分から、その甘い罠に落ち込んだのね、虫の良い話ね」

             

これはよく言われる陰謀論が嘘であることを証明していると思う。
真珠湾攻撃のルーズベルトのやらせ、盧溝橋事件でのコミンフォルムの陰謀など、世に「陰謀論」は多い。彼らの陰謀で日本は戦争に巻き込まれたというのだ。
だが、どちらも、衝突が起きたとしても、それが偶然の結果ならば、どこかでやめられたはずである。
それが、どこまでも行ってしまったのは、結局は日本側に戦争をしようと言う意思があったからである。
そうしたことを無視して、陰謀に引っかかったというのは、自己の主体性を否定するものだと思う。

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