「先生…、新條さん、追っ掛けるそうです。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

THMIS mama “お洒落の小部屋”

好きになれない。  vol.102.

ドキドキ 新宿のホテルを出て、既に高速に乗っている黒のBMW。
「先生…、新條さん、追っ掛けるそうです。」
助手席で古家並木。ファッションデザイナー、牧田敦子のマネージャーである。

後部席に乗っている牧田敦子。
「ふ~ん。そぅ…。…ふふ…。」



20分後、こちらもようやく高速に乗ったタクシー。

「さ~て。運転手さん、頼むよ~。黒のBMW、ナンバーは…………。」
夕美子。

「あいよ。ここまで来たら、任せな。向こうさん、先に高速、乗ってんだろ。」
「えぇ~。とっくに。」

既に時計の針は午前7時30分を過ぎている。

スマホに着電。
「夕美子、今…何処…???」
與門である。

「やるっきゃないでしょ。もう幕張の手前まで来てる。」
「うん。」

「まさか…。パリまで行けってんじゃないでしょうね~。」
「ざ~んねんながら、そこまでは経費じゃ無理。ポケットマネーでお願い。」

「その前に、パスポート…持ってないっつうの~~。」
「ふふ…。頼んだよ。相棒~~。」

「おぅ。與門~~。高くつくぞ~~。」
「おまえさんのためならね~~。どこまででも、お供しましょ。」

運転手、
「見えた!!!」

與門、
「ふふ…、その声。」

夕美子、
「さっすが~~。ダンディ~~。わっほ。與門、じゃ、切るよ。」

「おぅ。」



ドライバー、
「先程から、あるタクシー、後ろ、離れませんね~。」

古家、
「追い付きましたか…。」

牧田、
「……。」



午前11時05分。成田からパリに向かっての直行便、離陸。

機内で牧田、資料を見ながら、
「並木~~。與門に、例のワイン…お願いね~~。」

古家、
「はい。もう既に…。」

マストアイテムのファッションサングラスを掛けながら、
「いいコンビだわ…。」



スマホを耳に、エスカレーターを降りる夕美子。
タクシーに乗り込んで、
「ダンディ~、東京まで、帰りま~す。」

「はいな。」




ファイルを片手にドアを開けて廊下に出る衣川康太、
「あ~、新條さん、お帰んなさい。」

「おはよ、康太~。」

そして編集局に入り、
「おはよ~~。」

右手を高く挙げて亜季、
「おつかれさま~~。しっかし…まぁ~。やってくれるよね~牧田~~。」

「今をときめくファションデザイナー。…だもんね~~。」
向かい席の副嶋真奈香。

「振り回すよね~~。」
その隣の、雪心。

「それでいて…。堂々としている。…ってね~~。」
亜季の隣で亜季のパソコンの動画を観ている澤木美紅。

駆け足で入ってきた上杉信玄、
「あっ、お疲れ~っす、デスク。…っと…。」
机に書類を置いて、向かった先…。








※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


《PR》
庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。

※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。