いきなりよろける和弘。横目で見てクスリと笑う女性。 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.098.

ドキドキ その途端にいきなりよろける和弘。
左斜め前で、柔軟体操をしていながらも体のバランスを崩した男性を横目で見て、
クスリと笑う女性。

和弘、
「マジで…???…新條さん…???夕美子さん…???」

いきなり自分の名前を呼ばれて、
「はい…???…だれ…???」
傍にはその男性しかいない。
「どなた…???」

そしてその名前の呼んだ男性に近づき、
「…呼びま…???…へっ…???…ワコウちゃん…???」

和弘、
「び~~っくり~~!!!新條さ~~ん。」

「わわわわわ。こっちも…び~~くりだわ~~。なになに。ワコウちゃん、毎朝…、ジョギングしてんの~~???」

そんな夕美子の声に、
「え…え~~。高校の時から…ずっと…ですけど…。」

夕美子、
「すごっ。」

「新條さんも…???」
「私は…、天気のいい時だけ。仕事行く前に、少しでもね~~。」

「へぇ~~。さすがですね。」
「…ん…???何が…???」

「仕事も出来れば、健康づくりも…しっかりと…。…だから…、綺麗なんだ。」

そんな和弘に右手を振って、
「全然、全然、そんな事ないよ~~。私は…與門を見習っているだけ。」

「へっ…???與門さん…???」
「うん。あぁ見えて與門、もの凄い、運動神経良いからね~~。」

「へぇ~~。そうだったんだ~。」

「…で、どうなの…東京…???慣れた…???」
ゆっくりとベンチに腰掛けて、隣に左手で和弘を。

和弘もその隣に。
「えぇ…、少しずつですね~~。ようやくアチラコチラ、分かるようになってきました。しかも…、素敵な人たちとも出会えたし。」

「ほぅほぅ。嬉しい事…言ってくれますね~~。お世辞でも嬉しい。」
「いやいや。お世辞なんて…。話していて勉強になりますよ。」

「でも…、ワコウちゃん。料理…上手よね~~。」
「と~んでもない。まだまだ勉強不足ですよ~。洋造さんに言わせたら、な~にやってんだい。…な~んて言われちゃいます。」

「でも…、私は好きだな~~。ワコウちゃんの料理。私なんて、てんでだめ。」
「なに仰います。新條さんの作った料理も、いつか食べてみたいですね~。」

「かかか。それだけは勘弁して。プロに食べてもらおうなんて、とんでもない。」
そして、
「…へぇ~~。いっつも…この時間帯、ワコウちゃんも走ってるんだね~。」

「えぇ…。あっ、そうだ、そう言えば…、あの話…どうなりました…???」

そんな和弘の声に夕美子、
「へっ…???あのはな…。あぁ~~。例の話ね~~。私と信玄が担当になった。先方さんともコンタクト取ってるよ~。」

「そうですか~。これから伸びますよ、あの麻布セントラル・ムード。」

夕美子、
「えっ???」

「しかも、新條さんだったら、ますます、どんな感じになるか…楽しみだ。期待してます。」

夕美子、目をパチクリとさせながら、
「えぇ…。ありがと…。」
 

 








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